遊佐未森


ブーゲンビリア
東芝EMI TOCT-25093 (2003:CD)

箱根/light song/ブーゲンビリア/流線/blue heaven/桃色の雲は/花林糖/Daisy Daisy/ユングフラウ/彼方


檸檬
東芝EMI TOCT-24813 (2002:CD)

青空/月がとっても青いから/南の花嫁さん/アラビアの唄/ゴンドラの唄
小さな喫茶店/夜来香/蘇州夜曲/森の小径


遊佐未森さんの新作は大正時代から1950年代までの歌謡曲をカバーした企画アルバムです。
最近の彼女の作品からするとはまりすぎな感じがします。まあそれだけ安心して聴けるわけですが。
アレンジもオーソドックスで未森さんのヴォーカルを楽しむには遜色ありません。
でも個人的には彼女のオリジナル曲のほうが好きですね。


honoka
東芝EMI TOCT-24642 (2001:CD)

オレンジ/I'll Remember/遠いピアノ/通り雨/小さな桟橋/月夜の浜辺
カシス/dive/クレマチス/Pie Jesu/leaf


ロック色の強かった前々作、ゆったりした淡色系のサウンドだった前作Small Is Beautifulとここのところアルバムの色合いが違っていた
遊佐未森さんの新作はそれの中間といった感じの爽やかな曲が並んでいます。
跳ねたリズムのオレンジからはじまり、パディー・モロニーのホイッスルが染み入るケルティック風味をあしらった3拍子のI'll Remember(絶対名曲!),
未森さんのピアノと渡辺等のベース演奏で構成された遠いピアノと続く流れはため息が出るほど素晴らしい。
月夜の浜辺カシスdiveという3曲のインスト(月夜の浜辺は中原中也の詩の朗読)をはさんで、未森さんのコーラスワークが見事なクレマチス
この曲では高野寛がギターソロをとっています。leafではアルバムタイトル「ほのか」をキーワードにとても素朴な「うた」が綴られています。
アルバムのまとまりから言うとここ数作では抜きん出た出来じゃないでしょうか。
編曲は未森さんが6曲、羽毛田丈史が5曲。ほのかに漂うアイリッシュ感覚はもうすでに遊佐ブランドでしょう(^^)。


small is beautiful
東芝EMI TOCT-24458 (2000)

small is beautifl/paddle out/ココア/still room/ネクター/ヤドカリ
life in the tree house/ちょっと海まで/旅立ち/サヨナラ東京/仔ぐま座/空に咲く花


自然体。アルバムのブックレットに畳の部屋で足を投げ出している未森さんの写真があるのですが、
このアルバムを言い表すならばちょうどそんな感じ。アコースティック感覚が強いアルバムです。
前作ではバンドサウンドを志向していましたが、本作ではミディアムテンポで柔らかな音感の優しい曲が大半を占めています。
インストが3曲(すべて未森さんの作編曲!うち2曲が3拍子<これはどうでもいい(^^;)も収録されているのが従来とはちょっと違うところ。
プログラミングでもクレジットされています。
先行シングルとなった空に咲く花ココアは従来の未森サウンドを踏襲したものですが、
ヤドカリサヨナラ東京などではボサノヴァ感覚のサウンドとなっています。これがなかなかいい感じです。
特に6分半の長尺ヤドカリでは、バグパイプや和太鼓やアコーディオンを取りいれた興味深いサウンドにもなっています。
歌詞的には海を題材にしたものが多いようです。ジャケット写真も海辺のものだし。
あと、茶髪(といっても栗色程度ですが(^^))。ジャケット写真で茶髪なのは初めてじゃないかなあ。(余談)

女性のシンガーソングライターの多くは曲の中心に歌詞があるのですが、未森さんの場合は曲全体で聴かせるタイプで
これが彼女の個性といえるものですが、本作ではそれが明確に表われていると思います。
「曲を感じる」という聴き方をしたいアルバムです。


ココア
東芝EMI TOCT-22113 (2000)

ココア/see you in spring/ペチカ

遊佐未森さんのNEWアルバムを目前にしてのシングル。アルバムを待とうかなと思ったんですが
ついつい買ってしまいました(^^;。
タイトル曲ココアは遊佐未森さんの作詞作曲、アレンジは羽毛田丈史。いかにも未森さんらしいポップソングです。
see you in springは珍しくタイトなロックアレンジの曲。そしてペチカはもちろんあの童謡(作詞:北原白秋、作曲:山田耕筰)です。
これをハープとイーリアンパイプ入りのアイリッシュなアレンジを施してあって素敵です。
今回はジャケ写真もgoodです(^^)。


空に咲く花
東芝EMI TOCT-22086 (2000)

空に咲く花/君の声がする/逢いたくて逢いたくて

ゆかた姿のジャケットとは思いませんでした(^^;。
遊佐未森さんのニューシングルは夏の花火をテーマにした曲です。
サウンドは昨年のアルバムと同様、バンドサウンドを強調したものとなっています。
作詞は遊佐さん、作曲は名曲タペストリーの作者小河星志で、取り立てて目新しいものはないですが安心して聴けます。
3曲目逢いたくて逢いたくては園まりの歌のカバー。ちなみにこの曲、鈴木祥子さんの新曲のカップリング曲にもなっています。



