ART織田の


週末画廊日記


7月20日版

7月20日

阿部浩二さんの個展を見に行った.写真が浮き出てくる仕掛けかのかな?


阿部さんの作品は,実は東判画廊で一度見ていたのだった.その時は飛行機か何かがうっすらと現像されていた作品だった(と記憶している).断片的なうっすらとした,まるで記憶のような(記憶だよ)写真が広い壁のほぼ半分を埋め尽くしていた.写真の内容は飲み屋などのスナップだ.脇にあった銀色の保冷バッグの中のスピーカーからは飲み屋の騒音が再生されていた.
人間の記憶というのはリードオンリーだそうだ.記憶そのものはCD−ROMと同じで消すことは出来ないそうで,忘れるのはただ再生できないだけらしい.忘れたいことは忘れられず,大事にしていたい記憶がだんだん鮮明でなくなるのはなんだか悲しい.阿部さんの作品とは逆かもしれないが,私の記憶はノイズが増えていくようだ.
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