■オビツ60ヘッドカスタム講座■

<実践編>

説明写真を取るのが大変で放置気味になってましたが、一部写真付きって形で公開しておきます。後日写真は追加できる箇所には追加していく方向で……(^_^;)

*写真をクリックすると大きめの画像を見ることが出来ます。



■アタリとり

まずはヘッド全体をMr.カラーシンナーでサッと拭い油分を除去したあと、リアルタッチマーカーを使ってアタリ&下書きをします。今回は口をそのまま使うので、あくまでアイホールの形状バランス取りに。 大事なのは、あくまで『アイホールの形』である、という事です。目の形は睫毛等の塗装をした全体で整えます。
ガイドラインを引いたりノギスで測ったりする律儀な人も多いですが、私は下書きに手間をかけるとどうも途中で飽きちゃうタイプなので、目測で描いちゃいます。元のヘッドパーツ自体歪んでますし、数値より見ておかしくないかが重要ですしー(と、言い訳)。
オビツヘッドに限って個人的感想を言うと、口元は3番がネコ口っぽくて良い感じ。全体の形状は後発の5番が良い様に思います。個体差かも知れませんが5番は肉厚でもあるので口削ったりするにもいいかもデス。


2■テーピング

顔の出っ張った部分にマスキングテープを貼り、ルーター等で傷つくのを防ぎます。普通の人はこんな事しなくても大丈夫かも……。手の脂を付けない、すべりにくくする目的もあります。


3■アイホール開け・その1(ピンバイス)

下書きで引いた輪郭線の内側に、連続してピンバイスで穴を開けていきます。穴と穴は間隔が開いちゃって構いません。くっつけ過ぎると穴開けが難しくなりますからね。また線の内側ギリギリでは無く、数o余裕を持った方がいいと思います。私は目のモールドの縁に沿って開けました。やってみると意外と簡単だと思います。



4■アイホール開け・その2(デザインナイフ)

ピンバイスで開けた穴と穴を繋ぐように、デザインナイフで切り込んでいきます。いきなりデザインナイフで切っちゃう人もいるでしょうが、手がすべったら怖いのでミニ四駆のボディの改造と同じ手順を踏みました(笑)
切り込みを繋いで一週すれば、周りがギザギザながらも穴が開く事になります。



■アイホール開け・その3(デザインナイフ・ルーター)

アイホール周辺のギザギザをデザインナイフやルーターで削ぎ、下書きのラインに合わせて整形します。ソフビは結構簡単に切れるので慎重に。棒ヤスリ等使うのも良いでしょう。私はデザインナイフで整形まで全てやって、ルーターは表面を砥石で慣す感じで仕上げてます。



6■アイホール厚みの調整

5で目の穴の形を整えても、そのままでは肉厚過ぎてアイを填めようとしてもまず噛み合わないので、アイホールの裏側を削って顔の表面とアイがしっくり来るように調整します。沙都子の時はデザインナイフで肉厚を削いでから微調整にべべラーを使う手順で作業したのですが、結構長丁場で大変でした。削りすぎてしまった場合、ソフビじゃ修正が効かないのでナイフだとかなり気疲れしますし……。という事で、レナからはアイベベラーをメインに使うようにしました。電動ルーターの先端に取り付けて使う人が多いと思いますが、私は電動ルーターの扱いに長けていないので、Vカラーシンナーをべべラーにまぶし手でゴリゴリとやります。 これが感動するほどラクチンで、もーホントおすすめです。Vカラーシンナーでソフビが溶けるので、面白いように掘れていきます。力の強い人は貫通しかねないので気をつけて下さい。また、溶けたソフビがリンゴの皮の様に繋がって伸びていきますが、完全に固まる前にナイフ等で削り取った方が後々楽ですヨ。
作業が進みホールとべべラーの球ヤスリとの段差が無くなったら、実際にアイを填めて確かめましょう。 この時はVカラーシンナー分が完全に揮発し、パーツが乾いているのを確認してからやらないとアイを痛めますので注意。カポッと綺麗にはまると結構カイカンです(笑)



7■アイホール仕上げ

アイホールの形状も整い、アイも綺麗に填るようになった時点で、削ったパーツの縁に綿棒に染みこませたアクリサンデーを塗り、細かな毛羽立ちを抑えます。断面のツヤが消えてしっとりするのが解ると思います。Vカラーシンナーでも同様の事は出来ますが、こちらは溶けすぎてテラテラと光り、表面の梨時を侵すので向いてないかと。(表面がテカテカになってもつや消しクリアでフォローは効くので大丈夫ですが)
オビツ5番ヘッドの頬のでっぱりが気になるんで、ここで私はスポンジペーパーを使って少々頬を削ってます。好みでどうぞ。



