2019.06.06
お断り |
このコーナーは「推薦する本」というタイトルであるが、推薦する本にこだわらず、推薦しない本についても駄文を書いている。そして書いているのは本のあらすじとか読書感想文ではなく、私がその本を読んだことによって、何を考えたかとか何をしたとかいうことである。読んだ本はそのきっかけにすぎない。だからとりあげた本の内容について知りたいという方には不向きだ。
よってここで取り上げた本そのものについてのコメントはご遠慮する。
ぜひ私が感じたこと、私が考えたことについてコメントいただきたい。
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書名 | 著者 | ★出版社★ | ISBN | 初版 | ★価格★ |
明治維新の大嘘 | 三橋貴明 | 経営科学出版 | 9784905319320 | 2019/03/05 | 1980円 |
私が中学のとき、明治維新とは江戸時代の悪逆な体制を国を憂いる若者たちが命懸けで倒し、将軍や大名を追い払い、身分の低い人たちが新政府を作ったのだ。そのおかげで四民平等・移動の自由・職業の自由になったのだと習った。まさに江戸時代は暗黒で、明治維新は日の出のようである。
いや、学校を出てからでも、私たちはそんなことを毎日毎日インプットされ、洗脳されている。
嘘じゃありません。
テレビをつけると水戸黄門が悪代官を懲らしめ、NHK大河ドラマは同じ侍でも身分の違いでものすごく差別されている。
まあ現代の刑事ドラマでも毎週殺人事件が起き、番組最後のCMまでにすべて解決する。しかし実際には14%は迷宮入りだし、いやいやそもそもテレビドラマほど日本で殺人事件が起きているわけではない。

私たちは現代の社会情勢を知っているから、現代もののテレビドラマを観てもそれが架空のお話だと判断するが、江戸時代のドラマが真実なのか嘘なのかは学校で習ったことだけでは判断できない。
居間で見る時代劇ではお歯黒をしないから、現代と同じような歯だと思うだろう。
■ 代官
はたして代官は山吹色のお菓子をもらい「おぬしも悪よのう〜」なんて酒を飲んでいたのだろうか?
真実の代官は厳しく監視され、背任行為はもちろん、飢饉が起きたら責任を問われ、それどころか領地の人口が減れば責任問題となった。誤解されているかもしれないが、代官は領主の代理者として良い政治を行うことが求められていて、現代の市長や知事と使命も業務も価値観も変らない。飢饉や疫病や一揆が、いや犯罪が起きたら、すべて代官の責任なのだ。
だから代官は皆必死に開墾や農地改良をし、飢饉に備え、災害が起きたら人命救助・復興に努め、親孝行の子供を顕彰するなど良き行政に努めた。千葉県の神社には江戸時代の代官が親孝行の息子・娘を顕彰した碑がいくつも見られる。
江戸時代を通して罷免された幕府の代官は2名だったと書いてある本もある。確かに悪い代官もいたのは事実だが、その大多数は現在の小中学校の先生よりはるかに品行方正だったことは間違いない。

CF.
江戸時代
■ 身分
司馬遼太郎を読むと、坂本龍馬は金持ちではあったけど身分が低くいじめられたとある。それを武田鉄矢がマンガにして、新選組は暴力団、志士は光り輝く真の武士だと子供たちを洗脳した。
ちょっと待て、実際には新選組は何人殺したのだろうか
?
■ 治安
史実では新選組が存在した6年間に殺害した志士は
26名だった。ついでにいうと、勤王派で後世人斬り以蔵と呼ばれた岡田以蔵は、一人で10人以上40人以下を暗殺した。(正しい数字は誰も知らない)
渡部昇一の本に「戊辰戦争後に官軍はかっての同志を切られた恨みから新選組を追い詰めた」とあるが、渡辺先生不勉強です。新選組はそんなに志士を切っていません。新選組に切られた志士よりも、仲間割れで殺し合った志士の方がはるかに多い。そしてまた、新選組にしても、殺した志士よりも、新選組の内部抗争で殺されたほうが多いのです。
そして忘れちゃいけないのは、当時
新選組は合法な警察組織であり、
勤王の志士たちは非合法の反社会団体だった。まあ反体制派なのだから当然だけど、
そもそも坂本龍馬はなんでお金があったのか?

