Back Numbers : 映画ログ No.4



【グレースとケリー】三星半
よのなかに女の人の監督さんがもっともっとたくさんあらわれ、こんなふうなほんものの“女の子映画”をたくさんつくって、男の監督さんのちゅうとはんぱでみがってなおもいこみによるにせものの“女の子映画”がさっさとくちくされてしまえばいいのになあ、とわたしは思いました。
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【コーカサスの虜】四星半
人間の高潔さと美しさと愚かさを、これほどまでに見事に描ききった映画はそうそうあるもんじゃない、と思います。名作です。必見
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【Shine/シャイン】四つ星
誰が観ても悪い評価を下す人はいないだろうから、万人に安心してお勧め出来る。ただ、スピルバーグの“10年に一本”というのは少し大げさなような気が……。この映画の内容にスピルバーグ自身余程思うところがあったのか、それともアメリカではよっぽどろくな映画をやっていないのかな ?
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【新世紀エヴァンゲリオン・シト新生】......映画自体の出来に関して二星半
アニメ・シリーズとしてのエヴァンゲリオンの感想はまた別途書かせて戴くとして、今回、これを普通の1本の映画として見た場合の感想を書くとすると……全く何の予備知識もなく映画を見に行った場合には、雰囲気は伝わるとしても、筋立てとかはまずほとんど分からないのではないかと思うので、もったいないなぁと思う。あのアニメの情報量を1時間やそこらにまとめるのは至難の業だとは思うが、折角一般の劇場で上演するのだから、もっともっと徹底的な解体と再構築を試みて、全くの門外漢の人にもアピールできるような1本の映画として完成させて、見る人の裾野を広げさせ、日本中に庵野菌をばらまいてやればよかったのに。まぁ今現在の監督さんにそこまでの余裕は無かったか。それに、アニメ映画って、ほとんどの場合、最初からもともとのファンだけが観て楽しめればいいという発想でしか創らないし、ファンの人からすれば余計な門外漢なんかに入ってきて欲しくないのかも知れないし、分かりたい人はファンになればいいってことになるのだろうから、こんなこと言ったって仕方ないのかも知れないけど。でもさー。
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【そして僕は恋をする】二つ星
このお兄さんが何を考えていても、にとってはなんかひたすらどうでもいいようなことが多かったのか、全然共感できなかった……ってつくづく、若い男の人が、他の人にはどうでもいいような身勝手で現実離れした悩み事をぐちぐちぐちぐち言っているような映画が嫌いなようである……という訳で、はこの映画とは相性が悪かったようなので、この映画の“魅力”について知りたい場合には、他の人の御意見を御参照戴いた方がいいように思うです。
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【夏時間の大人たち】三星半
も運動神経がぶっつぶつに切れていて、出来なかったんスよ、逆上がり……。といった具合に全編、あー分かる分かる、という感じ。この監督さんは有名なCFディレクターなのだそうで、なるほど、間の取り方やセリフの決め方が抜群にうまく、印象的な“風景”を創り出すのには成功していると思う。(“青い鳥”のシーンなんかちょっと凄いです。)これがもっと“お話”としても印象深いものになれば、もっといわゆる映画的なインパクトを残せる作品になるかしら ? などと思いもしたが、こういうのはこういうので、このままでいいのかもしれない。
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【パブリック・アクセス】三星半
ブライアン・シンガーの長編第1作とのことである……確かに予算もそんなには高くなさそうで、才気走り過ぎているところを感じたりする部分もあるし、絵的にも若干荒めの印象を抱いたりもするが、それはこの映画が不完全だということを意味するものでは、ゆめゆめない。このお方は大した才人だ。昨年【ユージュアル・サスペクツ】を観て抱いた感想はやはり間違っていなかった。次回作が楽しみだなっ。
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【百一夜】三星半
隅から隅まで映画への愛がたっぷり詰まっていて、観ているだけで嬉しくなってしまう。(ただし、映画好きの人じゃないと退屈してしまう可能性はなきにしもあらずかな ? )それより、この映画の公開時期がこんなに遅れてしまったことが本当に解せないのだが。この映画に出演を快諾した多くの俳優さん達を含め、世界中の映画を愛する人々と一緒に映画が百歳になったことをお祝いしようじゃないの、という発想は、日本の映画配給関係者の人たちの間にはどこにも無いのかしらん ?
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【フィーリング・ミネソタ】一星半
前半はまぁまぁ面白かったと思うが、後半は支離滅裂で全くひどかった。キアヌ君とキャメロン・ディアスのカップルはイケていると思ったので、下手にサスペンス ? の要素を入れ込もうとかしたりせず、感情や情景の細やかな描写に徹して恋愛ものとして押し切っていた方が、この映画は成功していたんではないでしょうか。
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【マーズ・アタック ! 】四星半
【バットマン】を最初に見た時にも思ったもんだ……こ、これはメジャー映画なんかじゃない。ものごっつう金の掛かったカルトムービー以外の何者でもないっっ !! 今回も詰まるところ同様の感想を抱いた、が、バットマンの頃よりもっとパワーアップしているような気がする。こんなものを本気で創るティム・バートンは天才だ、という以外に、ボキャブラリーが貧困な現在の私は語るべき言葉を持たないので、あのみどりいろの脳みそが並んだポスターを見て何かを感じた人、この映画を楽しそうだと思えそうな人のみ、映画館に行って是非その目で確かめてみて戴きたい(万人に勧める気はさらさら無い)。そんな映画の本質を全て理解して見事に体現し、根本の柱を作り上げているジャック・ニコルソン御大、そういえば“ジョーカー”役以来のお付き合いだっけ。彼の狂気を余すところ無く表現するのには、やはり監督にもそれなりの器が必要だってこったな。
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【リトル・シスター】三星半
これだけ家庭用ビデオが普及して、カメラで映像を撮るということ自体が特別なことじゃなくなってくれば、撮っている人自身が登場人物の一人になっていて、カメラの視点がある特定の人物の視点として固定される(サブジェクティブ・カメラっつうんですか ? )という手法の持つ意味は、これからもっと研究される余地があるかもしれませんよね。この映画に関して言えば、おにーさんが心を込めて撮ったこの“映像”も、どこにでもあるありふれた家族ビデオとどこが違うのか、ということを示唆するラストシーンがとてもいいと思った。翻って、他人が観ても意義のある映像とそうでない映像の境界線はどこにあるのか ? 撮る人が素人だとかプロだとかの違いや差はどこから派生するのか ? そもそもそんな違いが存在しているのだろうか…… ? などなど、プロとして映像を撮ることの意味に対する(多分自らへの)問い掛けがシビアである。
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