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ディープスペースナイン エピソードガイド
第50話「仮面の幻影」
Equilibrium

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・イントロダクション
シスコとジェイクはキラ・オドー・ベシアを招き、自室で料理を振る舞っている。オドーが興味深げにシスコが料理を作っているのをみている。食物を必要としないオドーには、どうして人間が食事にそんなに意欲を持つのか不思議なようだ。そして料理を作るのを手伝い始めた。キラがいい匂いのする料理の名前を尋ねると、ジェイクがすらすらと答えた。その中にビーツ※1を使った料理があることを知り顔をしかめるベシア。どうもあまり好きではないようだ。ベルが鳴り、ダックスも入って来た。仕事で疲れてきた様子である。オドーはまだ料理を手伝っている。一生懸命にやっているオドーを、「かわいい」※2というキラ。
ダックスがジェイクのピアノを見つけ、触り始めた。ダックスの過去の本体は、ジャッジアも含めて全て音楽の才能に恵まれた人はいなかったと言う。だがダックスは弾き始めている。ベシアがしゃべりかけると、黙ってと言ってさらにすらすらと弾いている。キラが曲名を聞くが、ダックスは知らない。だがなぜか知っている気がすると言う。ディナーが出来上がっても、ダックスは弾きつづけている。
※1: なんかまるいやつ

※2: "Cute" (笑)


・本編
シスコとダックスがチェスをしている。だがシスコはダックスがハミングしているので気になってしょうがない。ダックスは無意識のうちに何度も同じ曲を繰り返していた。シスコに注意されても、またハミングを始める。シスコが駒を動かしても気づかない。いわれて気づき、駒を動かす。だがすぐにシスコのチェックになってしまった。みていないうちに卑怯な手を使ったのかというダックス。シスコはもちろんそんなことはしていない。ダックスはクルゾンがシスコをずるい男だと思っていた、と突然言い、盤上の駒を払って出ていった。シスコは首をかしげる。
ダックスがバーに一人でいるところにキラがやってきた。キラは自分でよければどうしたのか話すようにというが、ダックスは何もないと言う。本当にシスコがずるをしたのかと思っているのかと尋ねるキラに、キラまでシスコの肩を持つのかと言う。当てにできない、帰ってというダックス。キラが出て行かないなら自分が出ていくと言い立ち上がった。キラが腕をつかんで待つように言うが、手を離さないと何をするか分からない、というダックス。ここまで言われてはキラもそうするしかない。ダックスは出ていった。
ダックスがプロムナードを歩いていると、突然周囲が暗くなり周りの声が聞こえなくなってきた。その場にいるのはダックスだけになってしまった。ふと上を見上げると仮面をかぶった男がいる。ちょっと目を離すと仮面の男は消え、そしていきなり目の前に現われた。後ろを向くが、すぐに前に現われる。男が仮面をとると、※3その下の顔も仮面をかぶっている。だが目だけは開いている。逃げようとすると、突然クワークにぶつかった。周りの様子も元に戻っている。どうしたんです、と尋ねるクワークに、別に、とだけ答えてダックスは歩いていった。


