*この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在するものと一切関係ありません。
但し引用文献や書籍名はすべて実在のものです。民明書房からの引用はありません。
1930年5月 9日 14:00(アメリカ東部時間) 1930年5月10日 04:00(扶桑国時間) 1930年5月10日 03:00(中国東部時間) ![]() アメリカ ワシントン 戦争省 ホッブス准将、ミラー大佐、さくら、石原がいる。 ![]() | ||
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「昨日、扶桑国全権大使と我国で不可侵条約が締結された。これで一安心だ」
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「良かったです。根拠がなければ我が国も支援に動けませんからね。 早速ですが数時間前、我国の偵察機がソ連軍1個中隊ほどの騎馬隊が越境したのを発見しました。夜なので詳細は分かりませんが、戦車などはないそうです」 | |
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「いよいよか、すぐに調査隊を出そう。飛行機で見ただけでは何とも言えない」
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![]() さくらは報告書と、発見場所が印された地図などをホッブス准将に渡す。 ホッブス准将は腕時計を見る。 ![]() | ||
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「今、午後二時か。満州は……」
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「真夜中の3時です。直ちにチチハルの司令部に指示します。朝、最寄りの駐屯地から出発すれば、昼過ぎにはこの場所に着けるでしょう」
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「戦闘になりますか?」
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「どうだろう、なぜか?」
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「報告書にもありますが、偵察機からの情報では1個中隊の騎兵隊ということでした。こちらの調査隊が小隊規模では証拠隠滅のために殲滅されるかなと」
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「立ち入りの理由を確認するだけなら戦闘にはならないだろう」
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「扶桑国から貸与された無線機を持たせろ。発見したら実況中継させるんだ」
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「承知しました。直ちに伝えます」
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![]() ミラー大佐が部屋を出ていく。 ![]() | ||
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「あいつも少し殊勝になったようだ。戦場で指揮を執っている人間は、文官を馬鹿にする。ミラーが石原君が士官学校の秀才で陸軍大尉だったなんて知ったら腰を抜かすだろう」
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「兵士でも敵の1個中隊に10騎くらいで相対したら恐怖でしょうね」
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「ドクター石原、その1個中隊は何のためだろう?」
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「想像です。一挙に奇襲攻撃をするのでは大義名分が立たないから、軽武装の小部隊で国境警備中に、ソ連側に越境してきたアメリカ軍あるいは中華民国軍と交戦して大きくなったということにするのでは?」
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「それって、こちらが越境した言われる恐れもあるのか?」
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「そういえばドクターの書いた本で、ソ連軍が国境をずらして入植地に攻め入る場面があったな」
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「あれは若気の至りです。今、読み直すと恥ずかしいです」
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「船のように六分儀とかでは所在を定めることはできないのですか」
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「所在を確認する方法はあるだろう。しかし相手が侵略する気なら位置を調べても意味はないな」
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![]() ミラー大佐が戻ってきた。 ![]() | ||
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「報告が2件あります。 ひとつ、先ほどの件、調査隊を未明に出すとのことです。 ひとつ、スペイン内戦がまもなく終わりそうという情報です」 | |
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「ほう! スペイン内戦はもう終わりか。随分と早かったな」
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「ここ数日のフランコ軍の大攻撃で人民戦線が大敗しました。ソ連軍は派遣した正規軍に被害が出る前に早いとこ引き上げることにしたようです。ソ連軍の支援がなければ政府軍はあっという間に崩壊します。 人民戦線の残党はフランス国境を目指し敗走していて、フランスに亡命を求めるようです。 情報部の見解ですが、今後ソ連はスペインから手を引き満州の戦いに注力するのではとのことです」 | |
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「ソ連と言えど二方面の戦いは大変か。ともかく満州の戦いは間もなくか。 でもさ、スペインから兵隊を引き揚げてシベリアまで運んで来れば2週間や3週間はかかるだろう?」 | |
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「兵隊や武器はいくらでもあるでしょう。そうじゃなくて、物資とか経済力から一度に戦えるのが一方面ということではないですかね」
