Back Numbers : No.66~雑想ノート



うーぴーの選ぶ`02ベスト20映画


【2002年度ベスト20】

1.【ブレッド&ローズ】【ナビゲーター ある鉄道員の物語】
2.【落穂拾い】
3.【ピアニスト】
4.【イン・ザ・ベッドルーム】
5.【KT】
6.【ハッシュ ! 】
7.【ナショナル7】
8.【OUT】【笑う蛙】
9.【折り梅】
10.【AIKI】
11.【少林サッカー】
12.【8人の女たち】【まぼろし】
13.【息子の部屋】
14.【ごめん】
15.【ロード・トゥ・パーディション】
16.【夜を賭けて】
17.【es[エス]】
18.【荒ぶる魂たち】【実録・安藤昇侠道<アウトロー>伝 烈火】
  【金融破滅ニッポン 桃源郷の人々】【カタクリ家の幸福】
  【DEAD OR ALIVE FINAL】

19.【天国の口、終わりの楽園。】
20.【鬼が来た ! 】

(ベスト20次点)
【SWEET SIXTEEN】
【歌え ! フィッシャーマン】


普段映画の評価をつける時には、その映画の完成度なども一応考えて加味してしまったりもするのですが、年間のベストを考える時にはもっと純粋に、自分の生理的な好き嫌いを中心に考えてランキングし直します。ですから、この年間ベストが筆者の好みを最もダイレクトに反映しているという訳です。ということで、ランキングともとの星の数の整合性が必ずしも取れない場合もあるのですが、どうぞ悪しからず御了承下さい。

ベスト20の中で、同じ監督さんによる映画を並べて同位にしてある場合があります。同じ監督さんだからといって作品を一括りにする必然性なんて、はっきり言ってどこにもないのですが、これは作品数が多過ぎることに対する苦肉の策である一方、自分の中でそれらの作品を楽しむ回路が似通っているという意味もあります。同じケン・ローチ監督の作品でも、今年の年間のトップにさせて戴いた【ブレッド&ローズ】【ナビゲーター…】とベスト20次点の【SWEET SIXTEEN】を分けさせて戴いたのは、今の自分にとってティーンエージャーの問題よりも労働者の問題の方がより身近で切実で、自分の中で少ぉしだけ特別であるからに他なりません。あと、18位は三池崇史監督の特別枠です。今年の公開作はどれも粒揃いで特に凄かったですね。ランクに上げた作品の他にも、結局見損ねてしまった【新・仁義の墓場】や、ちょっとこなれきれていなかったのが残念な時代劇の【さぶ】などがありました。他にも公開作があったらゴメンナサイ、でも7本も取り上げてあればもう充分でしょう。一体どこまで量産体制を続ける気なんでしょうねぇ、この人は。


【各賞】

(金賞)
【モンスーン・ウェディング】
【ガウディアフタヌーン】
【素敵な歌と舟はゆく】
【クロエ】
【インティマシー 親密】
【アザーズ】
【ゴスフォード・パーク】
【ミスター・ルーキー】
【みんなのしあわせ】
【バスを待ちながら】
【プレッジ】
【沈みゆく女】

(銀賞)
【恋ごころ】
【活きる】
【パルコフィクション】
【ピンポン】
【ドッジGO ! GO ! 】
【ザ・ロイヤル・テネンバウムズ】
【害虫】
【インソムニア】
【メルシィ ! 人生】
【酔っぱらった馬の時間】
【遥かなるクルディスタン】
【春の日は過ぎゆく】
【刑務所の中】
【いたいふたり】
【SFホイップクリーム】
【火星のカノン】

(銅賞)
【木曜組曲】
【ドッグ・スター】
【ダスト】
【ガーゴイル】
【父よ】
【友へ・チング】
【Returner<リターナー>】
【うつくしい人生】
【自殺サークル】
【理髪店主のかなしみ】
【DRIVE <ドライブ>】
【チキン・ハート】
【バイオハザード】
【スパイキッズ2 失われた夢の島】


(ドキュメンタリー大賞)
【チョムスキー9.11】
【A2】

(リバイバル大賞)
【ウイークエンド】

(リースとベンのファンになっちゃったで賞)
【キューティ・ブロンド】
【ズーランダー】

(ディスカバー・ジャパン大賞)
【MON-ZEN】

(北海道&大阪映画賞)
【パコダテ人】
【マンホール】
【ピーピー兄弟】

(私が評価しなくても大賞)
【スパイダーマン】【モンスターズ・インク】【アイ・アム・サム】
【海辺の家】【たそがれ清兵衛】



昨年は【地獄の黙示録】といった大作のリバイバルなどもあったのですが、今まで知らなかった新しい発見があってより興味深かったゴダールの【ウイークエンド】の方をリバイバル大賞にしました。あと【ロード・オブ・ザ・リング】なのですが、これはまだ全然お話の途中なので、三部作が全部出揃ったところで評価をつけたいと思います。その時にはかなりの上位に行くことは、まず間違いないでしょう。

しかし、年間ベストがここまで膨れ上がってしまったというのは一体どういうことなんでしょう。映画業界の大枠の在り方自体はどんどんつまらない方向に向かっているような気がするのに、面白いと思う映画の数はどんどん増えているというのは……自分の映画に対する審美眼が年々ぬるくなって、評価がどんどん甘くなってきているにしてもですよ。

自分の好むものと世間様の好むものとがかけ離れてしまっている、という傾向も昨年に始まったことではありませんが、今年は更にますます“好き勝手”な傾向に拍車を掛けていきたいと思います。だって、皆が同じものしか好きにならない社会なんて気持ち悪いもんね。

それでは、昨年ビデオでのみ発売された未公開作【ユー・キャン・カウント・オン・ミー】(お正月休みに観た)に“どうしてこれが公開されなかったのよ大賞”を差し上げたところで、本年度の〆にしたいと思います。(ちなみに、これから公開になるディカプリオ君主演の【キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン】とは別物ですので念のため。)さて今年は一体どんな映画と出会うことができるでしょうか ? 今からとっても楽しみです !


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