Back Numbers : No.88~雑想ノート



うーぴーの選ぶ`11ベスト20映画


<<2011年度ベスト20>>

1. 【未来を生きる君たちへ】
2. 【ツレがうつになりまして。】
3. 【サウダーヂ】
4. 【恋の罪】
5. 【冷たい熱帯魚】
6. 【ファンタスティックMr.FOX】
7. 【モテキ】
8. 【八日目の蝉】
9. 【灼熱の魂】
10. 【ウィンターズ・ボーン】
10. 【神々と男たち】
10. 【大鹿村騒動記】
13. 【あぜ道のダンディ】
14. 【アントキノイノチ】
15. 【しあわせの雨傘】
16. 【はやぶさ HAYABUSA】
17. 【コクリコ坂から】
18. 【一枚のハガキ】
19. 【ソーシャル・ネットワーク】
20. 【UNDERWATER LOVE おんなの河童】

(次点)
【人生、ここにあり ! 】【キッズ・オールライト】【再会の食卓】

<<ドキュメンタリー大賞>>
【イヴ・サンローラン】【監督失格】【ダンシング・チャップリン】
(後2作品はドキュメンタリーとしていいかどうか難しいところだが。)
<<ドキュメンタリー音楽賞>>
【忌野清志郎 ナニワ・サリバン・ショー 感度サイコー !!!】【ゲット・ラウド】
<<2011.3.11賞>>
【がんばっぺ フラガール ! フクシマに生きる。彼女たちのいま】【第4の革命 エネルギー・デモクラシー】


正直、純粋に作品の強度だけを言えば、2011年の公開作での1位・2位は園子温監督の【恋の罪】と【冷たい熱帯魚】だったんじゃないかと思う。ただ、園監督の作品は観客を非常に選ぶ。私が知っている人達の顔を思い浮かべてみて、今年、この映画を一番に勧めることは難しいかなと思った。で、候補となる作品のリストをつらつらと眺めてみて、1位の映画を選んでみた。寛容と不寛容について扱っている作品だというのも大きな理由だけれども、何たって邦題がいいじゃないですか、これ。


<<金賞>>(50音順)

【永遠の僕たち】
【英国王のスピーチ】
【小川の辺】
【家族X】
【奇跡】
【クロエ】
【極道めし】
【この愛のために撃て】
【ゴモラ】
【これでいいのだ !! 映画☆赤塚不二夫】
【コンテイジョン】
【さすらいの女神たち】
【ザ・ファイター】
【さや侍】
【死にゆく妻との旅路】
【スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団】
【ソウル・キッチン】
【その街のこども 劇場版】
【パレルモ・シューティング】
【光のほうへ】
【ブンミおじさんの森】
【ペーパーバード 幸せは翼にのって】
【僕と妻の1778の物語】
【マネーボール】
【漫才ギャング】
【ヤコブへの手紙】
【リアル・スティール】

<<銀賞>>(50音順)

【イップ・マン 序章】【イップ・マン 葉問】
【『INVITATION from SPIKE JONZE』】
【ウッドストックがやってくる ! 】
【お家をさがそう】
【ザ・タウン】
【SOMEWHERE】
【サラの鍵】
【サンザシの樹の下で】
【シリアスマン】
【スマグラー おまえの未来を運べ】
【軽蔑】
【ゴーストライター】
【探偵はBARにいる】
【天国からのエール】
【とある飛空士への追憶】
【トゥルー・グリット】
【ドリーム・ホーム】
【ヒア アフター】
【白夜行】
【ブラック・スワン】
【不惑のアダージョ】
【僕たちは世界を変えることができない。】
【毎日かあさん】
【ランゴ】
【聯合艦隊司令長官 山本五十六】


<<銅賞>>(50音順)

【アンチクライスト】
【悪魔を見た】
【あしたのジョー】
【一命】
【宇宙人ポール】
【SP 革命篇】
【おばあちゃん女の子】【真夜中からとびうつれ】
【女と銃と荒野の麺屋】
【GANTZ】【GANTZ:PERFECT ANSWER】
【サラリーマンNEO 劇場版(笑)】
【サルトルとボーヴォワール 哲学と愛】
【スリー☆ポイント】
【孫文の義士団】
【タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密】
【津軽百年食堂】
【ツリー・オブ・ライフ】
【ハードロマンチッカー】
【鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星】
【朱花の月(はねづのつき)】
【BIUTIFUL ビューティフル】
【マイ・バック・ページ】
【マイブリッジの糸】
【まほろ駅前多田便利軒】
【緑子 MIDORI-KO】
【無言歌】
【指輪をはめたい】
【レア・エクスポーツ 囚われのサンタクロース】
【ワラライフ !!】


3.11以降、最初に映画を見に行った時に、世の中は否応ない重苦しさに覆われていたにも関わらず、わずかに息をつける場所を求める人達で映画館が予想よりずっと混雑していたことに、少なからず安心した。(確か、計画停電の初期で、遠出も無理だし店舗の営業時間等も大幅に短縮されていた時期だった。)あるコメディ映画では、誰もが妙に神妙で、笑うシーンでもお互いに妙な牽制感があり誰も笑っていなかったが、おそらくそれは大した問題じゃない。それよりも、日本社会のある種の脆弱さを穿つ内容であるはずだったあるアクション映画が、全くの虚ろな虚構と化してしまっていたことに、少なからず愕然とした。
何かが確実に、以前とは決定的に変わってしまっていた。でもそれも当然と言えば当然の話だ。どんなフィクションも色褪せてしまうような事態が現実に進行しているのだから。
以前からの構造的な不況に加えて、幾多の厳しい問題がいよいよ深刻化してくるのはむしろ今年の方だと思う。そんな現実の前に、映画は全く意味をなさない無力なものだということを改めて思い知るばかりだ。
けれど同時に、映画がある分だけ人生は少しばかり楽しくなるということにも、今、改めて思い至っていたりもする。今年、映画業界でも、今まで以上にいろんなことが破綻していくんだろう。けれど私はやっぱり映画が好きだし、映画を通して世の中と関わる術を考え続けるしかできないのだ。だったら自分には何ができるのか。今年はいろんなことを勉強しながら、そのことを考えていきたいと思う。


2012年1月 うーぴー拝



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