踊る大捜査線 各話解説

第1話 サラリーマン刑事と最初の難事件

物語:脱サラして刑事になった青島俊作(織田裕二)29歳。お台場の「警視庁湾岸警察署」刑事課に配属され、意気揚々と出勤した。 出勤早々に殺人事件が発生するが、強行犯係の人はおらず、盗犯係の恩田すみれ(深津絵里)は何事も無かったように取り調べを続けている。 青島は、現場に向かうが、そこで青島は本店=警視庁が事件を担当し、支店=所轄は単なる手伝いという現実をする。 捜査一課の室井(柳葉敏郎)が現れるが、先輩刑事・和久(いかりや長介)に現場から連れ出されてしまう。 湾岸署のゴルフに余念のない刑事課長の袴田(小野武彦)や健康診断にこだわる強行犯係長・魚住(佐戸井けん太)。 第一方面本部長の息子で自身もキャリアで昇任試験の勉強に励む真下(ユースケ・サンタマリア)、 どこかとぼけた署長(北村総一朗)や副署長(斉藤暁)など、およそ警察署らしくない様子に青島は意気消沈してしまう。 しかも、青島に与えられた仕事は室井の運転手で、室井の事件の被害者・柏木雪乃(水野美紀)への厳しい事情聴取にとまどう青島だった。 青島は職質で引っ張られてきた営業マン・田中文夫(近藤芳正)の事情聴取をする事になる。 田中と話しているうちに、青島は刑事もサラリーマンと変わらなく刺激がないと愚痴をもらし、逆に励まされてしまう。 殺人事件の犯人が自首し、湾岸署に連れてこられた。湾岸署のロビーで青島が会った犯人は田中だった。 青島は田中に「君も警察官になればよかったのに」といい、刑事の仕事に何かを掴んだようだった。 事件が解決し、本庁に戻る室井に青島は雪乃の事について話すが、室井は冷たくに立ち去るのだった。

ゲスト
田中文夫:近藤芳正


第2話 愛と復讐の宅配便

物語:警官殺しの犯人・山部良和(伊藤俊人)が和久を狙った可能性があると、島津(浜田晃)と共に湾岸署に訪れた室井は語った。 殺された警官は取り調べの際に山部に暴力をふるい、山部の復讐で殺されたという。実は和久も山部に暴力をふるった事があったのだ。 湾岸署に和久宛で健康チェアが届けられた。さっそく座ってみる和久だが、なにやら様子がおかしい。 青島が調べてみると椅子には爆弾がしかけられていて、立ち上がると爆発する仕掛けになっていた。 蜘蛛の子を散らすように逃げ出す湾岸署メンバー。刑事課に残ったのは和久と青島、すみれだけだった。 室井からの電話で、その椅子が山部の復讐だと知った青島だが、ワイヤーに触れてしまい動けなくなってしまう。 なんとか室井は山部を説得しようとするが、警官殺しは許せない和久はそれに協力しない。 「刑事は憎まれてナンボ」というすみれの言葉に、青島は今朝の犯人・佐々木典子(篠原涼子)に憎まれた事を思い出すが、 和久は「刑事は犯人を憎んじゃいけない」と言う。 和久に限界が訪れた。我慢できなくなって立ち上がろうとする和久だったが、その時爆弾処理班が到着、和久と青島は爆弾椅子から解放される。 山部は室井に「あなたは紳士的だった。復讐はしません」と言い、連れて行かれた。

ゲスト
山部良和:伊藤俊人(最終話にも登場)
佐々木典子:篠原涼子(秋SPにも登場)


