V125 ドリブン側セッティング センスプに苦労 編


V125の駆動系セッティングの第2弾と言うことでドリブン側の変更をしました。
ちょうど、デイトナからフラットドリブンKITが安価で発売になったこともあって
気になって買っちゃったので交換&セッティングです。

その前に先ずはハイギヤの必要性からですが、ノーマル駆動系で
理論上で最高速は何kmまで出るか知ってますか?
これは下の計算通り、理論上110km/h出ます。

ギヤ減速が45T/17T X 47T/15T で8.293
プーリーの高速側減速比が0.808
なので、総減速比は、8.293 X 0.808 =6.7
となります。
エンジン回転のリミットが9000rpmとして
9000rpm / 6.7 = 1343.3rpm
 ・・・ 速度は時間当たりですから 60分を掛けると 80598rph
タイヤ外径が100/90-10で435mmだと外周は1366.6mmです。
タイヤ外径をkmに直すと、0.00137km
80598rph X 0.00137km = 110.4km/h
となります。

まぁ、タイヤの磨耗やロスがありますから実際は105km/hぐらいですかね?

タケガワのSステージボアアップキットにはハイギヤもセットで入ってます。
これを同じ計算をすると130.7km/hになります。
プーリーやドリブンはノーマルでハイギヤのみを交換でですよ。
それじゃ、ハイギヤだけを交換すれば130km/h出るようになるじゃん!と
安易に考えちゃいますが、ちょっと待ってください。
ハイギヤは自転車のギヤと同じく高いギヤになってます。
それは、低速から高速まで全部の領域でです。
自転車を扱ぐ時に高いギヤだとスタートしてすぐから力が要りますよね?
つまり、ボアアップなどでパワーアップしたのにその分の力が全て帳消しに
なっちゃうんです。
確かに130km/h出ますけど、パワーアップしてるのに力強さや加速感は
ノーマルのフィーリングと同等になっちゃうんです!!
これじゃ、ボアアップしている意味って無くなっちゃいますよね。

ちなみにタケガワのハイギヤはギヤ減速比で18%、キタコは9%です。

最高速を伸ばしたいだけなら、ハイギヤを入れるんじゃなくて
ハイスピードプーリーで高速側の減速比を調整するほうが的を得てますね。
それでも、足りない場合は仕方なくハイギヤを入れるわけですが
もしも18%ものハイギヤを入れるのであればプーリーははノーマルじゃないと!
9%ぐらいだったら、上手くすればハイスピードプーリーとの相乗効果が
出せるかな?

と言うことで、前置きが長くなりましたがタケガワハイギヤは
使わない事にしました(汗)
・・・と言うかもうNCYのプーリーとプーリーフェイスが入ってるし(爆)

で本題のドリブン&センスプセッティング。


デイトナの説明通り、純正のドリブンはこんな風に高速側で中央に寄ったときに
フェイスのクボミデにVベルトが落ち込む感じになってVベルトに負担を掛ける事が
実際に見て解りました。
手でドリブンを広げてVベルトを入れただけで、こんな感じで落ち込みが
解るぐらいですから、実際の走行中はもっと中央に寄っているんだと思います。
更にベルトが磨耗したらもっとですね(^^;;



で、こっちがデイトナのフラットドリブンフェイスです。
解りやすいように、ノーマルの下に写真を入れましたがスプリングの交換を
何回かしてるので既にフェイスにVベルトの当りが入ってますが(爆)
当たりを見ると、まだ余裕がありますね!
と言うより、前のプーリーでのVベルトの磨耗なのかプライマリーのプーリーの
角度でなのかベルトの内側のギザギザ部分はドリブンのフェイスに
当たってはいませんね(^^;;
ノーマルドリブンの窪みにベルトが落ちて編磨耗したのかな?
ギザギザの先端はちょうどフェイスの窪みに掛かるぐらいで、これならVベルトの
落ち込みは無いようです♪



