海外ロケ史上最大の事故 

本当に死ぬかと思った!
転覆したファルコン号、写真の光線引きが事故の悲惨さを物語る!

フォードファルコン号転覆事件

下着メーカーのカタログ撮影のためにオーストラリアの西海岸にロケに行ったときの話。我々ロケ隊はパースでレンタカーを借り約300キロほど北へのピナクルへ、風やハエ達にさんざん悩まされながらも無事に撮影を終え車はさらに北のカルバリにやってきた。カルバリの海岸での撮影を無事に終えロケも後半、残り最後の1カットを残し、一気にパースまで戻る予定、我々は宿泊していたカルバリリゾートを出発した。ロケ隊4人の荷物と撮影機材をめいっぱい乗せたフォードファルコンワゴンはオーストラリアの大地の長い直線が続く道を140キロを越えるスピードで順調に走行していた。しばらくすると車に微妙な振動が生じてきた、助手席に乗っていた私は運転中の隊長と顔を見合わせ車を止めて点検した方がいいんじゃない?と言おうと思った瞬間に激しい左右のブレへと変わった。私が「バーストだっ!」と叫んだ瞬間に運転中の隊長はパニックってしまった、まだスピードメーターは140キロを差している、車のブレもどんどんひどくなっていった。次の瞬間、隊長は車を減速させようと思ったらしく一気にハンドルを右に切った!コントロールを失った車は砂煙をあげながら道路脇の砂地を真横に滑った。かなり減速したところで下の凹凸にとられたせいか最後は仰向けになって横転してしまった。この間本当はすごく短い時間だと思うんだけど僕の中では砂煙の砂粒が一つ一つ見える位に感じたし、最後に車が横転してフロントガラスが蜘蛛の巣のようにひびが入っていくのもゆっくり見えてすごい長い時間に感じた。車の中で全員の無事を確認しあい先に脱出したディレクターから「マフラーに火がついてるぞ」で私は急にあおざめた。逆さになった状態でシートベルトが食い込んではずれない、ドアもゆがんでしまったらしく開かなくなっている。ベルトを何とか外せたと思った瞬間に頭から落ち後部座席に移り最後に無事脱出する事が出来た。車は完全に廃車状態だったがロケ隊は隊長のかすり傷と私のたんこぶぐらい、撮影の機材もほとんど無事で全員奇跡的に助かった。荷物を車から出していると反対側からサーファーのピックアップトラックが走って助けてもらい、我々は今来た道を戻り昨日まで泊まっていた宿にまた戻った。