1997/12/27
トヨタ自動車 VS N E C
【全国社会人大会トーナメント一回戦】






ト ヨ タ
17-3
N E C
15-7
32
2
T
0
10
2
1
2
G
0
1
1
1
PG
1
0
0
0
DG
0
1
0

木村(大体大)
FW
太田(明 大)
中島(京産大)
西原(明 大)
高橋(大体大)
前野(秋田中央高)
椎村(龍谷大)
青木(明 大)
金城(大体大) 
角田(日体大)
石井(三好高)
大東(専修大)
上野(大体大)
菅田(日体大)
バシャロ(ナドロガ高)
バリー(オークランド大)
大原(大体大)
HB
野田(近 大)
広瀬(京産大)
片倉(近 大)
ツイドラキ(セントポール大)
TB
関根(日体大)
大藪(龍谷大)
川合(玉川大)
勝野()
カーワン(セラ大)
仙波(関東学大)
工藤(佐賀工)
曽我部(立命館大)
FB
高岩(明 大)



満島、仙波という大型ルーキーも加入して、関西リーグでは神戸製鋼と互角の戦いを演じ、久し振りの優勝も視野に入れているトヨタ自動車。対するNECはカーワンを如何に上手く使って試合の主導権を握るか、というあたりがこの試合の見どころでした。

前半6分、自陣から回してツイドラキ選手が突破、右展開して仙波選手のところでモールとなりフォワードが突進。最後は右サイドを石井選手が抜けてインゴールに。広瀬選手のゴールキックも決まり7−0とトヨタがリードします。この後はお互いのディフェンス力がアタックを上回り、なかなか決定的なチャンスを作れません。互いにPGを一本ずつ決めた後、30分にトヨタはサインプレーから一気に押し込んで金城選手がトライ。17−3のトヨタリードで折り返します。
後半10分前後NECも何度かチャンスを迎えますが決定力がなく、トライを奪えません。13分に真正面のペナルティを得ますが、このキックをSOの片倉選手が外し、点になりません。逆にトヨタは素早いリスタートでサイドを続けて突いて、最後は左WTBのツイドラキ選手が左隅にトライ。点差を広げます。ようやく24分にNECは右オープンから繋ぎモールを形成、SHがパス相手を探している間にぽっかりと空いた真後ろのスペースにそのまま走り込み中央に初のトライを奪います。この後もNECは攻め続けますが、カーワン一辺倒の攻撃では後が続かず、反則を奪うのが精一杯。そのイージーなPGを片倉選手が外すようでは万事休す。結局、34分にDG、ロスタイムにもトライを奪われ、32−10でトヨタが勝利を治めました。
全体的にお互いのディフェンスも良かったのでしょうが、ボールが奇麗に展開する場面が少なく、見ている方にとっては退屈な試合でした。

今シーズンまずますの戦いをしてきたNECですが結局最後はカーワン頼み。もう一段ステップアップするためには、今日のように彼が徹底的にマークされた時の新たな攻撃の手段を持つことが不可欠でしょう。今日は岡野選手に代えて負傷の癒えた片倉選手を投入しましたが、まだ岡野選手のダイナマイトキックを軸にした方が面白かったかもしれません。

勝ったトヨタ自動車。NZ帰りの広瀬選手に注目していましたが結局ハイパントと陣地を稼ぐキックが多く、依然との違いはそれほど感じられません。彼のスタイルなのでしょうがジャパンのSOとして見ると非常に物足りません。他の選手ではルーキーの仙波選手が強さ・スピードとも噂に違わぬ力を見せてくれました。
全体的にディフェンスはかなりしっかりした印象ですが、攻撃のオプションがやや少ないような気がします。

準決勝のサントリー戦はスタイルも似ており、互角に近い戦いを挑めそうですが、厳しい東日本で揉まれたサントリーの方がやや優勢。ディフェンスがどこまで頑張れるかが勝敗の分かれ目となりそうです。
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