ART織田の


週末画廊日記


96年9月22日版

9月22日

ギャラリー源(注1)へ行き,山田道夫氏(注2)の個展におじゃましました.作品の特徴は様々な階調の青が正方形状に配置され,整った緊迫感と深さを感じる味わい深いものでした.ちなみに私はつり(注3)などをしちゃう人間なので,こうした作品をみると唐津沖200mの海中を思い出させるくらい深いものでした.

注1:福岡市中央区大手門1−8−8
   陽気なご夫妻が経営する陽気な画廊.絵画教室や乗馬教室もしている.積極的である.
注2:1968年,京都市生まれ.様々な個展と出品をしている.
   しかし最近,作家の方が私より年下なのは,単に私が年取ったせい?
注3:磯釣りや,船釣りが好きだ.九州はつりが盛んであり,3人に1人はつりをする.
   (ほんとか?)しかしながら小魚専門なのは,最近の魚に責任があると私は思う.


などど,作品を見入っていると,山田氏(以下Y)とお話をする機会に恵まれた.
ART(以下A):青と言うのはどういう色であるとお考えですか?
Y:絵が単に壁面でなく,突き抜けるような感じが欲しかったのです.その感じに最も近かったのが青であったというわけです.
A:このタイトルはおもしろいですねえ.「白は嫉妬深い夫」ってどういう意味なのですか?
Y:これはポール・オースターという人の「幽霊たち」という作品(注4)からの引用です.まあ大きな意味はないのですが.面白いので,ぜひ読んでみてください.
注4:出典が何処刊行なのかを聞き忘れました.ごめんなさい.

マイケル・ナイマンの静かな音楽が流れる中,大変貴重なお話を1時間ほどお聞きすることが出来ました.
山田氏の作品は抽象画です.もしも,抽象画について難しいイメージをもっておられるのでしたら,なおさら私は山田氏の作品に触れることをお勧めいたします.難しい解釈はまったく必要ありません.色のイメージ,形のイメージをただ,それだけを楽しむのが抽象画との付き合い方の一つです.


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