貧しきものにも日は降り注ぐ

 

デカダンなロードスター

ではこれより新シリーズ、「貧しき者にも日は降り注ぐ」を始めたいと思います。パチパチパチ。?画廊日記をちゃんとやれ? まあそれもそうですが、一応こちらも興味ある個展がなかった、個展へ行けなかった、個展へ行ったけどつまらなかった、などの理由で書けないときもあるので、こういうコーナーも必要です。で、簡単な自動車エッセーを。え?興味ない。まあ軽快な文章で書きますからどうか読んでちょうだいよ。
 タイトルは、今回新規導入された91年式ユーノス(NA6CE)がロードスターであることから来てます。ムルソー君って感じですけどね。

 ロースドスターっていうのは、フランス語でカブリオレの事で、鹿島先生の「馬車が買いたい」によると、二枚ドア二人乗りの箱馬車で、簡易な布屋根のついたものと言えそうだが、まあ用はオープンカーのこったね。プジョー206CCとか、4座でも屋根があいてりゃカブリオレっていうもんな。
 ところでカブリオレって、なんか退廃的なんだ。私の中では。快適さを求める時代で、屋根のないクルマに乗るのはある意味非常識だといえる。風は巻き込むわ、日は照るわ、まあ決して快適ではない。バカだ。ある意味バカだ。その程度のことは見りゃ想像つく。
 でちょっとショックなのは、朝通勤でオープンにしてたさ。夜中坂本峠を走ったもんで。でね、女子高校生の自転車群を抜き去った瞬間、バックミラーで見たものは、びっくりし口を手で覆い>笑いころげそうになり>自転車のバランスを崩す姿だった。何がそんなにおかしい!1.クルマがおかしいのか、2.オレがおかしいのか、3.オレがこのクルマにのるのがおかしいのか、はっきりしてもらおうじゃないか。2と3か? そうか。
 しかし、オレはそんなことは気にしない。なんたってデカダンだから。デカダンなんて、きっとキミら今時の女子高校生にはわかりっこない。前前世紀末だもん。それに時代遅れといえば、二座でオープンなんて、RV全盛の時代にかっこ悪いんだ。友達数名と楽しくドライブなんて、こっちはそもそも念頭にない。第一オレ友達いないし。デカダンだから。
 だけどね、娘さん、カブリオレはそれにしかない楽しみがあるんだよ。
 風の密度、夜の森の香り、見上げる星空、鳥のさえずり、景色の中で流れる山々、潮風の湿り気、そして降り注ぐ日差し。密閉されたセダンとは情報量が違うんだ。
 それに「ギャッツビー」見た?二座でしょ?「レス・ザン・ゼロ」は?クルマカッコいいよね。見てないか。
 う、愚痴が長くなったので、今日はこんなところで。次回もよろしくなのだ。


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