第3話 消された調書と彼女の事件

物語:青島達が勝どき署の刑事(桜金造)と縄張り争いでもめていた頃、すみれはひったくりの捜査をしていた。 だが、犯人は政府高官・深見一郎(清水章吾)の息子・哲也(橋龍吾)で、捜査中止の圧力がかかる。 怒ったすみれは目撃者の婦警・山下圭子(星野有香)を連れて留置場に立てこもってしまう。 すみれを探しに来た青島もすみれに手錠を掛けられ、留置場の中に入れられてしまう。 すみれは3年前、ひったくりに遭い、腕に大きな傷痕が残るケガをした経験から、男の暴力は絶対に許さないと頑なな態度。 説得を試みる署長・副署長・課長もすみれの迫力に押されっぱなし。 その時、上層部から事件も揉み消しを依頼された室井が現れた。 すみれはマスコミに情報をもらさない条件で犯人の事情聴取を認めるという室井の交換条件に折れ、 哲也の事情聴取を始めるが、何を聞いても「僕がやりました。反省しています」と反省のない態度で言うだけ。 そんな態度に青島はキレて哲也になぐりかかってしまう。哲也は弁護士(真実一路)に暴力を受けたと訴えるが、 室井は暴力の事実はなかったと言う。室井は「絶対上にいってやる」と言いながら去っていった。

ゲスト
勝どき署刑事:桜金造(THE MOVIEにも登場)
深見哲也:橋龍吾
深見一郎:清水章吾


第4話 少女の涙と刑事(デカ)のプライド

物語:室井からの要請で、青島は応援捜査員として捜査一課にかり出された。 連続強盗傷害事件の容疑者・大木茂(井上慎一郎)が湾岸署管内で目撃されたからだ。 益本(中根徹)や一課の刑事に無視された青島は単独でクラブの張り込みをするが、 スリを捕まえようと警察手帳を出したすみれに気づき、大木は逃げてしまう。 当然青島の行動は大問題となるが、室井は周囲の反対を押し切って次の張り込みにも青島を入れた。 クラブに潜入した捜査員たちは無線で室井の指示を待っていた。そこへ大木が現れた。 確保に備える捜査員達だが、青島は店の隅でチンピラに殴られているのを目撃し、 「動くな」という指示を破って男に飛びかかってしまう。その姿を見て大木は裏口から逃走してしまう。 命令違反を責める室井に警察手帳と手錠を叩き付け、去ろうとする青島だが、 その時すみれ、和久、真下、魚住の4人が本木を連れて現れた。 捜査は無事終了し、室井は青島に「私の下で働いてほしかった」という。

ゲスト
大木茂:井上慎一郎


第5話 彼女の悲鳴が聞こえない

物語:とある金曜日の深夜、すみれが帰り道で襲われた。犯人は毎週火曜日にすみれをストーキングしていた野口達矢(伊集院光)だった。 幸い軽傷で済んだすみれだったが、今度は野口からビデオテープが送られてきた。 それはすみれの部屋で撮られたものだった。野口はすみれを「ピンクサファイア」というアニメキャラクターと混同しているのだ。 同じ頃、2件のストーカー事件が起こっていた。本庁の室井のもとに捜査本部が設置され、青島たちは実質的な捜査から外されてしまう。 だが、真下がインターネットで見つけたアニメオタクが野口だと見当をつけた青島は、メールで接触する約束を取り付けた。 指定の地下駐車場に乗り込んだ青島とすみれ。だが、青島が目を離した隙にすみれは野口に襲われてしまう。 すかさず野口にとびかかる青島。その時、室井が駆けつけ野口を逮捕する事が出来た。 なぜ命令を無視したのかと室井に叱責される青島。青島はすみれの心の傷を癒そうと、彼女自身に野口を逮捕してほしかったのだ。

