Back Numbers : No.86~雑想ノート



うーぴーの選ぶ`09ベスト30映画


<<2009年度ベスト30>>

1. 【愛のむきだし】
2. 【沈まぬ太陽】
3. 【母なる証明】
4. 【チェンジリング】
5. 【重力ピエロ】
6. 【ディア・ドクター】
7. 【劔岳 点の記】
8. 【風が強く吹いている】
9. 【グラン・トリノ】
10. 【レッドクリフ Part II】
11. 【あの日、欲望の大地で】
12. 【レスラー】
13. 【色即ぜねれいしょん】
14. 【ハルフウェイ】
15. 【ドロップ】
16. 【サマーウォーズ】
17. 【誰も守ってくれない】
18. 【ロルナの祈り】
19. 【グッド・バッド・ウィアード】
20. 【フィッシュストーリー】
20. 【南極料理人】
22. 【夏時間の庭】
23. 【それでも恋するバルセロナ】
24. 【シリアの花嫁】
25. 【レイチェルの結婚】
26. 【空気人形】
27. 【感染列島】
28. 【セントアンナの奇跡】
29. 【余命1ヶ月の花嫁】
30. 【ウルトラミラクルラブストーリー】


去年一番印象に残った映画って何だっけ ? で真っ先に思い出したのが【愛のむきだし】。だから文句なく1位です。しかし私が園子温監督作品を年間1位に選ぶ日が来ようとは……人生とは分からないものです。後の順位は割と悩んだので、かなり僅差だったのではないかと思います。【ヱヴァンゲリヲン…】は例によって全作完成してから評価したいと思いますが、この先エラいことになっていく予感を十二分に抱かせる凄い出来でした。
例年通り、筆者の好き嫌いだけがひたすら反映されている訳ですが、映画の完成度やストーリー云々というよりは何か拭い去れない異物感のようなものがどうも印象に残って思わず順位を高くしてしまった映画が、今年は少なくなかったように思います。(【ウルトラミラクルラブストーリー】なんか典型的ですね。)あと、映画を創りたいという意思が強く感じられる映画が例年以上に好ましく感じられたような気がします。品川祐監督の【ドロップ】は、監督自身が映画なるものに対して求めたい要素を自分でよく分かっていて、それを純粋に抽出しようとしたという点において、もっと高く評価されてもいいのではないかと私は思います。


<<ドキュメンタリー大賞>>
【こまどり姉妹がやって来る ヤァ ! ヤァ ! ヤァ ! 】
<<ドキュメンタリー特別賞>>
【アニエスの浜辺】【彼女の名はサビーヌ】【ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション】
>
【アバター】
<<マイケル・ジャクソン記念賞>>
【This is it】


<<金賞>>(50音順)

【インスタント沼】
【ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~】
【ウェディング・ベルを鳴らせ ! 】
【海角七号 君想う、国境の南】
【キャデラック・レコード】
【クリーン】
【サンシャイン・クリーニング】
【ジュリー&ジュリア】
【スラムドッグ$ミリオネア】
【ゼロの焦点】
【ダウト あるカトリック学校で】
【チェ 28歳の革命】【チェ 39歳 別れの手紙】
【チェイサー】
【脳内ニューヨーク】
【のんちゃんのり弁】
【バーダー・マインホフ 理想の果てに】
【フロスト×ニクソン】
【ポー川のひかり】
【湖のほとりで】
【ミルク】
【ロックンローラ】
【ONE PIECE FILM Strong World】

<<銀賞>>(50音順)

【あなたは私の婿になる】
【大阪ハムレット】
【ヴィクトリア女王 世紀の愛】
【カールじいさんの空飛ぶ家】
【カイジ 人生逆転ゲーム】
【カティンの森】
【ガマの油】
【カムイ外伝】
【銀色の雨】
【クローンは故郷をめざす】
【さまよう刃】
【ジャック・メスリーヌ ノワール編/ルージュ編】
【少年メリケンサック】
【しんぼる】
【戦場でワルツを】
【代行のススメ】
【チョコレート・ファイター】
【扉をたたく人】
【なくもんか】
【buy a suit スーツを買う】
【南の島のフリムン】
【リミッツ・オブ・コントロール】


先立って、シネカノンが民事再生法適用を申請したのを聞いてすっかり暗い気持ちになったのですが、世間の不況に加え、昔から当たり前のようにあった老舗の映画館の閉館や、DVDの売り上げが落ちているためリクープ(資金回収)できない、だからどの会社もますます映画にお金を出さなくなる、などの、明るくないニュースばかりが次々と聞こえてきます。映画界は、いろいろな意味で抜本的な構造変革を余儀なくされている状況にあるのでしょう。しかし、私は自分勝手に、今以上に観るべき映画が観られなくなる状況に陥ることだけをひたすら心配しています。
最も危惧しているのは、折角いい映画が公開されていたとしても、その映画について伝えられるべき情報が観客にきちんと伝わっていない場合が往々にしてありそうだという点です。映画館に行ってしょっちゅう思うのは、みんな映画を観たくない訳じゃないということなんですよね。ではその人々に、どうしたらその人々自身が観たいと思うような映画の情報を届けられるのか ? 宣伝費やコネクションを持っている企業の側からだけの一方的で偏った情報だけでなく、届けられるべき情報とは一体何なのか ? それはどのような方法で届けることができるのか ? 映画ジャーナリズムの問題だけを解決したところで、映画界の構造不況が解決される訳では勿論ないでしょうが、もっと努力が払われてしかるべき点は確実にあるのではないかと思います。

いろんなことをどうしていけばいいのか、ぼちぼち考えていければいいなと思います。今年もどうぞよろしくお願い致します。


2010年2月 うーぴー拝



ご意見・ご感想はこちらまで


もとのページへもどる   もくじのページへもどる