ART織田の


週末画廊日記


8月4日

伊藤忠雄@久我

ちなみに私も昔、1ヶ月程度牛と向き合っていたことがある。鳥取で学生をしていた頃の夏休み、農学部の絡みで北海道へ酪農実習というのに行った。とはいえ、行く金も無かったので自転車で行った。なかなか懐かしい話しである。
さて、牛というのは間近で見るとこわいくらい「でかい」。あと、くそはするわ、蹴るわ、足をふむわ、なめるわ、なにしろ向こうは十分こちらを殺せる実力があるので、ヘロヘロ学生なんざゴミあつかいだ。「俺は貧乏だから、あんたのお仲間はそれほど食っちゃいねぇぜ」なんて言い訳もあんまり聞いてくれそうもなかった。
もっとも数週間もすると、蹴りくらいはかわせるようになり、飼う人<=>飼われる牛という関係もできてきた。そして実習が終わる頃ともなると、ちょっとは可愛くも思えてきたりする。今となっては、牛そのものに何か特別な親近感がある。「ヘイ!牛!」くらいの。以外と人間と牛の間には、後ろ髪を引くような絆というものがあるのかもしれない。
とりあえず、私はこの展覧会でその絆が思い出せた。多少単純過ぎる描写だが、いきいきとした存在感に満ちた牛の絵だった。


DMより


日記のページへ
ページ先頭へ
前の日記
次の日記