当たり前のことだが中国の8日間は、朝から晩までずっと中国料理だった。特に贅沢な旅行ではなかったので、特別なご馳走はなかったが、どれも味がよくヨーロッパやアメリカに行った時のように日本食が恋しくなることはなかった。朝食は必ずおかゆで、特に上海のホテルでは毎日白粥のほかにもう1種類の雑穀の混じったものなど、変化のあるおかゆがサービスされていた。


ショー的な要素のあるものとしては、北京ダックと、西安の手打ちラーメン、餃子宴があげられる。北京ダックは天安門から歩いて5分ほどの所にある店で、店内の窯で焼いている。

北京ダックを焼く窯

さばいてサービス

私が一番気に入ったのは手打ちラーメンだ。西安に街から少し外れたところにある、さほど大きくない店だが、私たちのほかにもう一組、3〜40人ほどの日本人の団体が入っていた。
店内で手打ち作業の様子を見せている。麺は4種類、それぞれが異なった調理法で、日本でいえば、支那そば風、ひやむぎ風、サラダ風、スープ麺風といったところだろうか。どれも薄味であっさりしていて、うまい。おかずの野菜も新鮮で、産地の近いことをうかがわせるものだった。


手打ちラーメン作成中

18種類の餃子が食べられるという餃子は、店内に入ると様々な方の地の餃子が蒸篭に入って飾られていて、期待を感じさせる。ひよこ、かえる、ぶた、くるみなど運ばれるたびに餃子の名前が読み上げられ、最後に「真珠」という、まさに真珠程度の大きさの餃子(一人1個)を、テーブルの上で派手に火をつけたなべで煮たものを食して終わり・・・・。だれも本当に18種類の餃子を食べたか数えた人はいない。それより一つ一つの餃子の小ささに驚き、そのあっけなさに狐につままれたような顔をして食事は終了した。

いろいろあったが、全体的に食事は良かったと思う。中華料理は野菜が多く、特にキャベツ炒めはほとんど毎食でて、父も母も喜んでいた。
ただ、帰国後ファミリーレストランで使われている中国産のほうれん草の残留農薬のことが問題になっていた。私たちが食べた色鮮やかで鮮度の高そうな野菜も、農薬漬けだったのだろうかと気になること頻りである。