アート織田の週末画廊日記
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2006年10月28日

作家: 久保由加理
タイトル: 第7回 N548展
場所: 福岡県立美術館


会場にて撮影 (CACIO G'z One Type-R VGA by KDDI)

思い通りをこえるもの
 自分は一体、何をみてきたのか、絵に何を求めてきたのか。
 どーしようもなく、会社でも有名な、無反省な私だが、今回は反省したい。
 最近は自分の中で、いわゆる評論家的な、分析屋的な、しみったれた意識が心ならずもあったようだ。
 「美の公理」というやつを、必要以上に追求していたようだ。
 要は考えすぎていた。右脳で考えていた。うかつだった。
 久保さんの絵を見て、私は大きく反省させられた。

 我々には根底に刻まれた青がある。地球は青く、空も、海も、青い。
 ただでさえ、マリンブルーはリビドーな青であるのだが・・・。
 そのチューブから出された絵の具が、どうしてこんなに美しく、心を捉えるのだろう?
 微妙に沈み込むような、白の配置。
 もっと優れた大きさも、おき方も、あるのだろうけど、どうしてこれが、泣ける映画のストリーのように、むずがゆくも心惹かれるのだろうか?

 私にはまるでわからない。
 わずかにわかるのは、絵がこころを捉えてはなさず、この感動さえも、見ること数分の、きっと入り口にすぎないという、深い深い美しさが作る、心地よい混乱があるということである。

教科書通り、方程式どおり、思い通り、100点をこなしても、感動は薄い。それを越える何物かが、、この絵にはきっとあるのだろう。

今日の一句「美術館を出て見上げる秋の空」


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