医療室でダックスが検査を受けている。シスコが気分を尋ねると、ダックスがさっきは悪かったと言う。理由は分からないが、腹ただしい気分になるのだと言う。幻覚の中の仮面の男は、誰かは分からないが見覚えがあるそうだ。また、あの音楽を連邦のコンピューターで調べることにした。さっきの幻覚は、ジャッジアを含めすべての過去の本体はみたことがない。過去に大きな事故にあったのは、クルゾンの前の本体であるトライアス・ダックス※4だけだ。事故の後6ヶ月昏睡状態になりアイソボラミン※5のレベルが大幅に下がったと言う。アイソボラミンは共生生物と本体※6の間のシナプスを媒介する神経伝達物質である。トライアスはそのレベルが通常に比べて4割以下に落ちたため、共生生物を取り出された。共生生物のためには本体が犠牲にならなければならないからだ。ダックスの現在のアイソボラミンレベルは73%。この低下の理由は分からない。ダックスは拒絶反応を心配するが、ベシアは大丈夫だと言い、トリル星へ行き合体審査理事会※7の医師にみてもらうことを勧める。シスコはクルゾンがトリルを見せたがっていた、とダックスに向かって言った。
トリル星へ向けてディファイアントが出航した。ブリッジにベシアが入って来た。ダックスは部屋で休んでいる。シスコはクルゾンを今でも会いたいと思うと言う。新しいダックスにもはじめは馴染めなかったが、もし何かあったら…と言う。ベシアも同じ気持ちだ。
ベシアが部屋のベッドで横になっているとき、ダックスが入ってきた。眠れないらしい。快く迎え入れるベシア。ベシアはトリルの生理学を勉強していた。合体審査理事会の医師なら、とダックスを元気付ける。ダックスはまたそこに戻ることになるとは思わなかったと言う。3年間合体候補生として暮らしたが、外に出ることは全くなく、合体した後は二度と戻るまい、と思っていた。辛かったのではなく、テストばかりの生活に嫌気がさしていたと言うダックス。合体のための審査は慎重を期さなければならない、そうしなければ本体、共生生物ともに死んでしまうからである。ダックスは嫌な思い出ばかりなのは自分自身にプレッシャーをかけていたからだ、そして患者として戻るのは、候補生としてより嫌だと言う。ダックスは実は医者が嫌いなのだ。そのことを話すとベシアも昔はそうだったと言う。だがいつからか医者の知っていることを知りたいと思い、医学部に入った後は苦しんでいる人を助けたいと考えるようになったと言うベシア。さらにベシアは、この部屋で泊まっていかないかと勧める。ダックスは下のベッドで寝ることにした。上のベッドに入ったベシアは、電気をつけたままだと明るいかとダックスに尋ねるが返事はない。ダックスはすでに眠りに入っていた。
トリル星※8。ダックスはさまざまな調査を受けたことを話している。ドクター・レンホル※9が入ってきた。候補生はダックスが来たので大騒ぎだと言う。一度失敗しながら合体が認められたのはダックスだけだからだ。レンホルの話によると薬を投与し、経過は良好だと言う。ダックスはまだいなければいけないか尋ねると、さらに検査が必要だという。ランチをおごるからと言うと、レンホルは出ていった。
ダックスはディファイアントに戻されたことを怒っている。観光案内をしたかったからだ。だがシスコ・ベシアとも安静にしておかなければならないと言う。昼寝をするように言う2人。不服そうにダックスはブリッジを出ていった。
ブリッジを出たところの通路で、また周りが暗くなり始めた。再び現われる仮面の男。誰なのか尋ねても、美しいと思わないか、と謎めいた答えしかしない。そのときドアが開き、2人のトリル人が駆け寄ってきた。無理矢理ダックスを連れて行こうとする。ダックスは1人を突き飛ばし、もう1人を殴ろうとしたところで、その相手がベシアであることに気づいた。もう1人の姿もなくなっている。しきりに周りを探すダックスだった。

※3: ここで1枚取ったのは…最後まで見ると分かります

※4: Torias Dax

※5: isoboramite

※6: symbiont と host と言います

※7: Trill Symbiosis Commision

※8: おそらく初登場

※9: レンホ Renhol (リサ・バーンズ Lisa Banes)