海援隊が運送業をしていたからではない。実家が金持ちといっても、蒸気船を始め多くの船を買えるほど金持ちじゃない。
彼は西欧から武器を輸入し日本国内に転売していた
死の商人だった。竜馬自身は手を汚していないかもしれないが、彼の行いの結果死んだ人は新選組が殺した人の数倍・数十倍になるだろう。
注記: |
海援隊の旗印を会社のシンボルマークにしている携帯電話会社があるが、あれは死の商人を讃えているのか? それとも単なる無知なのか?
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江戸時代身分制度はあったのは事実だし、大名になった農民もいなかったのも事実。しかし奉行所の同心なら金でなれた。勝海舟も坂本龍馬も親の代にお金で侍になった。おっと龍馬は下級武士だが、勝海舟は下級武士ではなく将軍にお目見えできる旗本だ。金の力は偉大である。
それどころか河村瑞賢は貧農の出だけど、お金じゃなくて己の才覚で旗本になった。
代官所の侍となると、ほとんどが農民の次男・三男だった。背景には、江戸時代の農村の百姓であっても読み書きソロバンができたということがあるのだろう。
海舟も金で旗本になったが、アホだったら奉行になれなかったのはもちろんだ。どの世界でも優秀でなければ生きていけない。徳川家重は痴呆だとか言われているが、将軍は政治に関わらなかったからそれでも良かったと渡部昇一は書いている。実務者である奉行や代官は優秀でなければならず、ミスをすれば切腹・お家断絶という恐れもあるのだ。
戊辰戦争頃になると鎧兜、武器をそろえたら武士にすると言った貧乏な藩もある。こうなると身分というよりも職業に近くなる。
男だけでなく、女性も武士と結婚するには別の武士の養女になって婚姻するというのは常套手段だった。将軍の側室にはいくら美人でも町娘をというわけにはいかない。だけど心配ご無用!旗本どころか老中クラスが養女にして将軍にご用意するなんてことはお茶のさいさいでした(水野忠邦など)。
■ 第二次世界大戦のウソ
明治維新より時代が下った太平洋戦争になると、日本は負けて日本人は自由と正義を得たというまさにテンプレ(型紙)としかいいようがない本やテレビや小説も多い。
するとなんだ、明治維新になってもまだ真っ暗闇で、アメリカに負けてから日本は明るくなったのか? なんだかつじつまが合わないぞ!
その他にも不思議だ、おかしいと思ったことはたくさんある。

先ほどの水戸黄門だが、初期から中期にかけてのお話では必ず人が殺される。切り捨て御免は広く行われていたように描かれているが、本当だろうか?
仇討も同じ、一つの藩では江戸時代を通して、仇討が1件くらいしかなかったと書いてあった本もある。
銭形平次では毎回人が殺される、江戸時代はそれほど無法だったのか? じゃあ人口が減ったよね。えっ、江戸時代は大幅に人口が増加していたのですか!
面白いことにNHK大河ドラマでは、主人公が常に正義だ。新選組が正義の時もあり、志士が正義の時もあり、西郷が正義のときも、容保が正義の……
陸軍は悪かったけど、海軍は良かったのだ! 乃木将軍はアホで児玉源太郎は良かった。
戦争に負けるまで秘密警察は悪い人をどんどんと捕まえて拷問にかけ殺しちゃったら闇に葬る……そんなことをしていたらしい。本当だろうか?
反政府主義者を拷問にかけて殺したというと、関東大震災のときアナーキストの大杉など3名を殺した甘粕事件が例に出される。しかし甘粕以外の事例が出てこない。それも不思議なこと…
まあ、そんなことは誰でも疑問に思っただろう。
えっ、疑問に思わない人は洗脳されてますよ! 戦後民主主義っていう悪しき宗教に
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以前家内と一緒に四国
に行って桂浜で竜馬に
会いました
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■ ウソがばれた
ところでここ最近、「戦後民主主義は嘘だった」、「江戸時代は暗黒時代だったというのは嘘だ」、「明治維新は大革命ではなかった」とかそういったことを叫ぶ人、本を書く人がどんどん現れている。
坂本龍馬は明治でも大正でも昭和でも有名じゃなかった。1970年に司馬遼太郎のNHK大河ドラマ「竜馬がいく」で有名になっただけ、本当は聖人君子でなくテロリストだった。いやテロリストの元締めか…
司馬遼太郎が能無しだと書いた乃木将軍は、実はアホではなく人格者だっただけでなく優れた指揮官だった。日本海海戦の功績者は秋山之好じゃなく東郷平八郎だった。乃木も東郷も岩崎弥太郎も坂本龍馬も、真実は司馬の小説の中にはない。
明治維新が素晴らしいと思わせたのはNHK大河ドラマと司馬遼太郎だ、そんなことを語る本や講演が多くなった。
■ 戦後民主主義のウソ
同じようなことに第二次世界大戦で日本が負けたから素晴らしい国になったとか、日本は民主化されたから発展できたというレトリックも最近は否定されつつある。三橋貴明もそう語る一人である。
革命に限らず、為政者は前の為政者を否定するのは常である。だから明治の政治家は江戸時代を貶した、アメリカ(GHQ)は戦前を貶した、民主党は自民党を貶し自民党は民主党を否定する、それは人間の性というものだろう。
だがそのすべてが真実でないわけでもない。過去と現在を虚心坦懐に比較し、未来へ反映することは大事なことだ。日教組の支配する学校教育、偏向報道のNHK大河ドラマ、朝日新聞の自虐史観、司馬史観に囚われていると、グローバル化の進んだ激動の時代を生きていくことはできない。まずはこの本を読めば、真実は何かという旅のスタートになるだろう。
■ 司馬史観のウソ
私個人のことを申せば、20代から30代にかけて司馬遼太郎の本をすべて読み、司馬史観に染まっていた。しかしもっと知りたいと原資料をたどると「あれ!おかしいぞ」というものに多々ぶつかり、司馬史観の熱病から覚めた。
そして彼の私生活を知ってからは軽蔑しかない。
司馬遼太郎は人間の屑だ。
糟糠の妻を捨てるなど人間じゃねえ〜
司馬遼太郎は優れたエンターティナーではあるが、歴史家ではないし真実を書いているわけではない。それどころか大げさに書いたり創作を入れたり都合の悪いことは書かなかったり自由自在であり、それは小説やテレビドラマなら当然の所作である。
司馬遼太郎がいう「明治という国家」は彼の脳内にだけ存在する。彼の語る日本の歴史は、現実の日本の歴史ではないのだ。
 | ダメ・ゼッタイ 白い粉と 司馬史観 |  |

