日本の優良家庭犬検定制度について

優良家庭犬普及協会理事 NADOI元会長
テリー・ライアン

 私は6年前から日本で活動しています。この短い間においても日本の犬や飼主達が変わりつつあることを十分に認識することができました。ペットとしての犬の飼育は日本でもたいへんポピュラーになってきているようです。しかし、人口過密地帯において、いそがしい飼主が犬を飼いつづけることは決して楽なことではありません。残念なことに時と場合によっては犬はお荷物でしかない、と考えてしまう人もいることでしょう。この様な状況からくる様々な問題に我々はどのように対処して行けば良いのでしょうか。

現在、日本においては犬の行動学及び訓練は獣医学部のカリキュラムには含まれていません。しかし、進歩的な開業獣医師の間では、この分野に対する関心が非常に高いようです。今までは日本では愛犬をより訓練したいと思う飼主の大半は数ヵ月もの間、専門の訓練士のもとにあずけて訓練をしてもらう、というやりかたにたよってきた、と私は聞いており、現に自分の目でその実態を検証してきました。しかし、多くの飼主はこのように長期間愛犬と離れていなければならぬことに心をいためていたようです。また、犬は十分に訓練されたとしても、この様な状況下では、自分の犬をしっかりとコントロールすることがいつまでたってもできぬ飼主が出てくる訳です。

 優良家庭大普及脇会は各国の犬の訓練、検定制度をいくつも研究し、それらの最もすぐれた部分を組み合わせ、日本の飼主と犬にとって最適なシステムをつくりあげたのです。同協会の認定試験で強調されている行動は日本の社会においては非常に実用的であり犬を周囲に受け入れてもらい、愛犬とともに楽しい生活を送るためにはぜひとも必要なものばかりです。

 優良家庭犬普及協会は人間と大の絆を大切にしたいと考えているのです。我々の目標は日本全国の飼主達がやさしい、かつ効果的な訓練方法で自ら愛犬を訓練することができるよう支援することです。これを通して、犬の正しい飼育方法に対する飼主の認識を高め、ひいては社会全体における犬のイメージをよりすばらしいものにして行くことが、我々が心から願うことなのです。


優良家庭犬普及協会広報誌 「OHワンダフル」創刊号(20.March.1995):掲載


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