こんな感じで中心により近いところまでVベルトの当たるフェイス部分があります。
パワーUPアイテムでは無いですが、高速側でしっかりVベルトをフェイスに
当てるのもチューニングの一つですね(^o^)/



デイトナのフラットドリブンはトルクカムの角度が2種類あって、今回は
レスポンス重視のVer.55を使いました。
ダメなら既に購入済みのノーマルと同じ角度のVer.45にするかも(爆)
でも、後からデイトナホームページで純正同等のトルクカム角度はありません と言う
商品説明に変わっちゃいました(汗)
パッケージには、ちゃんと純正同等の45°って書いてあるよ〜?(爆)

クラッチは、出だしの向上を狙って少し高回転でミートするように台湾NCYの
軽量クラッチを使うことに決定。
センタースプリングは、カメファクのSS-301をセットしました。
センタースプリングスライドシステムって言うスプリングのネジレをキャンセルする
スプリングシートもセットして完璧?!
まぁ、ノーマルとの比較ですが、差はありません(笑)



新しいドリブンを組んだらスムーズに動かない!!
なんで? と思ったら微妙にデイトナのフラットドリブンがケースに
干渉してるじゃないですか(>_<)
個体差なんでしょうけど、ケースのリブを削って取り付けました。



ケースを削った後は、問題なく取り付いてスムーズに回転します。
でも、ドリブンがケースにギリギリだってことが良〜く解りました。(汗)



中央のカメファクのセンタースプリングスライドシステムが解りますかね?
スプリングのネジレをキャンセルしてスムーズに圧縮、伸びをさせるモノ
なんです。
V125純正のセンタースプリングはスプリングの両側に突起があって回転しない
構造です。
なんでそんな突起があって回転しないかは後から理解出来たんですが、
この時点では、そんな突起は百害あって一利なしって思ってました(^^;;

さて、無事に組み終わったところで試走で状況確認です。
あれ〜っ!
全然ダメだぁ!!
変速しないし、最高速も出ない(>_<)
なんでかな〜?
と言う結果に(爆)


ノーマルドリブンでなかなか良いセッティングだった13gのウエイトローラーじゃ
センタースプリングが硬いのに見合ってないんじゃないかと思い、ウエイトローラーを
重いものにしても最高速が多少伸びるだけで加速がモッサリになったりと
良くありません。
カメファクの強化スプリングSS−301は硬すぎる!
う〜ん!
センタースプリングスライドシステムの説明にアドレス110の純正の
センタースプリング部品番号21243-16F01が使えると言う事なので、
それを急遽注文です。
同時にスプリングの内径がφ45のスプリングって他に使っている
スクーターは無いかなと探したら、ヤマハのスクーターが殆ど内径φ45と
言うことが判明♪
だったら、いくつか試してみようとスペックをネットで調べました。
V125純正を中心として、比較表を作ったので参考にしてください。


センスプ比較表1


比較表はネットの圧縮スプリング計算の”選バネ君”を使わせて貰って計算を
したんですがV125って結構柔らかいスプリングを使ってるんですね。
あれ?
なんでこんなに柔らかいスプリングなんだろう?って思って閃きました♪
V125の純正スプリングの突起って意味があって、トルクカムの戻りを
圧縮されたスプリングが伸びる力だけじゃなくて捻られたスプリングが
戻る力も考慮されてるんですね!
セオリーとされている圧縮時のスプリング長さも線間密着の80%以下で
使われてるしV125の駆動系の完成度が高いと言われる理由の一つを
垣間見た感じです(汗)
それより、カメファクSS-301のスプリングの硬いこと!
ネット上では、これより硬いGアク2型のセンスプに交換なんてありますが、
トルクカムの溝角度とか随分立っているものじゃないと、使う意味無いです。
もっと心配なのはVベルトへの負担。 走ったらすぐにVベルト切れなんてことに
なりかねませんね(@_@)

でも、カメファクのスライドシステムはスプリングのヘタリを考えたら捨てがたいし
先ずは先に届いたアドレス110の純正スプリングでTRY!
カメファクのSS−301より柔らかいスプリングですが、やっぱり効果がありました♪
変速はちゃんとされています。
最高速も以前より到達時間は長いものの、同じように出ました!
でも、やっぱりまだ硬いんです。
ドリブンが開ききるまで時間が掛かると言う感じかな?

