江嵜千賀子の
寄り添うものたち
まきちあき@梅屋。風の布
□さらさらとして、ふんわりと包み込まれるような心地よさ。さっくりとした風合いと、自然の力強さを兼ね備えたような布の柔らかな手触りは、森の中を通り過ぎていく風のようになんとも清々しく、爽やかです。
□真木千秋さんの作り出す布は、糸も染料も自然の中から生まれてきたもので出来ています。インドの野生の繭、「タッサーシルク」を中心に、様々な手紡ぎ糸や苧麻などが使われています。シルクと言えばツルツルとした薄手のものばかりだと思っていた私は、ざっくりとした太い糸や、さらりとして張りのあるもの、ふんわりとした織りの優しさなど、それぞれに違う表情を持つ布の風合いと自然の色合いの豊かさに、すっかり魅了されてしまいました。
□千秋さんはおおらかで力強く、大地のような雰囲気を持った素敵な方です。キラキラとした大きな瞳で、どんな質問にも真剣に、一生懸命答えてくれます。インドと東京/五日市、そして西表島などを何度も往復しながら、素材を探し、自然の色を引き出し、気の遠くなるような手間をかけてインドの職人たちと共に丁寧な手仕事で布を織り上げていく。真直ぐに前を向き、布を通して自然の素晴らしさを伝えてくれる、素敵な笑顔を持った千秋さんの姿を見ていると、なんだかとても元気づけられてしまいます。 □さあ、お茶でも飲みながら、窓を開けて風と一緒に嬉しい時間を味わうことにしましょうか。
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