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「話を戻す。ミラー君がいないとき、満州国境で小競り合いが起きたらどうしようかと話していたのだ。小競り合いが起きた場所を特定する方法はあるのか? いや、向こうが国境のソ連側と言い出したときどうするかだが……」 | |
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「未明に偵察機を低空で飛ばし、越境を警告するビラをまきましょうか」
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「効果があるかどうか……待てよ、派遣したパトロール隊が向こうと会敵するとき上空を飛ぶことはできるか?」
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「それは可能です」
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「飛行機が上空を飛んでいれば地上での交戦を抑止できないか?」
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「効果があるかどうかはともかく、我々が状況を見守ることはできますね」
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「オイオイ、まるで我々が直接上空から様子を見られるように言うねえ〜」
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「リアルタイムではできませんが、数時間後に現地を撮影した写真は手に入りますよ | |
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「それ頼むわ。向こうの早朝というとこちらでは……」
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「今日の夜10時頃ですか」
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「では今はすることはない。明日朝会おう」
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5月 9日 17:00(アメリカ東部時間)● ● 5月10日 07:00(扶桑国時間) 5月10日 06:00(中国東部時間) ![]() 在アメリカ扶桑国領事館 中野、伊丹、岩間、さくら、石原がいる。 さくらはホッブス准将との打ち合わせ報告と、偵察機によるソ連軍とアメリカ軍パトロール隊の会合場所での低空飛行を依頼した。 ![]() | ||
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「分かった。偵察機はソ連軍とパトロール隊の位置は把握している。明日朝に上空を低空飛行させよう」
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「好奇心からお聞きしますが、偵察機は、向こうの偵察隊とかアメリカのパトロール隊の位置をどのような方法で把握しているのですか?」
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「アメリカには我国の無線機を貸与している。無線機は通信時以外も、常時所在を知らせる電波を発信しているので、どこにあるかが分かる。元々はアメリカ軍が無線機を盗難するのを防ぐためだがね。 ソ連軍の方は、我々に協力しているモンゴル族や満州族が出会った時に発信器を荷物の中に放り込んでいる」 | |
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「軍隊に現地人が近づけば警戒されるでしょう」
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「ロシア人は現地人そのものを無視しているからね。ともかくそういうわけで、双方の位置を数十メートル以内の誤差で把握している」
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「今どんな塩梅ですか?」
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「今、現地時間で朝6時、夜が明けたところだ。双方の距離は約30キロ。ソ連軍は宿営しているがアメリカのパトロール隊は移動中だ。とはいえ馬も人も疲れているだろう。3時間では無理だろう。お昼前ではないかな?」
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「上空からの監視は大丈夫ですね?」
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「大丈夫、双方とも自分たちの所在が知られていることに驚くだろう」
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「低空飛行することになにか意味があるのか?」
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「ソ連がアメリカのパトロール隊を皆殺しにするのではないかと懸念しています。それを見ている第三者がいれば、それはないかと思います」
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「どういう話をするのだろう?」
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「ソ連側は国境のソ連側であると主張するし、アメリカ側はそうでないと主張します。平和的に済めば双方が分かれて本隊に報告となるでしょう。しかしお互いがエスカレートして戦闘になる恐れがあります」
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「あるいは初めから紛争にするつもりかもしれません」
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「所在が国境のどちらか側かをはっきりさせられれば良いのか?」
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「いや、もっと悪質だと思います。奴らは国境を動かすなんて何とも思ってないでしょう」
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「なるほど、引けば相手はどんどんと押してくるか…ヤクザみたいだな」
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「扶桑国の飛行隊に参戦を求められました。断りました」
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「我々のレベルでは回答できない。内閣には状況報告はしているが、まずアメリカとソ連が戦闘状態にならなければ我国は手を出せないよ。 ソ連が攻撃してきて、それにアメリカが反撃を表明すれば支援する。そうでなければ脇から見ているだけだ」 | |
