Back Numbers : No.36~雑想ノート



うーぴーの選ぶ`99ベスト20映画

今年もベスト20映画を選ぼうと思い、去年観た映画で印象に残ったものをざーっと書き出してみたらその数が、何とあっさり50本近くになってしまった !! しかしベスト20と銘打つ限りは、どんなにズルをしたところでやっぱり20本くらいしか選べないのよねぇ……ということで今回は、本来なら出来れば20位内に入れたいんだけど、という数々の映画達のために、各賞を例年以上にたくさん設けてみました。

【99年度ベスト20】

1.【マトリックス】
2.【シン・レッド・ライン】
3.【ワンダフルライフ】
4.【御法度】
4.【皆月】
4.【金融腐食列島・呪縛】
7.【ポーラX】
8.【ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ】
9.【双生児】
10.【永遠と一日】
11.【タンゴ】
12.【日本黒社会 LEY LINES】【DEAD OR ALIVE・犯罪者】
13.【ガメラ3・邪神<イリス>覚醒】
14.【39・刑法第三十九条】
15.【のど自慢】
16.【ニンゲン合格】
17.【愛する者よ、列車に乗れ】
17.【オフィスキラー】
19.【シックス・センス】
20.【M/OTHER】
20.【月光の囁き】【どこまでもいこう】
20.【孔雀/KUJAKU】
(次点)
【菊次郎の夏】
【ホーホケキョ となりの山田くん】
【ライフ・イズ・ビューティフル】

例によって次点の3本は、“いいとは分かっているんだが、まぁ敢えて私らが評価することもなかろう”といった作品です。 12位の【日本黒社会…】【…犯罪者】と20位の【月光…】【どこまでも…】は、それぞれ同じ監督さんによる作品になります。映画としては別物な訳ですから、本来こういった形にするべきではないのかもしれませんが、両方の作品を入れてしまうとその分他の映画が入れられなくなってしまうので、苦肉の策でこういった形を取らせて戴きました。ただし、その監督さんの作品なら何でもいい、ということではありません。12位の三池崇史監督の【サラリーマン金太郎】は……見ずにコメントするのは何ですが、見てても入れてなかった可能性がかなりあるのじゃないかなぁ。(それにしてもこの人、他にTVシリーズの【天然少女萬】とかやってるし……う~ん、なんちゅう仕事量だ。)

【各賞】

ドキュメンタリー大賞……【ファザーレス 父なき時代】
文芸大賞……【ロリータ】
(これだけ完璧な『ロリータ』の映画化は当分出ないことでしょう。)
世紀末ビジュアル大賞……【白痴】
(ビジュアルだけが良かったわけでは無論ありませんが、ビジュアルの語るインパクトがとにかくものすごかったということで。)
アホアホコメディ大賞……【メリーに首ったけ】
アホアホコメディ特別賞……【ワイルド・ゼロ】
人間ドラマ大賞(洋画編)……【サイモン・バーチ】【パッション・フィッシュ】【ウェイクアップ ! ネッド】
人間ドラマ大賞(邦画編)……【コキーユ・貝殻】【洗濯機は俺にまかせろ】【大阪物語】
巨匠復活大賞……【黒猫・白猫】
(だって“引退騒ぎ”は本当に心配だったんだから ! )
にゅーうぇーぶ大賞……【π<パイ>】【バッファロー'66】
人生の逡巡大賞……【ナンニ・モレッティのエイプリル】【アベック・モン・マリ】【ワンダーランド駅で】
人類の彼岸大賞……【SAFE】
宝石みたいな映画で賞……【こねこ】

(おまけ)
勢いだけで押し切ったで賞……【キラーコンドーム】【グループ魂のでんきまむし】【シックス・ストリング・サムライ】
アイディア一発 ! 成り上がり大賞……【ブレア・ウイッチ・プロジェクト】
(いや、いい意味でね。あくまで。)

上記の他に候補に挙げてみた作品としては、【風の吹くまま】【マイ・ネーム・イズ・ジョー】【橋の上の娘】【ハイロー・カントリー】【HEART】【女と女と井戸の中】【ガッジョ・ディーロ】【ハイ・アート】【シンプル・プラン】などがありました。(あっそういえば【踊れトスカーナ ! 】なんて映画も、その甘々さ加減が逆に大好きだったなぁ。誰も賛成してくれないだろうけど。)


今年の選考基準は概ね、「映画ってこんなことまで出来るんだ、的な驚き」×「映画としての風格」×「好み」、といったようなことになったと思います。あまり一般的に知られていない作品でも“驚き”の部分で点が高かったり、こんな映画が ? といわれそうな作品でも“好み”の部分でどうしても外せなかったり(ガ…【ガメラ】 ? )……逆に、映画の出来としてはいいと分かっていても、何故かどうもフィーリングが合わなくて入れられなかったようなものもあります(【セントラル…】【…シェイクスピア】【八月…】【ゴースト…】とか……)。さすがに上位の映画になると、それらのどの点でも評価が高かった作品ばかりになるのですが、それにしても【皆月】が【御法度】【…呪縛】に並んで4位とは我ながらどういうこっちゃ ? ……つらつら考えてみるに、これは作品自体の迫力もさることながら、準主役の北村一輝氏の印象が強くて忘れられないんですよねぇ。ということで今年の“男優大賞”は、(ラリー様すら差し置いて)北村一輝氏に決まりです !
しかしこうして見ると、去年は邦画のいいものが本当にたくさんあったんですねぇ。ベスト20も半分は邦画ですもの、選ぶのにも苦労してしまう訳です。ほんの少し前までは“冬の時代”と言われて久しかった日本映画界ですが……いやいや、もう永遠に(“黄金期”を知ってる人達が懐かしがって言うような)“春”は巡ってこないと思うんですが、これからも終わる見通しのなさそうな“氷河期”を生き抜くたくましさがある程度身に着いてきたのだなという感触が、ひしひしとしてきます。

ということで、皆様の去年のベスト映画はどんな作品でしたでしょうか ? 当方のベストも、何がしかの形で皆様の御参考にしてみて戴ければ幸いです。


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