PC-98シリーズとPC-UNIX
NECのPC-98シリーズで動作するフリーのPC-UNIXといえば、まずFreeBSDが思いおこされる。
リリースの間隔も短く、頻繁にバージョンアップしており、本家のAT互換機のリリースから
さほど遅れることなくPC-98版もリリースされる。PC-98版のFreeBSDはFreeBSD(98)と呼ばれ、
バージョンのつけ方も、FreeBSDが4.2-RELESEであればFreeBSD(98)は4.2R-Rev.01となる。
LinuxのPC-98版もあり、Linux/98と呼ばれる。ただし、単体では使えず、他のディストリビューションと
組み合わせて使う事となる。対応しているディストリビューションはいくつかあるが、
一番有名なのがPlamoLinuxである。 ただ、PlamoLinuxはリリースの間隔が長く、不都合も多い気がする。
AT互換機で人気のあるディストリビューションのRedHatLinux,TourboLinux,VineLinuxは
PC-98では使用できない。
なぜPC-UNIXをインストールするのか
一般的には、Windowsが嫌いとか、ルータにしたいとか、安定したサーバーを立てたいとか
といった理由があると思いますが、 自分の場合、Windowsが嫌いな訳ではなく、単に勉強するのが目的。
新しいPCを買ってPC-98が余ったので、それを利用する事にしました。
項目 | 現在のスペック | 標準スペック |
---|---|---|
CPU | AMD Am486DX5 133MHz(Am5x86-P75相当) | i486DX2 66MHz |
グラフィックアクセラレータ | S3 Vision864(VRAM:2MB) | S3 Vision864(VRAM:2MB) |
メモリ | 47.6MB | 7.6MB |
ハードディスク | 3.2GB(IDE) | 340MB(IDE) |
CD-ROM | 4倍速(ファイルベイ) | 2倍速(ファイルベイ) |
音源 | 86音源相当+MIDI(CM-300) | 86音源相当 |
高速シリアル&SCSI2ボード | 緑電子MDC-926RS | |
3.5インチフロッピードライブ | 2基 | 1基 |
5インチフロッピードライブ | 2基 | |
LANボード | メルコLGY-98 |
1.準備
Windows95等で、マシンで使用している周辺機器のIRQなどを調査します。
2.インストールディスクの作成
MS-DOSコマンド等でFreeBSDインストーラーのブートディスクを2枚作成します。
3.パーティションの作成
CD-ROMとインストールディスクを挿入して再起動します。途中でディスクの入れ替えがあります。
メニューが出てきたら、2番目のメニューを選択して、
使用する周辺機器のIRQやflagを設定します。(flagの値はFreeBSDのCDに収録のハードウェアリストを参照。
うまく設定できる場合は一番上のメニューでも良い)
設定が済んだらインストーラの言語設定が出るのでOKを選択して、
その後メインメニューが出るので、とりあえず初心者を選んでパーティションの設定を行います。
パーティションは適当に設定すれば良いですが、「/」から階層的に上から記述した方が良いです。
スワップパーティションは100MB程度で良いです。
3.インストール
インストールパッケージの選択は、X-ユーザを選択、暗号化は選択しない、
portはインストールする。Xは「基本コンポーネント」はデフォルトで選ばれている物の他に、
9set(XF98Setup)を選択します。
XサーバーはPC-98サブメニューの9480と9EGCと自分のマシンに対応するXサーバーを選択する。
フォントは適当で良いと思います。
カーネルの再構築をする場合はカスタムメニューにあるPC98用のソース(98src)のシステム(sys)を選択しておく。
インストールパッケージが決まったら、あとはインストールメディアにCD-ROMを選択すれば、インストールが行われます。
あとのインストール方法は忘れちゃった。
1.準備
一部の機種でPlamoLinux2.1では内蔵IDE CD-ROMを認識しない事が確認されており、
うちのPC-9821As3もこれに含まれています。
そこで、こちらから 非公式のインストーラーを落としてきてインストールに使用しました。
また、うちのメルコ4.3GBのハードディスクを接続した状態だとインストーラーも起動しなかったので、
TAXANの1GBのハードディスクにインストールする事にしました。