再びトリル星でダックスが検査を受けている。ベシアはアイソボラミンのレベルは上がっているのになぜまた幻覚をみたのか分からない。レンホルは急激なレベルの上昇が幻覚を引き起こしたのではないかと言う。ダックスは起き上がり、幻覚の中で見たトリル人は合体審査理事会の人だったと話す。候補生時代の辛い記憶からだろうと言うレンホルだが、その2人の制服は100年以上前の理事会の服だった。つまりジャッジアが候補生になるずっと前である。さらにジャッジア以外の本体は辛い思いをしていない。だがレンホルは記憶がごっちゃになることもあるだろうから心配ないといって出ていった。ダックスは幻覚の意味を知りたいと言う。ここにいたときの悩みを打ち明けてみればとベシアは言うが、ダックスは心理分析をするのではなく、答えが知りたいと話す。そして守護者※10に会えば何か分かるかもしれないと気づく。シスコが守護者と言うのは一生を共生生物の世話にささげた人たちのことだと説明する。
3人は守護者がいる洞窟の中に入っている。その中には泉があり、ダックスの話によれば洞窟の中でいくつもの泉がつながり、その中に共生生物が住んでいるそうだ。水面に2匹の共生生物が出てきた。お互いにエネルギーを出し、意志の疎通を行っている。その時奥から守護者の一人であるティモール※11がやってきた。泉の側に立ち、機械を水に近づけている。ベシアが近づこうとすると、ダックスは守護者は外部の人との接触になれていないので気をつけるように言う。ベシアが何をしているか尋ねる。だがティモールは答えない。もう一度聞くと、環境を調べていると答える。さまざまな要素を調査しているそうだ。ティモールはこきつかわれるときもあり、その時は落ち込む、と言う話をする。そして外の天気をベシアに尋ねる。いい天気だと答えるベシアに、ティモールは何年も日の光には当たっていないと言う。ふとティモールはダックスの名を呼んだ。初めて会うのに、ティモールはダックスのことが分かると言う。さらにダックスのおなかのところを触り、具合が悪いと言うティモール。夢を見ないかと尋ねる。ダックスは夢ではなく、幻覚をみると答えるとそれは記憶だと言うティモール。ティモールはダックスの本体と共生生物のバランスが崩れており、それはジャッジア以前の本体に問題があると言う。ティモールはダックスに一緒に来るように言うと奥に行った。シスコとベシアは洞窟を出て行く。
ディファイアントにダックスが戻ってきた。やはり以前の本体に問題があるそうだ。だがどの本体かは分からない。また、コンピュータが曲を見つけた。作曲したのはトリルの作曲家、ジョラン・ベラー※12。86年前のものだ。だがダックスは名前を知らない。コンピュータで呼び出されたジョランの顔を見た瞬間、ダックスの意識が飛んだ。中年のトリル人がパッドで作業をしている部屋の中だ。男の後ろに仮面をかぶった男が現れた。驚くダックス。仮面の男はとがった武器を取り出すと、いきなりそのトリル人の首につきたてた。あなたは誰、と叫ぶダックス。仮面の男はこうするしかなかったんだと言い、逃げ出す。ダックスは捕まえ、仮面を取ろうとする。だが仮面が光ったかと思うと顔が現れた。その顔はジョランだ。ダックスは急に意識が戻る。だが体が震え、倒れてしまう。ショック状態になってしまっているのだ。

※10: Guardians

※11: Timor (Nicholas Cascone)

※12: Joran Belar (Jeff Magnus McBride)


再びダックスはトリル星でレンホルの治療を受けている。組織の損傷がないのにアイソボラミンのレベルが下がっている理由が分からない。ワームホールの原因かもしれないというレンホル。48時間以内に元のレベルに戻らなければ共生生物を取り出すと言い出した。それはつまりジャッジアの死を意味する。だが第一に共生生物のことを考えなければならないというレンホル。変化があったら伝える、と言って出ていった。
シスコは守護者、ティモールに助けを求める。ダックスに以前の本体が原因だと教えてくれたことを言うが、それはただの推測だと言う。共生生物の世話をしなければといって、行こうとする。シスコとベシアはジャッジアが死にかけていることを強調するが、一緒に来てくれようとはしない。自分にできることは何もないと言うだけだ。脅されているのかと聞くシスコだがティモールは否定する。そして行ってしまった。2人はティモールが口止めされているに違いないと思う。ダックスの以前の本体を調べられたくないからだ。シスコ達は以前の本体に作曲家ジョランと関係あった者がいないか調べることにする。
ディファイアントでは、ベシアがトリルの中央データベースにアクセスし、ジョラン・ベラーのデータを調べている。だが情報がダックスのものに比べて少ない。確認してみるとやはり情報が消されていた。シスコはダックスの情報を呼び出すように言う。2人の情報を比べてみると、ジョランとトライアス・ダックスの死んだ日が同じであることが分かった。偶然であるはずがない。さらにトリル音楽アカデミーの記録を調べるとジョランの記録はなかったが、同じ姓を持つヨラッド・ベラー※13と言う人物がいた。まだ生きている。シスコは連絡を取るように命じる。
スクリーンにヨラッドが映し出された。ジョラン・ベラーのことを聞くと、ジョランは兄だと言う。2人は同じ音楽アカデミーを卒業したのだ。ジョランのファイルが消されていることを言うと驚く。トライアスのことを尋ねるが聞き覚えはないと言う。ヨラッドはジョランが合体候補生だったので、そのときの知り合いかもしれないと言う。合体審査理事会によればジョランは2年目で資格がないとみなされ、合体できなかったそうだ。さらにジョランは失格を言い渡した医師を逆恨みして殺し、逃げる途中に殺されたと言う。だがヨラッドはジョランが医師を殺したのは本当だと思っているが、その事件が起きる6ヶ月前、ジョランは以前とは違って自信にあふれた態度だったと言う。理由を聞くと、ジョランは合体したと言ったというのだ。だがそのときの共生生物の名前は分からない。シスコは礼を言うと回線を切った。シスコは再びダックスの記録をみる。そしてトライアスが死んだ後、ダックスはクルゾンと合体したのではなく別の体と合体したことを理解する。それは本来、合体するべきではなかったジョランである。

