○舞研サーガ外伝
  A Saga of Ballroom Dancing Club


 現在のような一大帝国ができるずっと昔。
 都から遠くはなれ、満足な寄合場所もなく、ジプシーな暮らし
 をしていた頃。
 それでも村人は貧しくも明るく暮らしていました。

 そんな村に、列強に比肩して大海へ船を繰り出していこうと
 する一握りの若者たちがいました。
 やがてその若者達は技を磨きに近くの町へと出かけ、都で戦を
 見学し、いつしか列強の訓練にも参加するようになりました。
 ただ、村に残った者たちの中には、
「寄合にはキチンと参加する。手伝いだって一生懸命する。
 村祭りの仕事と盛り上げは誰にも負けない位だ。
 でもいくさは嫌いだ。いくさには加わらねえ。」
 そういう者も多くいました。
   やがてこの議論は村を二分する論争となり、
 秋の刈り入れがおわり、村祭りの日が近づく頃、
 歴史的な村長(むらおさ)選びが始まりました。
   それなら、村の方針をキチンとしようじゃないか。
 組織もちゃんとして、いくさする者達を応援しよう。
 でも戦士だけが村人じゃあない。
 銃後の守りもあるし、村祭りだって大切な行事だ。
 大切なのは村を愛する心とそこに所属する喜びなのだから。

 そういう主張が受入れられ、村長選びの終わった後は
 戦士もそれ以外の村人たちも一致団結してその後の村作りに
 邁進しました。
 戦士の育成には専任の部隊長をあて、村の財政は出納長に任せ
 村の瓦版「舞桐」を「舞^桐2(キリキリマイ)」として広報に努め、
 列強の方法を真似て女性による女性の為の組織を構築し、
 子供達の受入れにも専任を置き体制を整え、村祭りに備え
 世話人を置いてといった風に次第に現在の組織の原型を作り
 あげていきました。
 そして翌年の春。村には元気な子供達が生まれました。
 前年誕生していた子供達に加え、やがて彼らは優秀な戦士
 として列強を向こう回し、獅子奮迅の活躍で村を歓喜の渦
 へと巻き込んでいくことになります。
 そんなスーパーチャイルド達。
 彼らの活躍は村の古文書にある通り。

     ・・・ ・・・ ・・・

 時が経ち、村を子供達に任せ、都で働きはじめようとする
 若者達。
 昔の村長も戦士も村祭りの世話人もみんな都会では一人。
 いろいろあったけど、村を思う気持ちは皆変わらない。
 昔を懐かしんで酒でも酌み交わそう。
 それに村から出てくる若者も混ぜてやろう。
 そんな気分で村人会を作ろうという気運が盛り上がりました。

   幾度かの村人会を経て、年に一度の村人総会もそこそこ
 盛り上がり、名簿をつくろうという動きがはじまりました。

   その間にも村では次々と優秀な子供達が若者へと成長し、
 その名声は都でも評判となっていました。
 遠く西国の地に居る者にもその評判は届き、瓦版を読んでは
 我が事の様に喜び涙するほどでした。

   ただ、村人達の活躍と裏腹に都での村人会は次第に形骸化し
 名簿も滞るようになっていきました。

     ・・・ ・・・ ・・・

 時は流れ、あのスーパーチャイルド達が村人会に加わるよう
 になりました。そして、村人会の停滞を見て、往時の戦士達の
 ように再び村人会を盛り上げようと奔走をはじめました。
 そして彼らは、その成功体験に裏付けられた自信と高度な
 通信網を駆使する技術をもとに再び村人会に活気をもたらせ
 ようとするのでした。

   そして今...

 
   より詳しくは舞研サーガ黎明編、激闘編、飛翔編にて。
 但し口伝。


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