ATFストレーナの交換
BXのATFストレーナはATオイルパンの中に隠れています.
これは国産車も含め、多くの車種で同じような構造です.
BXの場合、困った事にプレッシャーレギュレーター(以下、レギュレータ)が邪魔をしてオイルパンが外れません.
私の場合、作業時間は2-3時間でしたが、約2/3がハイドロ関連部品に関わる時間で、ストレーナ交換自体はATFの抜き変えも含め1時間以内と思われます.
作業手順は
ハイドロ関連
- メイン系の圧抜
- メインアキューム取り外し
- ホースクランプ類の緩め/取り外し
- レギュレータ・マウントボルト/ステーの緩め/取り外し
- ハイドロ配管の緩め/取り外し
AT関連
- ATFの抜き取り
- オイルパン取り外し
- ストレーナ・カバー取り外し
- ストレーナ・ガスケット交換
- ストレーナ交換
- ATF補充
- LHMレベル点検・補充
などが主なところです.
- Parts List -
- ATストレーナ:RP 2263 14
- リングシール:RP 2264 12
- ストレーナガスケット:RP 2264 13
- ATオイルパンガスケット:RP 2214 11
作業の実際
- フロントをリフトアップしてウマを掛けます.
ウマはサブフレームに掛けた方が安全です.
BXはサイドブレーキが前に効くため、後輪に輪留めをしたほうが安全です.
- ATFを2箇所のドレンボルト(5mm)から抜きます
(約2.5L)
- レギュレータ・マウントボルトを取り外します
- ブリードスクリューを緩めて圧を抜きます
- レギュレータのアキュームと反対側にあるステーのボルトを2本とも外します
- アキュームを外し,レギュレータ本体を固定する2本のボルトを緩めるます(写真なし)
- 周囲のクランプ類を外します.
レギュレータ下からオイルパン直下にあるハイドロ配管を外します.
- オイルレベルゲージを外し,オイルパン周囲のボルト(T-27)を全て外します.
- オイルパンを外す時にレギュレータ尾部と干渉するため,レギュレータとエンジンブロックの間にレンチなどを挟んで浮かせます.
レギュレータ/フローデスビ間の逆Jパイプのユニオンナットを少し緩めておきます.
オイルパンを取り外します.
- ストレーナカバー(グリーンで囲った部分)を取り外します.
他のボルトには触らないほうが無難
- カバーを外すとストレーナは手で引けば外れます.
古いガスケットを剥離します.
カスが内部に入り込まないよう注意.
-
新しいストレーナとガスケットを取り付けます.
- ストレーナカバーを取り付けます.
ボルトは長さ・太さの異なる5種類のものが使われています.
(7. の写真参照)
各サイズと規定トルクは下記のとおりです.
NO. | 頭の径(mm) | 長さ(mm) | 締め付けトルク(kgm) |
1 | 12 | 80 | 0.8 |
2 | 12 | 70 | 0.8 |
3 | 10 | 80 | 0.6 |
4 | 10 | 65 | 0.6 |
5 | 10 | 60 | 0.6 |
- オイルパンには新しいガスケットを使って組み付け、レベルゲージを取り付けます.
- 配管類やレギュレータなどを組み付けます.
規定トルク
- オイルパン取り付けボルト:1kgm
- レベルゲージ:4.5kgm
- プレッシャーレギュレータ:1.9kgm
- オイル類を補充.動作確認をして終了します.
(C) Y. Narabayashi