アート織田の週末画廊日記
WEEKEND_GALLERY.log

2006年11月4日

作家: 矢沢自明
タイトル: 大切なもの展
場所: アトリエSuncha


会場にて撮影 (CACIO G'z One Type-R VGA by KDDI)


 大切なものは何もないとムルソー君は言う。
 「何ものも何ものも重要ではなかった(窪田訳)」
 この反キリストなこの本にあって、その理由は少しだけキリスト教的である。
 「その暗い息吹がその道すじにおいて・・・中略・・・私に差し出されるすべての物を、等しなみにするのだ」「特権者しか、いはしないのだ」
 引用すればきりがないが、「宿命が人を選ぶ」を「十字架を担う」に換え、「世界の優しい無関心」と「神の愛」という違いで、感じる範囲では、近しいものを感じる。
 ごたくはさておき、展示は子供たちが考える「大切なもの」である。
 「家族」「お金」「虫」「心」「地球」と、いろいろである。
 「虫」というのが気に入る。彼はきっと農学部で蚕を飼うであろう。

 私が「大切なもの」の答えを見出せないでいるうちに、矢沢さんの展示もあったので、紹介しておく。


会場にて撮影 (CACIO G'z One Type-R VGA by KDDI)

 タイトルは「記憶」だったと思う。
 実物は、紙にアクリルという薄さにも係わらず、岩に描かれたような荘厳さが感じられた。
 夜の海を間近に見るようなリアリティは、適度な緊迫感を生み、極めてモダンであり、展示としてのレベルの高さがあった。
 前に見たのは4年前。すごさが増しているように思えるのだが。いやいや、なかなか。

じゃあ”愛”って事で(←平凡)


日記のページへ
ページ先頭へ
前の日記
次の日記