じゃ、ヤマハの純正で良い物は無いかなと思って上記の比較表で調べると、
リモコンJOG (3YKB)やアプリオ (4LB)に使われているセンタースプリングが
良いみたいです。
取り付け時と圧縮時でV125純正スプリングと同じような変化でちょっとだけ硬い。
柔らかい方も試そうかと、見た事も聞いた事も無いTarget90 (3NW2)の
スプリングを
同時注文しようとしたら、こちらは廃番になってました(^^;;



スプリングの比較がこれです。
左からV125純正・リモコンJOG純正・アドレス110純正・カメファクSS-301です。

・・・でリモコンJOGの純正スプリングの結果はと言うと・・・

う〜ん!
惜しい!
ちょっと柔らかい(>_<)
今度は、加速感が薄れてしまいました。
もっと柔らかいTarget90 (3NW2)のスプリングは廃番で買えなくて良かった♪

やはり、純正スプリングは圧縮プラス捻じりの相乗効果があるんですね!



いろいろ調べると台湾NCY製のセンタースプリングがちょうど良さそうな
硬さでした。
写真左がNCY 1000rpm 右が NCY 1500rpm(保険?汗) です。
台湾スクーターチューンは熱いみたいで、侮れません!!(笑)
スプリングにちゃんと線径・内径・巻き数・自由長も印字されてます。
1000rpmとか1500rpmって言うのは、変速開始ポイントがそれだけ
UPすると言う意味?!


センスプ比較で現リモコンJOG用の次に硬い台湾NCYの1000rpmを使うか、
今のセンスプにシムを入れて強化させるか? 更に硬いNCYの1500rpmにするか?
どのスプリングも直巻きのスプリングなのでイニシャルを掛ければ好みの反力が
出るんですが、今度は圧縮時でのスプリングの圧縮率が線間密着に近づいて
しまうのでオイシイところで使わなきゃダメなんです。
目安は90%ぐらいまでかな?(本当は80%以下が理想)
だいぶ煮詰まってスプリング選択も絞り込まれて来ました。


センスプ比較表2


解りやすいように実使用域での荷重の高いスプリングを交換して、後は微調整を
シムで行う事としてまずはNCY1000rpmを入れることにしました。
ところで、社外センスプの10%強化とか15%強化って何を比較してるんですかね?
スプリングレートじゃ比較になりませんよね。
比較表にあるように自由長の違うスプリングでは、同じレートでも使用するセット時と
圧縮時の荷重は大きく変わります。
まぁ、それなんで比較表を作ったんですけどね(汗)

ここまで来ると意地になりつつあります(爆)





クラッチアウターも2次側重量の軽量化と放熱効果を狙ってNCY製の
軽量クラッチアウターを購入しちゃいました(^^;;
写真の通り、ひとまわり小型の本体にクラッチが当たる部分の外側に帯状の
リングが巻いてあり、更に穴が開いてます。
ドリルド?のクラッチアウターです。
内側はザラザラ、まぁすぐに純正同様にツルツルになってしまうんでしょうけど、
クラッチの初期馴染みはヤスリ効果で早そうです。
そう言えば、規制後のV125 K9はこのクラッチ周りが大きくてもっさりとした
乗り味って言うので、ここを軽量化すれば更にキビキビした走りになるでしょう!



