詩の同人:「ロゼッタ」


  同人募集は、締め切りました。今後は、会員による被推薦者を
若干名のみ、受け付けます。


設立主旨:VER.3

「あたらしいリアリズムを探す」


詩にとって、何かがリアル(現実的)である、

ということはどう言うことなのでしょうか?

この問題に、私が傾斜したのは、2000年以降、朗読会へ

足を運ぶようになってからでした。

*

私がリアルと信じて構成した世界が、しかし、他者にとってもリアルなもの

で在りうるのかどうかということは、以前の私にとっては、

比較的どうでも良いことだったのでした。

ですが、誰かが私に耳を傾けている、と言う状況で、私の詩を、私が読む、

という行為は、その詩を構成する言葉が、はたして、その聞き手の人生にとって、

意味のある言葉なのか、すなわちその人にとっても、この詩はまた、

リアル(現実的)なものなのか、それともこれは、絵空事に過ぎないのか、

と言った問題を顕在化させます。

*

ですが、問題はそういうことではないのではないか、と

私は最近、考えるに至りました。

どんな詩でも、詩は人間が書くものであり、

人間にはそれぞれの「顔」が在るのだ、

ということを私は最近考えます。

私の作品が私の「顔」を刻印している限りに於いて、

それは、どんなに少数の感性にしか届かなかったとしても、

やはり、リアルな現実を反映しているはずなのです。

私に足りなかったもの、それは私の個人的人生ではなく、

一つには、リアルであるための、技術ではなかったか、

と、私は思うのです。

また、一つには、「他者」ではなかったか、と。

*

かつて、リアリズムとは、他者の現実をそのまま、誇張して

描くことでした。

あるいは、個人の深層心理を探ることによって、直接的に

集合的無意識を表出しようとするものでした。

私たちは、すでにこれらの手法に、深い関心をもてません。

*

それでは、現在、他者への通路として有効なリアリズムとは、

いったいどういうものなのでしょうか。

芸術が現実的であろうとするための、私たちの技術的工夫、

それはまだ、どのようなものか、片鱗もうかがうことはできません。

それをこれから、「他者」とともに、試みていきたい、と私は思います。

*

「私が今、死ぬとしても、死ぬのは私であって、これを読んでいる

あなたではない」と書いて死んだ思想家がいました。

今まさに、私によって書かれているこの文章が、途中で消失すること。

それは、たぶん一部の読者にとっては、何事かの事件でありうるでしょう。

しかし、そうであったとしても、なおかつ、死ぬのは私であって、私の側の

「世界」が停止しても、そちら側の世界は動きつづけるのです。

たしかに世界にはそのような断絶があり、不幸はつねに個人的な営みで

あると言えるでしょう。

ですが、それを乗り越えることをこそ、私は目指していたのではなかったか。

最近私は、そのように思うのです。

そして、乗り越えるための技術的な発見、すなわち「新しいリアリズム」の

発見が、もし在り得るとするならば、それはおそらく、個人的な作業を越えた、

複眼的な作業による、世界の把握によって生じるのではないか、と思います。

*

これが現実である、という物に立脚した、

私たち、ひとりひとりの表現を追求し、

ひとりひとりの不幸や幸福を、

相互に痛みを感じるようなリアルな形式で

共有したい。

そのような、爪あとのようにして残された

表現を、一つの書物の中に記録したい。

そのことによって、

細分化し、膨大な情報の海に身を潜めた「世界」を

再構成したい。

 

そのように考えて、私は同人誌を作ろうと思います。



*

***

*



  参加資格: 詩歴、経歴不問。匿名参加あり。 年一回の参加ですので、お気軽に他団体と掛け持ちしてください。
年会費: 一人当たり年間2000円を予定しておきます。 詳細は、メンバーが揃った次点で、規約を作成します。
  同人誌: 簡易製本(手作り)の同人誌を年一回程度出します。 ページ数は8ページ。内容は自由。 版下(ゲラ)までは各自、自分のパソコンで作成します。 絵や写真を使ってもかまいません。
  交流: 東京ポエケット参加を目指します。 東京ポエケットは、年一回開催されている詩の同人誌の交流・即売会です。 2003年は6月15日に参加申し込みを締め切り、7月10頃、 両国の江戸博の一室で開催されました。 参加経費は、2003年は一団体2000円でした。 次回の詳細はまだ発表されていません。
  合評: 未定。  
WEB: 宣伝活動と、他誌との交流。  
事務局: 東京に設置して、私が管理します。     *********************   ボルカの詩のページ