ART織田の


週末画廊日記


1999年7月17日版

7月17日

斎藤真一@香月。シーガッタ リアル ライフ。


斎藤真一の絵は一見して暗く悲しい。つらい。しかしただそれだけではないと私は言いたい。
私の育ったイタリア(うそ)にもジプシーはいる。音楽を奏でたり、芸をしたりで、たまには盗みも働いて、生計を立てている。斎藤さんのテーマである瞽女(ごぜ)もそんな職業だ。共通しているのは力強く生きている事。絵に書かれた女の手足は細く顔色も悪い。しかし、大地にひざまずいた姿からは、今を生きている女の力強さを感じるばかりだ。
この絵のタイトルは「祈り」である。女は今日までに感謝し、明日からの活力を願っているにちがいない。
ちなみにイタリアでは「希望と○○○は大きいほうが良い」と言う。現代に生きる私は負けてはいられない。月曜日の朝に「会社が燃えてればいい」などと願うのはもうやめよう。たまに私はこうやって絵に元気付けられる。


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