ここまでのセッティングでの状況は・・・
・デイトナ フラットドリブンフェイス Ver.55
・NCY センタースプリング 1000rpm
・カメファク センタースプリングスライドシステム(4mmゲタ)
・クラッチ 純正
・Vベルト 純正
・プライマリー側は前回同様のNCYのセットでWR13gです。

加速はトルクフル、最高速はちょっとだけ低下。
街乗り仕様としては、良いんじゃない!って感じです♪

でも、ちょっと圧縮側で硬いためにパワーバンドの上のほうで変速しているのか
変速しきった後の伸びがもう少し欲しいと言うことで比較表からリモコンJOG用の
センスプに3mmシムを追加した荷重でトライ!

おおっ!
上手くパワーバンドに入ってくれてるみたいで加速感も落ちてないし最高速も
詳しくは書きませんがノーマル以上です。
センスプはノーマルでも良いんじゃないか?って?!
そうですね〜(笑)
でもノーマルのセンスプは突起があるので、シムを入れて荷重を調整したりの
セッティングは出来ませんよ(^_-)

あっ!
NCY軽量クラッチは、半クラッチ状態が長くミート回転が上がり過ぎて
パワーバンドの美味しい部分を減少させちゃっているので純正に戻しています。
特にVベルトもKN企画のちょっと長いVベルトだとドリブン側はちゃんと
外側なのにエンジンを掛けるとプライマリー側は中心に寄って無く、長い分外側に
移動して2速発進になってしまうようです。
なので、純正に変更(汗)

で、今回の最終仕様は
・デイトナ フラットドリブンフェイス Ver.55
・リモコンJOG用 センタースプリング
・カメファク センタースプリングスライドシステム(4mm+3mmゲタ)
・クラッチ 純正
・Vベルト 純正
・プライマリー側は前回同様のNCYのセットでWR13gです。


参考に、センスプの最終状態の比較表を載せて置きます。


センスプ比較表3

もう一つおまけで各パーツを変えた場合の変化について書いておきます。

変速回転数
センスプ
WR
加速 DOWN UP
最高速 UP DOWN



でも、つくづく思うのはV125純正の完成度の高さは、やっぱり本物です。
ただ好みの味付けにするには避けて通れない作業ですが地道にTRY&エラーを
繰り返すしか無いことを実感しました。
でもノーマルドリブン同等以上の結果とセッティング幅が確保されたので
更にプーリーを変えてもセッティングに自由度が出来ました♪


そう言えば、デイトナからバリアブルプーリーって加速重視と最高速重視の
二つが一つのプーリーで変更出来るものがリリースされているので、今度
試してみよう!!
・・・って、やっぱりドツボ状態(汗)

ここで問題が・・・
実は、このデイトナ フラットドリブンフェイスがリコールになってしまいました。
ノーマルのトルクカム角度はありませんの表記が怪しいと思っていたんですが・・・
トルクカムの角度がノーマルが50°に対して、Ver.45が35°、Ver.45が45°
と言うことで、Ver.45はトルクカムの効きが強すぎて上手く変速出来ません。
両方買っていていますが、デイトナに問い合わせた結果Ver.45のみ新しい
トルクカム角度のものに交換っしてくれるそうです。
ちなみにVer.55は45°のシールを貼りなおして再販だそうです。
実は、TRY途中にVer45も試して見たんですがダメでVer.55に戻しています。
いくらなんでも、45°以下のトルクカム角度は力の作用からしても有り得ない
角度ですね(^^;;
Ver.55も買っておいて良かった?!


ドリブン交換&センスプセッティングついでにスプリング繋がりでリアショックを
キタコのものに交換しました。
フロントがZZのフォークでイニシャルとフォークオイル粘度を上げてますので
マッチングは良いはず!
でもリアのイニシャルは最弱から試してみました。
フロントがちょっと硬くてアンダー気味かなと思っていたコーナーリングが
リアショックを変えたら素直になりました♪
ただ、前後で強化なので乗り心地はちょっと悪化ですが、底付きしないで
踏ん張ってくれる足になったので良しでしょう!
メタリックブルーのスプリングも綺麗ですしね♪






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