8■睫毛・眉毛の下書き

形が整ったトコロで塗装に入ります。まずは開いたアイホール基準で、睫毛やマユを描きます。下書きなのでリアルタッチイエロー1を使ってます。睫毛は穴の周辺に描けばいいので比較的描きやすいと思いますが、マユは結構難しいですよねー。というか私はかなりニガ手です。紙に絵を描くのと違い曲面に線を引くわけですしね。沙都子の場合はマユの角度等かなり悩んだ末、幅広のマスキングテープをヘッドに貼り、その上に眉毛を描いて、角度を決めてからマユの上部のマスキングテープを切除し、定規代わりにして面相筆を寝かせて描きました。リアルタッチマーカーの場合は失敗しても「ぼかしペン」で簡単に線が消せるので、はみ出し気味にドバッと塗ってから、その後ぼかしペンでエッジを出すように塗料をこそぎ落としてラインを出すと綺麗に仕上がります。このあたり、TVゲームのドッター時代の描き方と同じ手法です。
あ、あと口等はテキトーに。口の形状は大抵溝が既に出来てるので、色を流し込んでからシンナーで口元を拭って仕上げちゃいます。



清書・その1

形状の整った下書きの上に、リアルタッチブラウン1で清書をしていきます。多少下書きがはみ出た方が手作り感があっていいかもー、くらいの楽な気分でやった方がいいと思います。楽しい事してるハズですから!(笑)
眉毛については、このブラウン1でフィニッシュしちゃう事が多いです。沙都子の時はさすがに濃すぎだろ!とか塗った後に思ったんで……(笑) SD等で毛並みのごとく縦に一本一本入れていく塗りもあるでしょうが、私はあくまでアニメ・マンガ塗りという事で省略してます。べ、別に手抜きじゃないんだからねっ!(CV釘宮)



10■清書・その2
睫毛など、顔の中で強調したい部分はグレー3で色を濃く、ハッキリとさせています。個人的感覚では、睫毛が目立たない顔はキモ怖くなる事が多いです(加えてアイホールのフチに厚みなんてあった日には……)。元のヘッドの形状と元絵の形の誤差もあるので、特長が明確になるよう、私はワザとらしくなる位のイキオイで描いちゃいます。
あと、頬のテレ線もここで描いておきます。パステルメイクした後だと、失敗した時に修正しづらいですヨ! オビツヘッドは頬が膨らんでいる分表面積が広いので、気持ち大きめに描いて間延びを抑えてます。


11■クリア吹き・その1

睫毛と眉毛の塗装面を保護する為、一度Mr.クリアでスーパーコートします。この後のパステルの載りを良くするため、ここでは遠間から吹いて表面を梨時にします。最近は「ネコの手」などのクリップが売られているので、後頭部をクリップで挟み、手持ちでスプレーしてます。この時は片手を伸ばして、1メートル近く離して吹いてます。 サーッと1秒程度で横切らせる感じで。吹き始めと吹き終わりではパーツに塗料を当てない、ってのはお約束ですネ。
あと湿気とホコリは大敵ですので、吹いた後には安全な場所で乾かしましょう。私は吹いた直後に雨に降られてパーツが真っ白に曇ったことが何度もあります(笑)



12■パステルメイク

パステルはボークス造型村の基本セットを使ってます。といってもリアル顔を作るわけじゃ無いんで、オレンジとピンクの2色程度しか使ってません。アゴの裏やマユの下、目尻等にオレンジで陰を付け、ピンクで頬と耳たぶに赤みを入れています。鼻は目立たせたく無いのであまり陰は入れてません。スポンジブラシで擦ってうっすらと色がついてるなー、くらいに馴染ませる感じでやってます。付けすぎた場合はメラミンスポンジで擦ると簡単に落ちるので気に入るまで時間をかけて作業しましょう。



13■クリア吹き・その2

パステルメイクを保護する意味でのクリア吹きです。ヘッド自体はほぼ完成となるので、3〜4度の重ね吹きをして仕上げちゃいましょう。ツヤ消しを吹く以上、色調は多少抑え気味に変化します。パステル等が目立たないなぁ、って場合は12の手順をもう一度。スプレーを吹く際は、遠距離で吹けばすりガラス状になり塗装が曇りがちに、近距離で垂れるくらいに吹けばテカテカになります。好みの吹き具合を自分なりに見つけてください。 私は噴霧状に軽く吹き塗装面を保護、その後は一度しっとりと全体が濡れてる程度に吹いてます。
その後は3度程、片腕分の距離から吹き表面を整えて完成。 パステルの上にラッカー系のクリアを吹いて大丈夫?って話もありますが、この吹き方で塗料が溶け出したりした事はありません。何事も程度問題でしょうか(^_^;)



14■アイホルダー取り付け

アイホルダーでのドールアイの取り付け・交換が容易なのはオビツヘッドの良い点です。ただ、このホルダー自体の取り付けが結構難しいです。とはいえサイトにある取り付け方の手順通りにやれば大丈夫かと思いますので、そちらを参考に取り付けて下さい。 注意点としては、ゼリー状接着剤のスーパー液の出が良すぎる場合が多いので、仮ハメしているアイにスーパー液が付かない様にしましょう。私はアイを一個それでダメにしちゃいましたOTL



15■完成

できあがり〜。ウィッグの取り付け方は説明するまでも無いでしょう。私は扱いが楽で、手串でセットも簡単なボアウィッグを愛用してます。植毛じゃ難しいアニメキャラ的なツンツン髪もなんとなく再現可能!弄るうちに毛がどんどん抜けていくのが難点ですが……ウィッグは消耗品と割り切って使い倒しましょう。



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