ゲスト
さえない中年男:きたろう
野田達矢:伊集院光


第6話 張り込み 彼女の愛と真実

物語:一日署長のタレント(篠原ともえ)に署内がすっかり浮かれている中、 青島と和久は生活安全課の手伝いで、麻薬の売人・矢沢奈津子の自宅の張り込みをすることになった。 隣のおばさん(石井トミコ)に邪魔されながら張り込む二人だったが、 矢沢奈津子の部屋に帰ってきたのは、柏木雪乃だった。 しかも雪乃はロス留学中に大麻パーティに参加して検挙された記録もあったのだ。 後日、彼女あてに小包が届いた。保安課が彼女の部屋に踏み込み小包を調べたところ、中から大麻樹脂が発見された。 署に連行された雪乃は何も知らないと言い張るが、調整役の室井と麻薬対策管理官・一倉(小木茂光)が乗り込んできて、 雪乃の身柄を本庁に引き取るという。雪乃は一倉が追っている大物売人・岩瀬(布川敏和)と、ロス時代に恋人同士だったのだ。 強引に雪乃を連行しようとする一倉。その時、何を思ったか青島は雪乃を罵倒した。思わず青島を殴る雪野。 青島は雪乃を怒らせて公務執行妨害で逮捕し、48時間だけ湾岸署に拘留できるようにしたのだ。 この間に岩瀬を逮捕すれば雪乃は本庁に連行されなくてすむのだ。

篠原ともえ:篠原ともえ
岩瀬修:布川敏和(7話にも登場)


第7話 タイムリミットは48時間

物語:青島は和久と共に六本木の非合法のカジノを訪れた。オーナーの"もぐら"こと龍村(真木蔵人)からの情報から 厚生省の大河内(浅野和之)の動きを知った青島は、和久の旧知だった大河内から岩瀬の恋人リストを入手した。 だが、その4人はすべて本庁に引っ張られていた。手詰まりの青島に拘置所の雪乃は黒田綾子(佐伯伽耶)の名前を告げる。 翌日、要領よく営業マンになりすまし黒田の会社に潜入した青島は、彼女との接触に成功する。 そして彼女を使い、岩瀬の居場所を突き止めた。 一方、湾岸署では真下やすみれらの協力で、時間稼ぎの為の雪乃への事情聴取が行われていた。 48時間経過したと、一倉が雪乃を連行しようとした時、ボロボロの青島と和久が岩瀬を連行してくる。 岩瀬の一言で雪乃への疑いは晴れたが、一倉はなお雪乃を連行しようとする。 しかし、室井のとりなしもあって、無事に雪乃は釈放された。

ゲスト
岩瀬修:布川敏和(6話にも登場)
龍村:真木蔵人(10話にも登場)


第8話 さらば愛しき刑事(デカ)

物語:湾岸署管内で殺人事件が発生した。捜査会議で本店はプロファイリングチームを導入してきた。 和久の聞き込みを無視し、犯人像を語るプロファイリングチーム(袴田吉彦・山下徹大・永堀剛敏)。 怒った和久は本部を飛び出し、単独捜査を始めた。 一方、すみれは空き巣の被害にあった少女・愛(西秋愛菜)を保護していた。 やがてプロファイリングの犯人像通りの男・渋谷(岡安泰樹)が見つかった。 だが室井は、和久から情報のあった久保田(石塚英彦)にも任意同行をかける。 和久は久保田をなだめて自供させるが、彼はすみれが調べていた空き巣事件の犯人だった。 プロファイリングチームによる渋谷の取り調べが始まった。だが、プロファイリングチームの態度に暴れ出す渋谷。 青島は和久と同じように渋谷をなだめて殺人事件の犯行を自供させる事ができた。 犯人はプロファイリング通りであったが、結局は刑事も必要だったのだ。

