ART織田の


週末画廊日記


1999年5月8日版

5月8日

大江良二@AIS展。人間は少しずつ成長して行くのね。


「人間は生きているのだ・・たえず前進を続けて行くのだ。その人間が愛という正体のないものに対して永遠を誓えるものじゃない」とは佐藤まさあきの「みなごろしの歌」での殺し屋のセリフだ。いつか使ってやろうと思っていたが、使うきっかけなど絶対無いだろうから、ついこんなところで使ってみた。単に相手に”飽きる”のではなく、”前進”とした所が50年代のマンガらしい。まあ発展的解散とでも言おうか、それも愛にあてはまるのだろうか?
大江さんの作品は言い尽くしたと前に書いたが、作品自体は常にとどまるところがない。テンペラからパステルへ、ぼんやりとした表現から迫力を持った存在へと変わってきたように思う。
岩盤の上のロッククライマーのように、でんと構えた大きな絵にちょっと見とれてしまう。あるいは描くほうは足場を探して格闘しているのだろうか?
去年のAIS展の頃の作風とは決別してしまったようにもとれる、大きな前進だと思った。

 

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