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Brake system Front Brake Caliper
Tech Guide

フロント・ブレーキキャリパーの構造

DS以後のハイドロニューマチック・シトロエンは全てサイドブレーキがフロントに効きます。エンジン停止後に車高が下がり、リヤタイヤが後退する事がその理由と思われます。

BX以後のハイドロモデルではサイドブレーキの効きを自動的に調整する機構がキャリパーに組み込まれています。これは国産車でもリヤブレーキなどで採用される構造です。
オーバーホールは可能ですが、組み立てにはSST(専用工具)が必要となります。
このため、本稿では構造の記載に留めました。参考資料として御利用戴ければ幸いです。


ファクトリーマニュアルによる構造図

記号については下の図も御参照ください。

レバー(D)がワイヤで引かれるとタペット(E)を介してスクリューシャフト(F)が押され、ピストン(M)をパッドに押し付けます。
ワイヤーが解除されるとスプリングワッシャ(G)によりシャフト(F)は元の位置に戻ります。

パッドが減ってくるとソケットナット(L)が回転し、スクリューシャフト(F)とのネジによりサイドブレーキの効きが調整されます。




実際の分解図

写真の上半分はレバ−側、下半分はディスク側からの挿入になります。
  1. ブーツクリップ
  2. ブーツ
  3. スプリング
  4. サイドブレーキ・レバー
  5. タペット
  6. スクリューシャフト
  7. リターンスプリング・ワッシャ
  8. ワッシャ
  9. リテーナー・スプリング
  10. スラストワッシャ
  11. スラストベアリング
  12. ソケットナット
  13. ブレーキピストン
  14. ピストンシール
  15. ブーツ
  16. キャリパー・スライドピン


このタイプのキャリパーをOHするには、組付けの際にSSTを用いてスクリューシャフトを押し込んでやる必要が有ります。

スプリングワッシャ(G)とシャフトの頭(F)を同時に押さえつつ、横からタペット(E)、レバー(D)を入れてやらなければなりません。

拡大図

半月型に見える部分がシャフトの頭です。

純正のSST(228-T)が用意されています。日産車用SSTに流用できる物が有るようですが、型番は現在のところ不明です。

SSTの使用法。

(C)J.Hara, Y. Narabayashi


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