所有8年目のフルカスタム記 Part 4 復活編


さて、フルカスタムも無事に終了と思っていたところに思いもよらないトラブルが!
それは、スリーブの肉厚がタカトリのキットでは薄すぎてオイル上がりを起こして
マフラーから煙がモクモク状態になってしまったMy Zep 650 ですが
よく考えてみると スリーブ外径はφ65mm ピストンはφ62.5mm で
つまり肉厚は1.25mm ・・・ やっぱり薄いです(^^;;)
開けてみるとペラペラで歪んでいて、これがオイル上がりの原因は明白です(>_<)

スリーブの外径を厚くするしか、手は無いんですがクランクケースもボーリングしないと
シリンダーは納まってくれません。
いやぁ〜凄いことになっちゃいました。
本当に走る実験室 限界に挑戦!

ヨシムラのキットは外径φ64mmのスリーブにピストンφ60mmでスリーブ厚2mm
2mm以上のスリーブ厚を確保しないと耐久性は無いみたいです。
そこで、スリーブ厚を思い切ってφ68mmにしてスリーブ厚を2.75mmに
することにしました。
新たにスリーブを作ってボーリングしなければならないので、せっかく作り直すなら
井上ボーリングで、素材をターカロイ、ホーニングも面がフラットなプラトーホーニングで
お願いしました。


かるく面研もされて綺麗です!


スリーブ厚もこの通り、しっかり肉厚があります。
これならそうそう歪む事は無いと思います。
プラトーホーニングって本当に滑らかな面なんです。
それでも、オイル溜まりのハッチングはしっかり残っているので、ナラシを終えて
凸凹が無くなった状態を初めから作っているようなものです。
う〜ん! 井上ボーリング 良い腕ですね!  加工代も目が飛び出るほど高いけど(^^;;)


アッパー クランクケースです。
こちらも、拡大したスリーブに合わせてクランクケースボーリングしました。
前の外径φ65mmスリーブだったら、余裕があったのにφ68.5mmで拡大しなきゃ
ダメでした。


鋳物の形状がいい加減なので、ボーリングしても削れる部分と削れない部分が
出来るんですね。

ほら、真ん中にオイルジェットを取り付けられるような穴が見えますね。
鋳物に加工がされていないので貫通してないんですが、間違いなくゼファーχと
クランクケースの鋳物素材は共用になってますね。


スタッドのネジ穴位置も不自然に微妙にズレています(^^;;)


さらにスペシャル加工をしました。
バルブリフターの天辺にポンピングロスを減らすために穴加工をしました。
ヘッドの穴とリフターはピッタリなので、ちょうど注射器のピストンみたいで
油に満たされた中では、圧力で下がりも上がりもしにくいんです。

このバルブリフター、硬度が非常に高いのでドリルじゃ刃が立ちません。
放電加工と言うもので、穴を開けるんです。


裏から見ると、この通り。
ちなみに、この加工 パ○−ビ○ダーでも行ってる加工です(^o^)/


ヘッドに組み付けるとこんな感じです。
ニコちゃんマーク(スマイリーマーク)が並んでいるようでしょ?
あっ! またまた年代がバレちゃいました!?
私が幼少の1970年代にアメリカンクラッカーとともに黄色いスマイリーバッジが
流行ったんですっ!
そう!私は60’sですよ!!


クランクとフライホイールも井上ボーリングで組み付けた状態で芯出しと
ダイナミックバランスをして貰いました。


新規の穴があちこちに開けられています。
ノーマルのクランクって結構バランスが悪いんですね!


フライホイール側も元から開いてる穴に追加して深く掘られている部分と浅い部分が
あって、丹念にバランス取りをしたことが伺えます♪
アルミの地肌を研磨して出しちゃいました。


何回も同じ作業の繰り返しで、組んだり開けたりですが七転び八起き!
決して七転八倒じゃありません(^^;;)
間違えるととんでもない意味になっちゃいますので気をつけないと!



さて!
今回こそ 完成となってくれ〜と祈りながらエンジンを掛けます。

無事に掛かって、各部のチェック!
問題ないようです。



ナラシをして、パワーチェックの結果がこれです。
点火系のバラツキがあって中間とトップで波形が乱れています。
まだまだ、などセッティングの余地がありますね!
前回よりも微妙にパワーは上がって74.8ps。
トップでの空燃比も少し濃い目のようですので、キャブのセッティングも合えば
夢のOVER80ps?!

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