上下に黒幕のあるワイドスクリーン(レターボックス)のソフトをワイドテレビで見る時は通常、画面上下をカットして映像を拡大する「ワイド」モードを選択します。 ですが、このモードでは走査線数が減少し走査線が目立ったり、映像がボケたりしてしまいます。この問題を解消したのはスクイーズ方式なのです。
スクイーズ方式は「フル」モードを利用します。すると、縦長の映像が横に引き伸ばされ、正しい映像になります。 この方式は走査線数の減少がなく、より細かな描写が可能です。
これは、もともとM/Nコンバータ(ハイビジョン放送のMUSEを一般テレビのNTSCへ変換する装置)に搭載されたもので、その後、スクイーズ収録のビデオ(マディソン郡の橋)やLDが登場しました。
DVDにもスクイーズ方式が採用され、同様の高画質が期待できます。 DVDの場合、ワイドテレビではない普通のテレビでスクイーズ方式で記録された映像を見るときは、
上下に黒帯を付ける方法と、ワイド画面の一部を切り取って通常のTVサイズにする「パン&スキャン方式」が用意されています。
パン&スキャン方式は画面を切り取る位置をDVDのディスクに記録してあるそうです。(ただし、今のところ対応しているソフトは少ない)
DVDでは画面比の情報を持っているので、TVが対応していれば自動で「フル」モードが選択されるようになっています。
現在ではBSデジタルのNHK-BS2や地上デジタルのNHK教育テレビ(マルチ編成時)など、放送でもスクイーズ方式が採用されている場合があります。また、地上デジタルハイビジョンでは1440×1080の解像度に縦長で記録されており、表示時に自動的に1920×1080の解像度に引き伸ばされています。