1998/1/24
新日鉄釜石 VS セコム
【東日本社会人リーグ入れ替え戦】

新日鉄釜石8-5 セ コ ム 
26-8
341T113
41
0G0
30
1PG0
01
0DG0
00




かつての王者新日鉄釜石が二部転落の危機か? という入れ替え戦第二試合。
吹きっさらしの江戸川のバックスタンドの寒さは雪の残る国立競技場以上でした。陽も当たらなくなる二試合目になると、とても座ったまま見ていられず、立って体を動かしながらの観戦となりました。

前半3分、まずは中央40mの難しいPGを決めて釜石が先制。
釜石はさすがに合宿を組んでこの試合に備えたというだけあって、動きが良く、全員が走りまくります。ただこのところの黒星続きで勝ち方を忘れてしまったのか、肝心の詰めが甘く、なかなか点になりません。それでもようやく30分に、セコムの22mライン付近でモールを押し込み、右ウィングが走り込んで初のトライを奪います。一方のセコムも33分にセンター村松選手がするするとステップで相手を交わしてゴール前に攻め込むと、最後はWTBの笠井選手がゴール左に飛び込みます。それまで厳しい防御をしていたにもかかわらず、結構あっけなくトライを奪われるところなどは、今シーズンの釜石の不振を物語ってるようでした。

後半に入って5分、セコムは釜石のハンドで得た中央20mのPGを決めて同点にします。
12分、追い付かれた釜石はセコムゴール前で得たペナルティをすぐに左に展開。FBの真野選手が左隅にトライ。このあたりで徐々に試合の流れは釜石に。16分にはハーフウェイライン付近から左オープンにボールを回すと、WTBの藤井邦選手が抜けてそのまま左中間にトライを奪い、22-8とします。勢いづいた釜石は26分にもセコムゴール前での連続攻撃から最後はモールを押し込み、フランカーの藤井洋選手がトライ。ゴールも決まり、29-8と安全圏に。セコムも34分にNO8望月選手がトライを返しますが、時すでに遅し。終了間際には、この試合のために故郷にも帰らず釜石を引っ張ってきたというカレオパ主将がトライを挙げてノーサイド。釜石が何とか一部残留を決めました。

セコムはフランカーの7番(だれ?)を攻守の軸にした戦法。
後半、彼がマークされてからは攻撃が単調になっていたようです。チームとしての動きはまずまずですが、やや小粒という感じは否めませんでした。

釜石も勝利こそ治めたものの、やはり往年の盤石のプレー振りには程遠いという印象。
外にWTBが一人余っているのにわざわざ内に切れ込んだり、人数が4対3なのだから、一人ずつつぶしていけば良いところを早くWTBへ回しすぎたり、バックスから内のフォワードへ返すパスを再三スローフォワードに取られたりとチグハグなプレーが目立ちました。今日の勝利は、この試合に賭ける意気込みがセコムを上回っていたというところでしょうか。ただ、ミスこそ多かったものの、15人が最後まで気を抜かずに走り回る姿は、見てて非常に好感が持てました。これでもう少しプレーの精度を上げれば、上位も狙えそうな気がするのですが・・・。

セコムのファンには悪いですが、一世を風靡した新日鉄釜石が何とか一部に踏みとどまってくれた、という事実を素直に喜びたい気がします。

それにしても、ある意味ではお互いのチームとも崖っ淵での戦いと言える今日の二試合。
スタンドの時計も小さくて見づらく、メンバーの名前さえも表示されない(お陰でメンバー表が書けませんでした・・・)江戸川競技場などではなく、秩父宮でやらせてあげたいと思ったのは私だけでしょうか?最近は全く緊張感のかけらも感じられなくなった『オール早慶明』こそ、ここでやれば良いのに、と思ってしまいました。
Main