ゲスト
プロファイリングチーム:袴田吉彦(中央)・山下徹大(専修)・永堀剛敏(法政)
久保田稔:石塚英彦
渋谷優太:岡安泰樹


第9話 湾岸署大パニック 刑事青島俊作危機一髪

物語:自殺しようとする浪人生(つぶやきシロー)を説得した青島と和久が署に戻ると、 湾岸署では殺人事件の原因となった愛人・武下純子(安永亜衣)を本店が引き取りに来るまで、マスコミから保護するハメに。 そんな中、青島は湾岸署でワイドショーのリポーターに混じって不審な男(阿部サダヲ)がいるのに気づき、 その男を特捜本部に調べて欲しいと連絡するが、その情報が室井の耳に届く事はなかった。 翌日、純子は解放される事になった。とその時、不審な男・佐伯五郎が純子を狙って刑事課に入ってきた。 その男は被害者の兄で、青島からの情報が室井まで届いてなかったのだ。 ナイフを持っていた五郎に青島は飛びかかる。しかし、青島は一瞬のスキをつかれ、刺されてしまう。 だが、お守りのおかげで軽傷ですみ、佐伯も取り押さえることができた。 そこへ室井からの電話が入った。青島の負傷を聞いた室井は組織体制の見直しを袴田課長に告げるが、 その事務的な言い方に課長は切れ、室井に怒鳴ってしまう。

ゲスト
青年:つぶやきシロー
武下純子:安永亜衣
佐伯五郎:阿部サダヲ


第10話 凶弾・雨に消えた刑事の涙

物語:六本木の"もぐら"こと龍村から和久が長年追っている警官殺しのたれ込みがあった。 取り引き次第で情報を教えるという。しかし、青島はそれを拒否した。 あと1週間で定年を迎える和久は、ひとり捜査を始める。青島は室井に捜査員の増員を要請するが、 上層部は情報収集方法を問題にする始末。 結局"もぐら"の協力によってトシ(吉田朝)を捕まえた和久だったが、 トシは一緒にフィリピンから帰った安西(保坂尚輝)のマネをしただけだという。 右頬に大きな傷のある安西は、大量の拳銃を密輸してきたという。 その頃、警察官採用試験の帰りの雪乃は、警部講習帰りの真下と共に東京テレポート駅にいた。 挙動不審な男に職務質問する真下が崩れるように倒れ、右頬に大きな傷のある男が去っていった。 真下は撃たれたのだ。刑事課に一報が届き、現場に駆けつけた和久と青島は雪乃の証言から安西だと直感する。 非常線が張られ、拳銃携帯命令が出される。病院についていった和久は、雪乃の制止をふりきって捜査に向かった。 降り始めた雨の中で弾丸捜索をする青島たち。その時、課長が来て署に帰るように言う。 拳銃携帯と防弾チョッキ着用の為に署に戻った青島は室井に遭遇する。雨の降る中、青島は再び外に走りだしていく。

ゲスト
若い男:渡嘉敷勝男
マイケル:マキシ・プリースト
龍村:真木蔵人(7話にも登場)
安西昭次:保坂尚輝(最終話にも登場)


最終話 青島刑事よ永遠に

物語:捜査会議で安西の事が報告されていた。真下は依然、重体のままだった。 真下が開設していたホームページに、安西らしき男がイメクラに現れたとの情報が入った。 青島とすみれが提供者の白石(掘真樹)から情報を聞いていると、店長(村野功雄)に案内された安西が。 容赦無く発砲する安西に仕方なく発砲してしまう青島。しかし、安西に逃げられてしまう。 青島の発砲が刑事局長(中山仁)や監察官(升毅)に問題視される。 捜査の妨害を恐れた室井は一芝居うって青島を連れ出した。東京拘置所に乗り込んだ青島と室井は、 超法規的措置で山部(伊藤俊人)と接見、武器取引の日時と場所を聞き出す。 現場のバーに張り込む二人。その時、安西が姿を現した。室井は確保を指示し、 店内の全ての客が安西に銃を向けた。全員が刑事だったのだ。 湾岸署の取調室で和久が安西の尋問をしていた。6年前の犯行を否認する安西。 和久は全てを青島に託し、湾岸署を去っていった。 一週間後、命令違反と単独捜査について室井と青島は査問委員会にかけられた。 結果、青島は降格、室井は訓告のみ。室井は平等な処分を求めるが、青島は組織を変えるために上にいろと言う。 お互いに敬礼する二人。数日後、交番勤務に励む青島だった。

ゲスト
山部良和:伊藤俊人(2話にも登場)
安西昭次:保坂尚輝(10話にも登場)


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