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Interior Dash Panel
Air outlet panel
Tech Guide

初期型BXの内装「エアアウトレット交換」

BXに限らず昨今の内装素材は、軟硬質のプラスチックでできており、
年式の経った内装は直射日光の紫外線や高温にさらされて変色し、
もろく割れやすい状態になっています。

特に顕著なのが前期型のフロントウィンドウ手前、ブロア吹き出し口のアウトレット部(品番95 562 711)です。
個体差はありますが、ひび割れたものや、激しいものでは割れて欠落している場合もかなり見受けられます。

今回の車体は86年式の初期型で、一部に脱落も見られました。



尚、アウトレット(品番95 562 711)は、新西武パーツセンター経由
で仏国へ問い合わせたところ、供給が終了しているとの事で、急遽
「オートショップ・キャロル」にて調達する事となりました。

いざ探しに行くと初期型の数が少ない都合上、同色内装の部品取り車がなく、紺色を譲り受けて茶色に塗装して使用する事に決めました。

部品取り車から表面の割れていない事を幸いに外したところ、残念なことにバルクヘッドに固定する2本のボルトステー付け根が欠損している事が判明し、急遽補強を兼ねて左右にアルミステーを自作することにしました。
1mmのアルミ板を適当に採寸して加工し、元々のプラスチックの足に両側からサンドするようにリベット留めしました。かなりの強度で、これなら安心です。



目的のアウトレットパネルを交換するには下の4つのステップで行う必要があります。

1)左右足元のカバー、グローブボックス
2)メーター、ステアリング
3)クラッシュパッド
4)アウトレット


1)左右足元のカバー、グローブボックス
まず、クラッシュパッド左右足元のカバーを外します。
運転席側のステアリングシャフトカバーは、前後期型で形状が異なり
ます。6カ所のネジとボルトを外すと簡単に外れます。
メーター照明のスライドスイッチも外して適当に置いておきます。
助手席側は、グローブボックスふたのヒンジを固定しているボルトが
一部固定を兼ねています。
グローブボックス照明のカバーを外し、電球とコネクタを外します。

2)メーター、ステアリング

まず、ボンネットリリースワイヤーを引いておき、ボンネットを開け
ておきます。
次にステアリングシャフトを固定している4本のボルトを外します。
カップリングに繋がっているシャフト手前のジョイントを外すと尚ベストです。
外れたステアリングは足元に降ろしておきます。

メーターは、上部の蓋を外すと固定している6角ボルトの頭が2つ
見えます(下側も2つあります)。この4本のボルトを外す前に配線コネクター8カ所(ソケットは7カ所、1カ所未使用)をマーキングして外します。

メーター裏のコネクター下側にメーターケーブルの結束部が確認できますので、ドライバー等でこじって外します。メーターカバーの上下4本のボルトを外すとメーターユニットはフリーになります。
ユニットを手前に少し引き、取り出します。
メーターカバーのボルト固定部の足を折りやすいので、注意してください。(しっかり、折ってしまいました)

3)クラッシュパッド
ボンネット内側、バルクヘッド側のファンユニット両端に2本のボルトがありますので、これを外します。
基本的にこれで、一体になったクラッシュパッドとアウトレットを外すことができます。

注意事項
クラッシュパッド左右両端裏側を横に走る通風循環の黒いホースとセンターにあるヒーターコアとアウトレットを繋ぐ幅広のジョイント部品の外れ具合を確認してください。
また、バルクヘッド側センターに固定ピンがありますので、ここの外れ具合にも注意してください。(装着する際も同様です)

Aピラー片側の内張とスピーカーハーネスを外すと更にクラッシュパッドが手前に引き出せます。

4)アウトレット

クラッシュパッドとアウトレットは一体になっています。
7カ所をかしめて且つ、ネジで留めてありますので、簡単に外れる
ように、かしめてある部分をニッパーで切り取ります。
ネジを外すと多少固着していますが、徐々に外れます。





組立は、逆手順で完了です。

ついでにメーターバルブも交換して
何もなかったように、普通のキレイな内装に戻りました。





(c) Masahiro KATO