だが世の中には司馬史観を真実と信じている人たちが多い。特にNHK大河ドラマを見たシニア世代は予後不良で治らない。なにせ司馬遼太郎を読んで日本の歴史を学ぼうという人さえいるのだ。

CF.
「日露戦争と「菊と刀」―歴史を見る新しい視点」
まだ頭が柔軟な人たちが、日本を、つまり自分たちのことを考えて欲しいと願う。
この本の副題が
「司馬遼太郎の日本史の罠」というのは十分理解できる。

本日の総括
この本を読んで明治維新は大嘘だったのだと信じる人は騙されやすい人です。この本は明治維新が大嘘だといっているだけではありません。
見聞きすることすべてについて、騙されないように考えなさいと言っているのです。
テレビを見たり新聞を読んで、すぐに「おお
!そうか」なんて簡単に納得してはいけません。良く考えて騙されない人にならなければなりません。
騙されないためには注意力と論理的に考えることが必要です。
ではあなたが騙されやすいかどうか、軽くテストをします。
正しいか、間違いか、どうでしょう?
- 第二次大戦が終わってからは日本は平和だった?
■答えは?
大嘘です。PKO派遣する前から日本は過去70年、何度も戦争に巻き込まれてきました。もちろん戦死者(殉職者)も出ています。
憲法9条があれば戦争にならないとか、PKO関連法を戦争法と呼ぶのは嘘です。
- 沖縄でアメリカ軍関係者による強姦は非常に多い?
■答えは?
「非常に」というのをどう解釈するかですが、そもそも沖縄県の強姦事件(現在は強制性交罪という)に占めるアメリカ兵の強姦はどうなのかということがあります。
沖縄県の沖縄県人による強姦は年76件、人口1万人当たり0.53件です。一方、アメリカ兵による強姦事件は1972〜2014年の43年間に129件でしたから年3件です。なんと沖縄県人による強姦事件はアメリカ兵によるものの25倍になる。
アメリカ兵による事件に文句を言う前に、沖縄県知事は沖縄県民の倫理向上、防犯対策が必要です。
・最近の沖縄の強姦事件発生はもっとひどいことになっています。
強制性交事件でみた都道府県ランキング
- 高齢者運転の自動車事故が増えている?
■答えは?
- 天安門事件で犠牲者はいなかったのか?
■答えは?
数千人の人が虐殺されたと言われています。
30年前、私はリアルタイムで天安門事件をテレビで見ていました。当時テレビを観ていてまだ生きている人は世界中に何十億もいます。多くの人が中国の人民解放軍に殺されたことを知っています。
天安門で犠牲者がいなかったと言う国谷裕子や池上彰は嘘つきです。
なお、国谷裕子とNHKは苦情を受けて「天安門事件で犠牲者は出なかったとは言っていない。クローズアップ現代では天安門では犠牲者は出ていないと語ったのだ」と言っています。でも天安門でも多くの犠牲者が出ています。ですからやはり嘘つきです。
- この私のウェブサイトも嘘ばかりだ?
■答えは?
そうかもしれません。ただ一応は出典を確認して書いています。
そして、AさんがBさんを嘘つきだと言ったというだけでは、Bさんは嘘つきだとは書いていません。そういうときはあるがままに「AさんはBさんを嘘つきだと言っていた」と書いています。そのために私の文章は長くなりがちです。
ところで……
この本はちゃんとISBNコードもありお値段もついているけど、アマゾンでもほかの通販でも取り扱っていない。扱っているのは中古本だけ。
なぜか
?
実はこれ、三橋貴明の経世史論というネット会員になると、入会のさいにいただけるオマケである。
ところでこの本(冊子)に1,980円という定価がついていて、アマゾンや他の通販サイトで中古が3,000円もの値段が付いているのはどういうわけなのだろう?
三橋貴明もこれを新書にして780円くらいで売り出すべきではないのだろうか?
内容はまともでしっかりしているから、売れることは間違いない。
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