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「売却した爆撃機を、アメリカが独自に運用するときは?」
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「我国の偵察機が誘導しなければ何もできない。そもそも目的地にたどり着けない」
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「なるほど、いずれ様子見ですね」
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「進展があったら連絡する。二人とも当分は領事館に泊まるように」
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5月 9日 22:00(アメリカ東部時間)● ● 5月10日 12:00(扶桑国時間) 5月10日 11:00(中国東部時間) ![]() 扶桑国在アメリカ領事館 中野、伊丹、岩屋、さくら、石原がいる。 ![]() | ||
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「先ほどから間もないが進展があった。 ソ連側とアメリカ側が出会って交渉中に撃ちあいになり、双方に死傷者がでた。アメリカ側は戦死者を残して退却した」 | |
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「上空の飛行機は効果がなかったですか?」
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「飛行機に対しても自動小銃らしきもので対空射撃をしたらしい。高度100mほどの低空飛行だったが当たるわけはない。連中は戦争にしたいのは間違いない。 偵察機が撮影した空中写真はこれだ」 | |
![]() 中野は10枚ほどのA4くらいの大きさの白黒写真を机の上に並べた。馬に乗った兵士が100人ほどと10人ほどの二つに分かれているもの、数人が地面に倒れている写真、兵士が大きく動いている様子が写っている。ズームイン・ズームアウトいろいろあるが、いずれも鮮明である。 ![]() | ||
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「アメリカ軍のパトロール隊は無線機を持っていたはずです。アメリカの駐屯地へ報告したのでしょうか?」
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「ああ、チチハルにいる諜報員がその無線を傍受した。既にワシントンには報告が行っているだろう」
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「この写真はホッブス准将に見せてもよろしいですね」
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「昨年、写真電送が実用化されたというから問題ない。だからこれは白黒写真にしてきた」
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「これからはアメリカが外交ルートでソ連軍の満州への侵入と攻撃があったことの報告と、謝罪要求となるわけですね」
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「既にソ連が満州に侵攻したというニュースは、大連のアメリカ公館が公報して世界中に報道された。そちらは今夜中だから、アメリカ政府の発表は明日朝一番だろう そしてソ連はアメリカが侵入したと言い返し、大挙して進撃すると思うね」 | |
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「ではとりあえずはホッブス准将のお声がかりを待つだけですね」
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![]() ![]() そう言った時、部屋の電話が鳴った。 さくらが出ると領事館員からで、ホッブス将軍からさくらに電話が入っているという。即、つないでもらう。 さくらは受話器の耳当てを少し耳から話して声が漏れるようにする。皆近くにいるから聞こえるだろう。 ![]() | ||
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「やあ、天才さくら姫、ロシアが君の予言通り行動した。大統領と話して、満州の司令官に対戦車砲部隊の前進と飛行隊出撃準備を命じた。もちろん歩兵部隊も前進させる。 扶桑国の大村基地にいる飛行艇部隊は出撃準備にかかっている。 それから国境から100キロ圏内の農家には避難命令を出した。ちょっと遅いが、やむ得ない」 | |
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「了解しました。それで扶桑国へ要請することは何でしょう?」
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「もちろん正規の外交ルートで要請するが、どうせさくらは今 領事館で向こうのトップと電話会議中だろう。さくらに頼む。 ひとつ、敵飛行機が来たら扶桑国戦闘機に要撃に協力してほしいこと、そして航空管制をすること ひとつ、対戦車砲隊の管制を頼むこと ひとつ、敵戦車隊が国境を超えた時点で大村湾から敵基地攻撃隊を発信したい。その誘導管制を頼むこと」 | |
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「その要請、明日朝に貴国政府が公報発表した以降なら了解します。 速やかに我国外務省へ正式な要請をお願いします。私はすぐ内閣へ報告します」 | |
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「承知した」
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![]() 電話を切る。 ![]() | ||
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「お父さま、よろしかったですか?」
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「よろしい。ではもう寝なさい。明日は忙しくなる。こちらはお昼だ。これからどうなるかウォッチしなければ」 ![]() ![]() | |
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「岩屋叔父様、敵戦闘機隊が地上にいるとき叩きたいのですが」
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報復爆撃は今夜予定していて大村基地出撃が本日16時、あと4時間後だ。敵飛行場は複数だろうから、帰投する敵飛行場を把握しておく。 爆撃隊を分散させても、1個所だけでなくすべての飛行場を爆撃すべきだろうな」 | |
