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Meter Nacelle basic structure of
Bobbin Meter
Tech Guide

ボビンメーターの構造

初期型BXの速度計は、CXやGSAと同様のボビン式を採用しています.

この速度計は通常の時計型メーターと異なり、糸巻き(Bobbin)の様な円柱に速度が刻まれ、横方向に回転して速度数値を表わします.視認性はいまいちですが、とても個性的な速度計です.

今回、トリップ計が故障してリセット出来なくなったメーターの修理と清掃を兼ねて分解してみました.

(01. メーター正面)
メーターナセルの配置は、以下のとおりです.




(02. メーター正面カバーなし)


(03. カバー本体とメーター内部品)
手前のカバーを外すと、中身の部品はこの様なレイアウトで構成されています.

(04. デジタルLED表示)
デジタルクォーツ時計と棒状のエンジン回転計はLED表示、表示部外観は真空のガラス成型と、その時代のデジタル技術が偲ばれます。

(05. ボビン速度計-正面)
背面3箇所のボルト(頭が六角)を外すと速度計と走行距離計/トリップ計のユニット一式が取り出せます.

(06. ボビン速度計-右下より)


(07. 電磁回転部アップ)
速度入力は、背面側からのケーブルを伝達して磁石が回転し速度表示下の金属円盤に磁力を発生させて、横方向に回転させます.

(08. ボビン速度計-上より)
細い渦巻きスプリングが、筒の慣性を安定させています.

(09. メータ上面)
中心の穴は、メーター照明用バルブソケット.

(10. メータ背面-フィルム配線/中+左+右+ボビン速度計)
中心下の二股に分かれている、フィルム配線の間に見える突起が、スピードケーブル入力部.

(11. メータ背面-フィルム配線/中+左+右)


(12. メータ背面-フィルム配線/中+左)


(13. メータ背面-フィルム配線/中)
裏側のフィルム配線を順次剥がして行くと、大小3枚に分かれています.

外す際には、材質が薄いフィルムな事と経年変化で硬化し千切れやすいので、固定部の脱着には注意してください.

(14. フィルム配線-運転席側より)
フィルム配線は、以下の内容に分かれています.

(15. 走行距離/トリップ計-正面)
今回は、トリップ計の修理なので更にボルト1本を外すと 走行距離計/トリップ計のユニットと棒状のスプラインギアが外せます.

(16. 走行距離/トリップ計-横)


(17. トリップ計リセットのツメ)
トリップ計下のリセットのツメが構造上折れやすく、裏側の成型自体が中空なので、アルミ板をはさみ瞬間接着剤で補強再生しました.

リセットボタンを押した時には、十分の強度です。
因みに、プラスチックの材質特性により通常の瞬間接着剤では貼り付かず、難接着素材用のものを使用しました.

(18. 走行距離/トリップ計-正面アップ)
分解ついでに全てゼロにリセットして、気分は出荷状態にしまいました. (^^;


(このボビンメーターは、石井さんより提供されました.)


(C) M.Kato

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