協力隊を憂う...

<協力隊隊員はひ弱になったのか???> ... 2003-01-15
 ヨミウリ ウィークリーの最新号(2003年1月26日号)に協力隊の記事がでましたというメールが 帰国隊員から回ってきました。 と言うことで、 http://y-mag.yomiuri.co.jp/yw/yw_main.htm に 記事の紹介が掲載されてるようです。
 誰か、この号をサモアまで送ってくれないかなぁ...。
 次号が出たら、リンクが切れると思うので、全文を以下に引用します。

 「コンビニないから」で帰国! 
青年海外協力隊の危機

 志高き者は日々摂生と研鑚にこれ努めているかといえば、そうでもない。
毎年、自ら志願して発展途上国に赴き、現地の人たちのために働く青年
海外協力隊員やその応募者たちに、心身面に、情けなく頼りない状況が
蔓延している。理由は、近くにコンビニがないとやっていけない生活習慣、
過度のダイエットによる栄養不足、自己愛タイプですぐ切れる性格など。
ここでも現代の若者の縮図が浮き彫りに。雄飛群像のイメージはとうに
瓦解し、厳しい環境の途上国での協力など無理も無理、事務局は頭を
抱えている。

 この記事の中身が実際はどのようなものだかは知らないが、「現代の若者の縮図が浮き彫りに。」 ってのは、日本の組織である以上、逃れられない運命であって、今更、 どうこう言っても仕方がないと思う。
 コンビニ依存症という点でちょっと考えてみると、コンビニが全国的に展開を始めたのが、 確か、80年代前半だったと記憶している。 当時、大学生だった私は、コンビニなんて 普通のスーパーに比べると値段が高くて、こんな所で買い物が出来るかと思ったもので、 実際、下宿から一番近い商店がコンビニだったにも関わらず、ほとんど利用しなかった。
 コンビニのイメージが浸透し、依存体質が出来始めるのは、バブル期の90年前後のような気がする(あくまで主観だが)。 この時期以降に学生時代を過ごした層となると 一番若くて30才くらいだろうか。 という事は、少なくとも30代半ば以降は こうしたコンビニ文化に精神的には侵されていないと考えてよかろう。
 こう考えると、30才前の隊員は、大いにコンビニ文化に侵されている度合いが高いと言える。  親元で過ごして、一人暮らしの経験もなく(=自炊や遣り繰りの経験がなく)、 共同生活の経験もなく(=他人との触れ合い感覚でのコミュニケーションの経験がなく)、 気侭なフリーター、アルバイターではなく責任を持たされた立場で給与を貰う仕事をしたことがない(=忍耐&我慢をする経験が少ない) という若者が増えているのだから、協力隊に来る人間の中にも少なからず、 そのような資質を持った人間がいても全く驚くに値しない。
 隊次によってまちまちだが、例年、私が属する3次隊は、平均年齢が高く、30代が多い隊次だそうで、 自分達が普通だと考えていたが、どうやらそうではなく、我々の隊次が特殊らしい。  しかし、我々が特殊なら、逆にそれ以外の隊次の方が、 世間一般の若者の縮図になってるのだろうから、協力隊としては好ましくないと言えるのではないか。
 少なくとも、サモアの同期は、仕事もガンバリ(まぁ、悩みながらではあるが)、 遊びにも気合を入れて取り組み、現地人や、他国のボランティア達と交流し、 日々を一生懸命生きている。  従って、記事にあるようなひ弱な協力隊員とは一線を画していると思っている。
 かなり話がそれてしまったが、そもそも、ボランティアに対して、思い込みを持っている人は、協力隊意外にも数多くのNGOが存在するから、別に協力隊でなくても良いわけである。  従って、まず最初に協力隊に意思健吾な人が集まるという時代は終わっている。
 KTCで訓練を受けていた当時に「協力隊を考える会」なるものの委員の人達との 懇談会に出させて頂いたことがある。  その場で、私は、協力隊の質を維持できないのであれば、無理して人員を拡大する必要はなく、 逆に日本人を少なくして、アジアの他国のボランティアを支援するような枠組みに 変更していっても良いのではないか、みたいなことを言った憶えがある。  もちろん、その会は、JOCV事務局の肝煎りで出来ているので、 自己否定に繋がるような意見を受け入れるとは思えなかったが。
 いずれにせよ、日本人全体に迫られている昨今のパラダイムシフトが、 協力隊にも降りかかっているのは、間違いないところである。
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