※13: Yolad Belar (Harvey Vernon)。相当年を取っています

ダックスのアイソポラニンレベルは44%まで下がってしまった。レンホルは共生生物を取り出すことを決め、部下に執刀医を呼ぶように言う。そこへシスコとベシアが入ってきた。ベシアがジョランのことを全て知っていると言うと、レンホルは部下を外へ出させた。共生生物が危ないと言うレンホルに、秘密のためにジャッジアを見殺しにするつもりなのかと反論するシスコ。秘密など知らないというレンホル。シスコは候補生から落とされたジョランにダックスが合体したことを言うとジョラン・ダックスと言う人物は記録にないと言う。記録を改ざんしたので当然だ、そしてダックスからジョランに関する記憶を全て消したからだというシスコ。その記憶が今になって表面に出てきているのだ。ジョランの記憶を消した理由を問うレンホル。シスコ達もその理由がはじめは分からなかったと言う。ベシアはレンホルに合体の資格を持つトリル人の割合を尋ねる。レンホルは取り合わない。ベシアはレンホルに次々と質問をしていく。合体できるのはは1000人に一人と言う割合で、それゆえ厳しいテストが課せられる。手違いで不適当な本体と合体した場合、拒絶反応が起こり3,4日で死んでしまう。それがレンホルの答えだ。だが実際は、ジョランは半年も生きていたというベシア。暴力的なジョランでも、それだけ生きることができたわけだ。シスコは本当は1000人に一人と言うのは嘘で、それを隠すためにジャッジアを見殺しにするつもりではないのかとレンホルに詰め寄る。黙るレンホル。シスコは秘密を暴露するつもりはない、だがジャッジアが死ぬようなことになれば大々的に暴露すると言う。レンホルはそんなことにすれば大混乱が起こると言った。共生生物の数は少ないため、金や力で奪うものが出てくるだろう、と。レンホルはトリル人の半分は合体できると本当のことを言った。ジョラン・ダックスのミスで明らかになったのだ。そしてこのことは何を差し置いても秘密にしておかなければならないと言うレンホル。シスコはジャッジアを救うように言う。だがそのためにはジョランの記憶を呼び戻させ、ほかの記憶と統合させなければいけない。もし失敗したら、ジョランがジャッジアの性格を上回ってしまう。シスコはジャッジアに任せようと言う。彼女の人生に関することであり、それは彼女が決めることだからだ。レンホルはため息をつき、ダックスを起こした。決めるのは君だから、と言うベシア。
ダックスはローブを来て、洞窟にやってきた。そして泉の前に立つと、ゆっくりとなかへ入っていく。前から共生生物がやってきて、エネルギーをダックスに浴びせる。すると水の中からジョランが現れた。「僕を知っていのるか」と尋ねるジョランに、「私の一部だもの」と答えるダックス。2人は抱き合った。エネルギーが流れる。腕の中のジョランは消え、ダックスだけが残された。
DS9のダックスの私室。ダックスは窓から外を眺めている。シスコが入ってきた。気分はどうかと尋ねる。ダックスはさっきもベシアが同じことをいってきたといって笑う。まだ気持ちの整理はついていないが、大丈夫だと言う。ジョランのことを分かってよかった、過去から目を背けてはいけないと。シスコはおやすみと言うと、部屋を出ていった。ダックスは椅子に座り、ジョランの曲を弾き始めた。


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