東芝EMI TOCT-24104
(1999)

青の行方/ポプラ/Pixie/眠れぬ夜の庭で/a little bird told me
ハモニカ/火星水路/Little Garden/バンビ/ボーダーライン


rokaECHOとアイリッシュ風味豊かな作品をリリースしてきた遊佐未森さんの新作は、
さらに落ち着いたものになると思いきや予想に反してポップでかつロックっぽいサウンドになりました。
もともとブリティッシュロックが好きだという発言もしていることなので、別にイメージチェンジってわけではないのですが
より外に向かった音楽を発表してくれたのはうれしい限りです。(momoismアルヒハレノヒの変化パターンを思い出しました)
今回はほとんどの作詞を手がけており、火星水路ボーダーラインなどといった曲にいままでなかった詞の世界がみられます。
サウンドは彼女のバックバンドThe Open Gatesが4曲、山弦、南烏山六丁目プロダクションがそれぞれ2曲ずつ
アレンジを担当しておりかなりカラフルな雰囲気です。
ちなみに同時期にリリースされた外間隆史さん(レコード会社移籍前の彼女の曲に関わりが深い)のアルバム名が裏庭
火星のメランコリィ
なんて曲もあったりするのは意図的なのか偶然なのかわかりませんが面白いです。


アカシア
Epic/Sony Records ESCB 1718 (1994)

風が走る道/虹を見ること/野性のチューリップ/海のように青い/銀の砂 金の星
アントワープへ/ピクルス/天使のオルゴオル/夏の手のひら/月の船/たしかな偶然

遊佐未森さんのアルバムの中ではこれが個人的には一番好きなアルバムです。
曲は遊佐さん作曲が7曲、外間隆史が3曲、そしてスピッツの草野正宗が1曲という配分。
草野正宗作詞・作曲の野性のチューリップは躍動感あふれるポップロックに仕上っており、ちょっと異色作なのですが
これがこのアルバムには良いアクセントになっているようです。遊佐さん初めてのマキシシングルにもなりました。
風が走る道(杉林恭雄作詞、外間隆史作曲)は遊佐さんの歌の中で私が一番好きな曲(^^)。ノスタルジックな歌詞とメロディーが最高です。
海のように青いはスペクターサウンドが特徴。これも遊佐さんの曲としては意外なサウンドですが、これがなかなかヨイです。
3拍子のピクルスは淡々とした8分音符のシンセベースにのせてストリングスと木管と遊佐さんのヴォイスとコーラスが織り成すハーモニーが
漂うような感覚を抱かせます。たしかな偶然はシングルとしても発表され、CFソングとしても使用された曲のアルバムバージョンです。
ちなみにアルバムタイトルのアカシアは、次作アルバムrokaの中にも同名の曲が収録されており、この2作品には関連するところがあるようです。


アルヒハレノヒ
EPIC/SONY ESCB1522
(1994)

Floria/恋かしら/逢いたい/太陽とアイスクリーム/小鳥
バスを降りたら/咲くといいな/Slowly/海/Diary


遊佐未森といえば初期からのファンにはハルモニオデオンが人気があるのですけど、
ここでは彼女のアルバムでは最も開放的なこのアルバムを推しておきます。
アレンジにに外間隆史、野見裕二、トニー・マンスフィールドの3人があたり、
それぞれ別の味を出していて非常にカラフルな作品集です。
ハードなギターにファンタジックなメロディーが乗るFloria、ハワイアン風の"Aluhi-halenohi"というコーラスが
不思議な味わいの恋かしら、シングルにもなった咲くといいななどが個人的には好きです。
ジャケットの未森さんも珍しくタンクトップでいい感じです。(何がや(^^;)


HOPE
EPIC/SONY ESCB1093
(1990)

Forest Notes/雨あがりの観覧車/いつの日も/雪溶けの前に/Holiday Of Planet Earth
夢をみた/午前10時午後3時/君のてのひらから/夏草の線路/Echo of Hope/野の花

遊佐未森さんの4作目。私は初期の彼女の作品ではこれが一番好きです。
プロデュースは前作ハルモニオデオンと同様外間隆史氏ですが、前作ほどコンセプトで固められた作品ではありません。
サウンド的には従来のスタッフに加えて、オーストラリアのポップロックバンド、スプリット・エンズのメンバーが参加しており、
それまでのやや固めの音からまろやかなものになってきている気がします。
気に入っている曲は雪溶けの前に夢をみた君のてのひらから夏草の線路といったところ。
雪溶けの前に夏草の線路はブリティッシュトラッドに通じるメロディーの作曲の外間氏らしいナンバー。
特に後者はシングルになってそこそこヒットしました。確かTVの「夜のヒットスタジオ」で歌ったことがあると思います。
夢をみたも外間氏の曲ですがこちらはわりとストレートなロックナンバー。間奏のピアノソロがかっこいいですね。
君のてのひらからは未森さん作詞作曲の和風のメロディーを生かした曲。
シンプルですが浮遊感漂うアレンジがファンタジー系のプログレを思わせます。


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