ハイビスカス

 和名:ハイビスカス(アオイ科Malvaceaeハイビスカス(フヨウ)Hibiscus属)
 学名:Hibiscus rosa-sinensis
 別名:ブッソウゲ(仏桑花)

 ハイビスカスは常緑の低木で、5m前後まで伸び、花は大きく、長く突き出た雌しべが特徴です。ハワイ州の州花やマレーシアの国花になっていますが、原産地は中国南部からインドにかけてと言われています。現在、太平洋地域に広く分布してるのは、ポリネシア人の移動によりにより広まったとの説があります。日本でも沖縄や小笠原などが有名で、沖縄では、アカンベーとも呼ばれます。観賞用以外にも、食用品種があり、ハーブの「ローゼル」として、つぼみを乾燥させてものが、ハーブティーとして売られており、利尿、強壮に効くそうです。和名のブッソウゲ(仏桑華)は,葉がクワに似ているからとか。

・栽培の基礎知識
 園芸分類としては常緑低木で、日本では温室または室内用の鉢物として出回っています。花期は、3〜11月とされていますが、温度が確保できれば、周年開花が見られます。当然最初は鉢物を購入する事から始めますが、良い株を選ぶポイントは、蕾が多く、枝や葉の数が多い株で、葉につやがあり、害虫がついてないものを選びます。また、草丈の低すぎるものは、矮化剤を使いすぎで、その後も生育が悪いから避けるのが無難です。
 冬でも最低8℃以上が必要なので、日本で地植え出来る地域は限られますので、鉢で管理する事になります。置き場所は、熱帯の強い日ざしのもとで生育している植物ですから、夏の間は戸外の日のよく当たる所で育てます。寒さには弱いので、冬は水やりと肥料を控え、室内のなるべく暖かい明るい場所に置きます。
 水やりは、夏の間は、朝夕たっぷりと水やりします。秋になり涼しくなるにつれて水やりはだんだんと控えます。冬は水やりはほとんど止めて、乾いたときだけ、暖かい日の午前中に土が湿る程度にごく少量与えます。
 肥料は、油かすと骨粉を6対4に混ぜた練り肥えが適しており、4〜9月に1ヶ月に1回の割合で置肥します。
 根詰まりして生育が悪くなったら一回り大きな鉢に植え替えます。適期は6〜8月です。用土は小粒または中粒の赤玉土に腐葉土を30〜40%混ぜ、排水よく植えます。
 殖やし方は、挿し木が一般的で、適期は4〜7月です。枝の先端を3節程度で切り、下の葉1枚を切り落とします。葉が大きすぎる場合は、半分ぐらいに切り詰め、葉からの水分の蒸発を抑えると共に、10分程度水上げしてからパーライトなどに挿します。十分に水を与えて、半日陰で管理すると、約30日後には発根します。
 その他、管理としては、伸びすぎた枝は短く切り戻して、新しい枝を再生させます。ただし、春から伸びだした新梢に花を咲かせるので、春から秋までの剪定は必要ありません。また、花は次々と咲きますから、花がらはまめに摘み取ります。
 病虫害としては、ハダニやアブラムシが付きやすいので、見つけ次第、農薬をかけて駆除しましょう。

・種類
 交配によって品種改良が盛んに行われ、花色は赤、ピンク、紅、黄、オレンジ、白など多彩で、その品種は、3000〜5000ともいわれていますが、正確な数はよくわかっていません。しかし、実際には400品種ぐらいが良く見られ、日本では暖房室内の栽培のため、わずかな品種しか見られないのが実情です。 良く知られている品種を大別すると3系統あり「オールドタイプ系」、「ハワイアン系」、「ヨーロッパ系」で、最も有名な品種群は「ハワイアン系」です。従来種の「オールドタイプ系」が、小輪〜中輪系の花を次々多く咲かせるのが特徴なのに対し、「ハワイアン系」花色も多く大輪系の豪華な花が咲きます。「ヨーロッパ系」は、小輪のミニハイビスカスで、花つきが良く、比較的低温にもよく耐えるので、人気があります。

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2000/11/06 8:55:10