ART織田の


週末画廊日記


3月16日版

3月15日

かの田上允克さんの個展に行く.半乾きの大地という感じだった.


私は田舎の田園地帯で育った.昭和40年代の頃は,線路にはSLが走り,まだ機械化していない田んぼは,手で稲を植えていた.春先まではレンゲが咲き乱れ,秋には収穫が終わって積み重ねてあるわらの上にダイブしたりしていた.水田の管理は水の管理が大切で,分けつがある程度に達すると,張っていた水を引く.そうして露出した土は,いかにも土らしく感じるのだ.備前焼などは田んぼの深く掘り起こして土を得る.そうした土っぽさを,私は田上さんの絵に感じた.
その話を田上さんにすると,「はーそーですか」などと,気のない返事だったのだが,とにかく私にはそうだった.
解釈はともかく,田上さんの近作はすばらしいものがある.ぜひみに行ってね.
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