ART織田の


週末画廊日記


1998年11月21日版

11月21日

大江良二@湯布院わたくし美術館。愛すべき作品。


大江さんの作品はもう既に何度も語っているので、繰言になる。やはりいい。
大分県というのは表現し得ない田舎である。その中で、軽井沢的な乗りを持つ観光地として湯布院は、別府に次ぐ知名度を誇っている。中程度の金持ちが別荘を持ち、新婚の夫婦や若いアベックの婚前旅行や、不倫のカップル、上っ面で人生を送る若いおねえちゃん達の闊歩するこの町は、実は私はあんまり好きではない。どちらかというと私が大好きなのは、心中旅行のような暗さを持った杖立温泉や、寂れた色気のある宝前寺温泉あたりだったりする。でもあえて、由布院の良いところは、田舎であり文化的であるという点を同時に備えているということだ。大江さんの作品はそこのところにうまくはまって行く。決して杖立温泉の旅館のロビーには似合わない。つまり(繰り返すことになったが)、それだけ「美しく暖かい」という事なのだ。素朴で平和な絵は、そういう家庭に似合う。では、ハードボイルドを気取り、シトロエンに乗り、故障と不遇の付きまとう私はどうなる?その辺は宿題にしておく。


大江かんご君と

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