うーぴーの選ぶ '96年ベストテン映画
うっちゃんのベストテン
- 1.トレインスポッティング
- 1.アンダーグラウンド
- 1.12モンキーズ
- 4.ロスト・チルドレン
- 5.セブン
- 6.クロッシング・ガード
- 7.デッドマン・ウォーキング
- 8.月の瞳
- 9.レディバード・レディバード
- 10.ユージュアル・サスペクツ
ぴーちゃんのベストテン
- 1.デッドマン・ウォーキング
- 2.アンダーグラウンド
- 2.ユリシーズの瞳
- 4.フラメンコ
- 5.ファーゴ
- 6.ガメラ2・レギオン襲来
- 7.42丁目のワーニャ
- 8.12モンキーズ
- 9.ケス
- 10.ユージュアル・サスペクツ
- 10.ロスト・チルドレン
- 10.セブン
ぴ : ほー。こうしてみると、やっぱかなり違うもんだね。
う : ま、私の方は年間10数本くらいしか観てないから、ぴーちゃんのベストテンに入ってるやつでもかなり観てないのがあるけど。
ぴ : ほだね。でもあんた、他のはともかく、【ファーゴ】がまだっつーのは、ちょっち片手落ちなんでねーの ?
う : うっ、そ、それはっ。でも他のやつに関して言えば、結構いいとこ押さえてんじゃん ?
ぴ : そりゃ、そばにいるアドバイザーがいいからさぁ。
う : ………。ま、それはともかく、96年の総評でも聞いてみましょうか。
ぴ : そーですね。96年はとにかくいい映画が多かったっ ! ほんとに。
う : ふむふむ。
ぴ : だってさ、私の評価での5点満点ていうのは一応“映画史に残る傑作っ !!”てのを基準にしてるんだけど、その5点満点をつけてもよいな、っていうのが4本もあった。春先に2本(ぴの2位のやつ)を観ただけでももう今年はこれで充分だと思ったのに、【デッドマン・ウォーキング】がまたすごかった。ま、4位の【フラメンコ】はドキュメンタリーみたいなものだからちょっと毛色は違うけど、これもまた素ん晴らしかったし。5位の【ファーゴ】も、4つ星半は固いでしょう。
う : で、6位が【ガメラ】 ? 。
ぴ : だってこれは、日本映画でもこれだけのことが出来るんだってことをこれでもか、これでもか、と見せつけてくれた大傑作だもの。やっば入れとかなきゃ。
う : 【ワーニャ】は監督の遺作だから ?
ぴ : そうね。でも、ただ遺作ってだけじゃなくて、すごく緊張感があって斬新な映画だし。ルイ・マル監督の、常に創造的たらんとする映画人生を象徴していたかのような映画でないの。あぁ、こんな素晴らしい作品を最期にお作りになるなんて。本当に惜しい方が亡くなってしまったわ。しくしく。
う : ところで、10位が3つなんてちょっとずるいんでないの ?
ぴ : う、ばれたか。だって、どれも落とすに忍びなかったし。
う : それに、私が堂々の第1位にしてる【トレインスポッティング】がないっつーのは、一体どゆこと ?
ぴ : あんただって、私が堂々の第2位にしている【ユリシーズ】を入れてないじゃんよ。ま、その辺りは感性の違いだわね。でも【トレインスポッティング】も、20位以内くらいなら入ったと思うんだけど。
う : 20位ねぇ……
ぴ : いやいや、だから96年はほんっとにいい映画が多かったから、入りきらんのよ。【ケス】と【キッズ・リターン】はどっちを入れようか迷ったし、うっちゃんが入れてる【月の瞳】や【クロッシング・ガード】も捨て難い。そうそう、【クロッシング・ガード】(ショーン・ペンの映画)と言えば、アル・パチーノの映画(【リチャードを探して】)もすごい拾いもんだった。ロバート・アルトマンやウディ・アレンの新作(【カンザス・シティ】と【誘惑のアフロディーテ】)も良かったし、ガス・ヴァン・サントの【誘う女】もサイコー。スティーブン・フリアーズの【ジキル&ハイド】辺りもしぶくてよかったぞ。そうそう、【ウォレスとグルミット】なんかも忘れちゃなんねい。
う : 【ウォレスとグルミット】は良かったね。あーいう出来のいい短編アニメとか、もっとたくさんやって欲しいよね。で、他には ?
ぴ : そうそう、だから96年は邦画も面白いのが多かったような気がするぞ。という程たくさんは見れなかったのが残念なんだけど、でも【学校II】なんか、さすがは山田先生 !! おみそれしましたって感じだし、【スワロウテイル】なんて、とりあえず映画があれだけ話題になるっていうのは凄いことだと思うよ。
う : "面白かった"とは言わんのかい。
ぴ : うーん、私の印象では、まだ発展途上にある映画、って感じかな。将来の更なる可能性も含めてね。
う : ものは言いよう。
ぴ : いやそうじゃなくて、あの人はもっともっと才能がある人だと思うし。あ、そうそう、才能があると言えば、山本政志監督を忘れちゃいけない。私は是非是非【アトランタ・ブギ】に特別賞を差し上げたい。
う : なんか、映画観て帰ってきた日にきゃーきゃー言ってたもんねぇ。
ぴ : そーなのよぉ。まぁ、監督としては必ずしも本意でない作品なのかもしれないんだけれど、なんてーか、ああいう一見破茶目茶な映画って、実はもんのすごくしっかりした映画的文法に基づいてつくらないことには、ぜーったいに収集が付かなっちゃうもんねぇ。
う : ほう。
ぴ : あの映画の隅から隅までの組立が、脚本とか書いてる段階からもう完璧に頭の中にあるらしいっていうのがスゴイよねぇ。しかも、多分、考えてそうなるんじゃなくて、自然にカラダがそうなってしまうんだと思うんだよね。もう、あの人って正に、映画的体質に生まれついている人なんじゃないんだろか。
う : 会ったことでもあるんかい。
ぴ : いや、ないけどさ。で、この【アトランタ・ブギ】には、その山本監督のケタ外れの才能をこれでもか、これでもかと感じたですよ。いやぁ、全くこの人がまともに映画を撮れないなんて、やっぱこの国はどっかおかしいわよう。
う : 【熊楠】ね。それは私も早く観たい。
ぴ : だしょ ? 林海象が【熊楠】のプロデュースもすることになったらしいから、今度こそはイケるかもしれない。
う : だといいんだけどね。林海象は、プロデューサーとしての能力は凄くある人だもんね。てなところでお後がよろしいようで。じゃあ、2人のランキングを併せると、大体こういった感じになるのかな ?
ぴ : ま、妥当なところでしょう。
うーぴーによる総合ランキング
- 1.アンダーグラウンド
- 2.デッドマン・ウォーキング
- 3.12モンキーズ
- 4.トレインスポッティング
- 5.ユリシーズの瞳
- 6.ファーゴ
- 7.ロスト・チルドレン
- 8.セブン
- 9.ユージュアル・サスペクツ
- 10.ケス/レディバード・レディバード
*10位の2本は、シネヴィヴァン六本木での公開時に、
ケン・ローチ監督特集としてカップリングされていたので、
一緒にランキングさせました(苦肉の策)。
【ファーゴ】はうが観ていれば、もっと順位が上がっていたかも ?