2005/5/25

日本代表対ルーマニア代表


23対16
トライ数2対1

試合を決めたのは五郎丸歩。
早稲田の時から感じていたが、彼には何か不思議な力がある。1年生(今は2年)とは思えないふてぶてしい面構え。それはメンタル面での強さを表している。残り5分、16対16の同点トライ数もG数も同じ。引き分けの場合、決勝進出はどういう決め方になるのだろう?それだけがやたらに気になって仕方がなかった。
(本当にあのままのスコアで引き分けで終わった場合、どういう風に決勝進出チームが決まったのだろうか?教えてくださいラグビー協会?? まさか抽選??)

その大事な場面での五郎丸投入。
まさに試合を決めたスーパーサブだった。ルーマニアの上げたハイパン。厳しいプレッシャーのなか、初めてのボールタッチ。彼はやすやすと軽くジャンプしながらキャッチ。タックルにきた選手をするりと交わしながら、自分の前にスペースを見つけると迷うことなくストレートラン。

15mほどゲインしただろうか。捕まるとすぐにジャパン側にボールをきれいに置きラック、しっかりサポートした大畑から元木に繋ぐ。元木が箕内にこれまた軽いながらも絶妙のパス。箕内がポイントを作り、後藤から森田、そして小野澤がうなぎ走りでタッチライン際を相手のタックルを交わしながら大きくゲイン、最後は内の大畑にこれも正確なパス。この時点で大畑が相手をスピードで追い越し、独走となってゴールポスト裏まで回りこみトライ。見事なカウンターアタックだった。

もちろん、小野澤の走りと大畑の再三のサポートとスピードがなければ産まれなかったトライには違いない。
しかし私はこの恐れを知らない若武者、五郎丸にジャパンラグビーの将来を託したい、と思ったのだ。

ジャパンは事件の影響もあってか、声を出す人間も少なくおとなしい戦い振り。勝たなければならない、この試合に負ければジャパンラグビーの未来が消える。そんな思いが首脳陣、選手ともあったに違いない。
安全に安全にひたすら負けないようなラグビー。

消極的に見える歯がゆいラグビーだった。SO森田のキックもタッチに出したいのか、それとも相手に取らせてそのボールを奪ってアタックに移りたいのか解らない微妙な位置へのキック。ただ、ディフェンスはしっかりしていたが。アタックが上手く機能しない。最終的に勝敗の行方はどちらに転がりこむのか、まったく見当のつかない試合状況だった。

試合後のインタビューで「選手を信じてください、頑張ります!!」と語った萩本監督の声はまさに悲痛の叫びだった。
しかし、これで終わったわけではない。日曜日の決勝戦ではパスをワイドに展開し、グラウンドを大きく使い、15人全員が走りまわり、カナダ選手を徹底的に疲弊させるようなもっと積極的なラグビーをして、最終的に勝利を手中する事。
これが今回の最終命題で、問題点、課題はまだまだ山ほどある。
その課題点が決勝戦では克服され、ジャパンのあるべき姿が存分に発揮される事を信じたい。
とりあえず、絶対に負けられない戦いに勝利した事。今日は素直にこのことだけを喜びたいと思う。

(しかし引き分けだったらどうなっていたのかなあ、協会に聞いてみようっと・・・・・・)

MAIN