大切なものは何もないとムルソー君は言う。
「何ものも何ものも重要ではなかった(窪田訳)」
この反キリストなこの本にあって、その理由は少しだけキリスト教的である。
「その暗い息吹がその道すじにおいて・・・中略・・・私に差し出されるすべての物を、等しなみにするのだ」「特権者しか、いはしないのだ」
引用すればきりがないが、「宿命が人を選ぶ」を「十字架を担う」に換え、「世界の優しい無関心」と「神の愛」という違いで、感じる範囲では、近しいものを感じる。
ごたくはさておき、展示は子供たちが考える「大切なもの」である。
「家族」「お金」「虫」「心」「地球」と、いろいろである。
「虫」というのが気に入る。彼はきっと農学部で蚕を飼うであろう。
私が「大切なもの」の答えを見出せないでいるうちに、矢沢さんの展示もあったので、紹介しておく。
 会場にて撮影 (CACIO G'z One Type-R VGA by KDDI) |
タイトルは「記憶」だったと思う。
実物は、紙にアクリルという薄さにも係わらず、岩に描かれたような荘厳さが感じられた。
夜の海を間近に見るようなリアリティは、適度な緊迫感を生み、極めてモダンであり、展示としてのレベルの高さがあった。
前に見たのは4年前。すごさが増しているように思えるのだが。いやいや、なかなか。
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