森さんの製作所からは、木材の切れ端から、このようなユニークな動物たちが、次々とこぼれるように生み出される。
私はブレードランナー(略してブレラン)という映画が好きだ。一時期、テーマを着信音にしていたし、DVDでは数十回は見ているだろう。
その中で、「ガフ」と呼ばれる警官が、ところどころで折り紙を折る。
少々喋って立ち去るときなど、特にデッカードとレーチェルを人知れず逃がす時、タバコの包み紙で作った折り紙を置いていく。
http://www.st.rim.or.jp/~kimu/br/origami.html
にある通り、作ろうとしてみたが、これがなかなか、致命的に不器用な私には、これさえも出来そうもなく、泣く泣く挫折した経験がある。
デスクトップの荒野にある、小さな動物の置物は、ふと時間を止める。
時には無心になり、時には暗示的である。
ふと、「置かれた物」というのは、意外とそれ以上に、大きな力を持ち、流れを変えていくものである。
あるいはそれは、絵や本よりも、断続的な影響力を持つものであり、印象深いものである。
その点で、森さんの作品というのは、数といい、凄いものがあるわけだ。
いわゆる楽屋落ち「二つで十分ですよ!」
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