また、ハードディスク全体をLinuxに使用するとSCSIボードが認識してくれなくなるので、
あらかじめ1MBぶんMS-DOS領域を作成しました。
2.インストールディスクの作成
インストールディスクの作成にはWindows95のDOS窓で行いました。 MS-DOSから行っても同じです。
今回は非公式のインストーラーを使用するので、CD-ROMから98\144フォルダ全体を
ハードディスクにコピー(たぶんバッチファイルとnumber.exeだけでOK)して、
同じディレクトリに落としてきたインストーラーをコピーします。 あとはフロッピーディスクをセットして
バッチファイルのscsinet1.imgをscsineta.imgに変えて保存してから実行。 メニューから3(デスクトップ)を選び、フォーマットするを選んでインストールディスクを作成する。
3.パーティションの作成
再起動してインストールディスクを起動します。 メニューが出てきたら、自分のLANカードを選択。うちはメルコLGY-98なので上から3番目を選択。
LANカードがない場合は一番上を選択。
ログイン画面が出てきたらrootでログイン。キーボードのテンキーを使えるようにしたいので、
まずsetupと入力してセットアップメニューを表示、キーボードの配列を変更したらすぐ終了させます。
fdisk98 /dev/sdaと入力してハードディスクのパーティション作成メニューを表示させる。(/dev/sdaはハードディスクのデバイス名。これはSCSIハードディスクの1つ目の意)
ヘルプを参考にLinuxパーティションとスワップパーティションを作成。 とりあえず、Linuxパーティションに900MB、残りはスワップパーティションにしました。
ここで入力するパーティション名はHDD起動メニューに表示されます。
4.インストール
setupと入力してセットアップメニューを表示させます。 まず、スワップを有効にして、ハードディスクをフォーマット、DOSパーティションを追加して、
CD-ROMを認識させて、お勧めパッケージを選んで、インストール。 インストール中にXサーバーの選択画面が出るので、一番上とAs3を選んだ。
一通りインストールが終了すると、カーネルのインストール画面が出ます。
ここではインストール時のカーネルを使用します。
ブートディスクは作成しませんので、continueを選択します。
モデムの設定は使わないのでNOを選択します。
マウスは使うのでYESを選択します。
grub98のインストールもYESを選択します。
Linuxをインストールしたパーティションにgrub98をインストールを選択します。
ネットワークの設定はYESを選択します。
ホスト名・ドメイン名は適当に入力します。(うちはルータ経由なので以下の設定です)
ネットワークに接続するのでNOを選択します。
IPアドレスを適当(例:192.168.0.2)に入力します。
ゲートウェイも適当(例:192.168.0.1)に入力します。(ゲートウェイがない場合は入力しない)
ネットマスクも適当(例:255.255.255.0)に入力します。
ネームサーバーも適当(例:192.168.0.1)に入力します。
時間帯はJAPANを選択(見にくいがデフォルト状態でOK)
(ネットワークの設定は後でもnetconfigコマンドで変更可能です)
再起動します。
5.X-Windowの設定
次は最難関のX-Windowの設定を行う。
再起動したらrootでログインして「XF98Setup」を実行します。 設定画面が起動した時点でマウスが動いているはずなので、
グラフィックチップ(または自分のマシン名)を選択し、 ディスプレイの設定を行う。
ディスプレイの設定はディスプレイのマニュアルを見て正しい値を入力するように。
その後、使用する色数と解像度を設定する。 設定内容はグラフィックチップの性能によるが、
うちの場合1024×768の16bitカラーで設定を行った。 グラフィックチップによってはドライバの都合でうまく表示できない可能性あり。
S3社のチップは概ね相性が良いようです。 設定が済んだら保存して、確認画面が出るのを確認して終了します。
あとは「startx」でX-Windowを起動できます。 このままでは最も基本的なウィンドウマネージャなので、
もっと機能の高いウィンドウマネージャを入れてみると良いでしょう。
6.今後の予定
一応、PlamoLinux入れてみましたが、FreeBSDを入れてたハードディスクがクラッシュしてしまったので、
PlamoLinuxを消してFreeBSDを入れる事にしたので、PlamoLinuxには消えてもらいます。