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「上手くいってほしいです。我国が売った飛行機が役に立つところを示さないと先々やりにくいですから。 今夜、敵飛行機が壊滅したら地上部隊は撤退するでしょうね」 | |
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「飛行機は分散させてかつ掩体壕に隠しているだろうから、簡単に行きませんよ。2・3割破壊できれば御の字です」
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「それに被害を出しても短期間ではソ連も収まらないだろう」
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「えっ、どうしてですか?」
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「独ソ不可侵条約を結んで西側の安全を確保した。このめったにない機会に満州を取ろうするから少しの損害では諦めないだろう」 ![]() * 史実は順序が逆で、東側でノモンハン戦争が激しくなり、西側の憂いを無くすためソ連は独ソ不可侵条約を結んだ。 ![]() | |
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「ソ連は被害を出しても長引きますか、考えなければなりませんね。 ところで入植者は避難できたのでしょうか?」 | |
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「さくらが懸念したようにアメリカは意図的に避難を遅らせたようだ。それでも小競り合い前に避難を開始したから、本日夕刻に起きるだろう戦闘前にはなんとかなるだろう」
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「それはようございました。どこもいろいろ考えがありしがらみがありますから面倒ですね」
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「だが、先ほども言ったが、明日敗退しても敵は侵攻を止める保証はない。向こうの後背地には戦車も飛行機も大量の予備がある。こちらは前もって準備していたわけではなく1カ月以上継戦するのは難しい。アメリカも扶桑国も飛行機は少ないし爆弾の備蓄も少ない。 ひと月で戦いが収束しないと、こちらの弾薬が尽きる。それに扶桑国もアメリカも厭戦に世論が傾く」 | |
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「1カ月戦ったら相手が諦める、その筋書きは難しそうですね」
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注1 |
「史上最大の作戦」という表現は、映画「The Longest Day」に日本向けのタイトルとして水野晴郎が名付けたにすぎない。 ノルマンディー上陸作戦が「Greatest strategy ever」とか「The greatest Operation」と英語で呼ばれていたわけではない。 ついでに言えば「The Longest Day」という原題にも特段の意味はないようだ。複数のウェブ英英辞典を見たが、「夏至」とか「映画のタイトル」しか出てこない。英語版googleでも、「映画のタイトル」と「映画のタイトルからD dayを意味する」という記述しかなかった。映画がなければD dayが「一番長い日」と呼ばれることもなかったのだ。 ![]() | |
注2 | ||
注3 |
ノモンハン事件の発端はハルハ河を国境にしていたのが、河の流れが変わってもめたとも言われている。 Cf.「ノモンハン事件の真相と戦果」小田洋次郎 他、有明書院、2002 ![]() | |
注4 |
無線による写真電送は1929年に実用化された。 もっとも石原はテレビを思い浮かべていただろう。 ![]() | |
注5 |
ORのお話し、大変興味深い読んでおります。 日本が英米に大敗したのは物量のせいだと言う人が多いですが、それ以上に質の問題がありますよね。 ORやレーダによる射撃管制などは、まさにソフトの質ですね。 兵器についてですが、私も詳しくないですが、トラックに大砲、飛行艇の爆撃が実用されなかったのは理由があるのだと思います。 ゲリラなどがピックアップトラックに砲を乗せているのは、無反動砲かミサイルで反動がないからです。 ここに対戦車に使えるような砲を乗せたら、反動でひっくり返ります。 後方に向けて撃ってもサスペンションが耐えられないと思います。 実際の砲は、地面に砲鍬を食い込まして、砲架が反動を受け止めて撃ちます。 これをトラックの上で行うのは無理だと思います。最低でも、クレーンのついたトラックのように両側に固定用の足4本が必要とおもいます。 飛行艇の後方から爆弾投下は可能ですが、精密爆撃は無理ですね。 放出速度と角度を制御して、更に機速、風速、高度を考えると、かなり高度な計算をしないと、おおまかな狙いも付かないと思います。 そうした問題を、さくらさん達なら何とかしそうにも思えますが。 |
外資社員様 毎度ありがとうございます。 おっしゃるようにタイヤの車両で大砲を射撃できるようになったのは近年ですし、行進射撃とか連射できるようになったのは16式機動戦闘車(2016)が初めてだそうです。 でも155mmりゅう弾砲なんてタイヤを横にして撃ってますから、トラックに大砲を固定しても車体をアウトリガーで固定すればどうかなって気はします。なにせ当時の対戦車砲は世界的に口径37mmが標準で、重量も300キロから400キロ程度でした。このお話で47mm程度ですから大丈夫じゃなかなって気がします。 おっと、責任は持てません。 この物語の扶桑国は現実より10年くらい進んでいると想定しています。年代だけはこの物語と同じ史実の満州事変(1931)では、石原莞爾の伝記によると飛行機から爆弾を手で持って投下しました。命中する以前に照準どころではありません。はたして高度9000とか1万から投下してどこに行くのか、金田でしたっけ「球のゆくえは球に聞け」というくらいなのでしょうね。まっとうな爆撃照準器は1943年頃からです。 車から対戦車砲を撃つのはRPG(1972〜)以降、真の爆弾はスマート爆弾(1972〜)からということなのでしょうね。 科学・技術の進歩がなければ国力もなく、戦力もないということなのでしょう。 2019.03.29追加 対戦車砲弾のエネルギー計算をしてみました。 37mm対戦車砲には種々ありますが、
ただ九四式37mm速射砲は327kg、トラックに積めばトラックや弾薬を含めて総重量2〜3トン、それに対して16式機動戦闘車は26トンです。エネルギー量は105mmの2.5%ですが、全体重量は1割になりますから、アウトリガーで完全に固定できるならどうかなという気はします。 どんなものでしょうか? ただ表にして驚きましたが、同じ37mm対戦車砲といっても、日本はアメリカ・ドイツに比べて半分のエネルギーしかありません。これは悲しい。技術がないことより、対戦車砲を撃つ兵士が可哀そうです。 |