Back Numbers : No.89~雑想ノート



うーぴーの選ぶ`12ベスト20映画


<<2012年度ベスト20>>

1. 【ニーチェの馬】
2. 【この空の花 長岡花火物語】
3. 【夢売るふたり】
4. 【ヒミズ】
5. 【ルート・アイリッシュ】
6. 【メランコリア】
7. 【アルゴ】
8. 【天地明察】
9. 【黄金を抱いて翔べ】
10. 【その夜の侍】
11. 【終の信託】
12. 【おおかみこどもの雨と雪】
13. 【KOTOKO】
14. 【別離】
15. 【鍵泥棒のメソッド】
16. 【るろうに剣心】
17. 【I'M FLASH!】
18. 【キツツキと雨】
19. 【SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者】
20. 【闇金ウシジマくん】

(次点)
【あなたへ】【少年と自転車】【最終目的地】【ALWAYS 三丁目の夕日'64】


<<金賞>>(50音順)

【宇宙兄弟】
【おとなのけんか】
【オレンジと太陽】
【北のカナリアたち】
【希望の国】
【恋に至る病】
【恋のロンドン狂騒曲】
【最強のふたり】
【サニー 永遠の仲間たち】
【思秋期】
【贖罪】
【ジョルダーニ家の人々】
【スーパー・チューズデー 正義を売った日】
【ソハの地下水道】
【テルマエ・ロマエ】
【ハーバーテイル】
【ファミリー・ツリー】
【ぼくたちのムッシュ・ラザール】
【ポテチ】
【道 白磁の人】
【ミッドナイト・イン・パリ】
【メリダとおそろしの森】
【わたしたちの宣戦布告】

<<銀賞>>(50音順)

【アウトレイジ ビヨンド】
【映画『紙兎ロぺ』つか、夏休みラスイチってマジっすか !?】
【ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q】
【駆ける少年】
【かぞくのくに】
【キリマンジャロの雪】
【麒麟の翼 ~劇場版・新参者~】
【苦役列車】
【汚れた心】
【孤島の王】
【砂漠でサーモン・フィッシング】
【第九軍団のワシ】
【NINIFUNI】
【任侠ヘルパー】
【のぼうの城】
【はやぶさ 遥かなる帰還】
【ファウスト】
【ヘルタースケルター】
【星の旅人たち】
【ホビット 思いがけない冒険】
【マイウェイ 12,000キロの真実】
【MY HOUSE】
【屋根裏部屋のマリアたち】
【ローマ法王の休日】

<<銅賞>>(50音順)

【アフロ田中】
【ヴァンパイア】
【エイトレンジャー】
【EDEN】
【おかえり、はやぶさ】
【彼女について知ることのすべて】
【カルロス】
【桐島、部活やめるってよ】
【くろねこルーシー】
【劇場版SPEC~天~】
【最初の人間】
【さらば復讐の狼たちよ】
【東京プレイボーイクラブ】
【トガニ 幼き瞳の告発】
【虹色ほたる 永遠の夏休み】
【ふがいない僕は空を見た】
【ペンギン夫婦の作りかた】
【ももへの手紙】
【夜のとばりの物語】
【ライク・サムワン・イン・ラブ】
【ル・アーヴルの靴みがき】
【レンタネコ】

<<ドキュメンタリー大賞>>
【サイド・バイ・サイド:フィルムからデジタルシネマへ】【ピープルVSジョージ・ルーカス】【コーマン帝国】
<<ドキュメンタリー芸術大賞>>
【フラメンコ・フラメンコ】【情熱のピアニズム】
<<ドキュメンタリー特別賞>>
【鬼に訊け 宮大工 西岡常一の遺言】

<<ドキュメンタリー次点>>
【クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち】【イラン式料理本】【これは映画ではない】【ピナ・バウシュ 夢の教室】【映画と恋とウディ・アレン】【タンタンと私】【死刑弁護人】



大島渚監督が亡くなられた。

既にご高齢でご病気の話も公になっていたし、最近はメディアの表舞台にお出になる機会もめっきり減っていたので、すごく悲しいと言うよりは、ついにやってきてしまったという感じだ。大島さんのいらっしゃらない時代が。

思えば、大島監督がいらっしゃらなければ、自分はこれほど映画というメディアに信を置くこともなかったかもしれないし、良くも悪くもこれほど映画に捉われた人生を送ることもなかったかもしれない。でも映画というものに引きずられることがなければ、そもそもここまで人生を続けてこれたかどうかも分からない。

相次ぐ配給会社の倒産や老舗上映館の閉館、公開作品の不足などという明るさが全く見えてこない状況に加えて、映画業界が提供しようとするものと自分が映画に求めるものの乖離を少なからず感じるようになり始め、昨年までは映画というものに少しばかり失望しかけていたように思う。映画界のデジタル化の波も、これからいい影響ばかりを及ぼすとは限らない。
でも、例年この時期にやっているように昨年の映画を思い返してみたら、面白い映画はやっぱりちゃんと存在していて、自分が映画に求めるものの断片は、映画なるものの中のそこかしこにまだ存在しているように思われた。だったら、これからは、そんな要素を自分から探しに行かなければならない。そして、自分が必要だと思うものを少しずつ拾い集めていくより他にないのだ。映画というものが瓦解してこの世から消え失せてしまうまで。

これからは、自分が映画からもらったものを、何かの形で少しずつ映画に返していきたい。自分の力がいかに微々たるものでしかなくても、大島さんがいらっしゃらなくなったこの世の中では、そうしていくより他にないのだと思う。

今年もどうぞよろしくお願い致します。


2013年1月 うーぴー拝



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