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ディープスペースナイン エピソードガイド
第61話「三匹の毒蛇」
Destiny

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・イントロダクション
宇宙暦48543.2。カーデシアと協力して、ガンマ宇宙域に亜空間通信中継機※1を設置することになった。成功すれば、ワームホールを通しての交信が可能になる。オドーはシスコに、カーデシアから来る科学者、ウラニ※2とギロラ※3の部屋の紹介をしている。シスコは温度を再設定するようにいう。レプリケーターもカーデシアの料理を出すようにしてもらったというオドー。保安部員も2名常に付き添わせる。シスコは目立たない様にと頼む。オドーはカーデシア・ベイジョー友に和平協定に反対する勢力は侮れないという。シスコはこれを機会に、プロムナードにカーデシア人がいるのにも慣れて欲しいと話す。
ダックスが入ってきて、亜空間通信中継器のトランシーバーのデータが届いたという。本当に動くかどうかは疑問だという。さらにクワークが、酒を運んで来た。クワークはギロラか、それともウラニの部屋かと尋ねる。ウラニだと答え、どうして名前を知っているんだと聞くオドー。固いこというなよというクワーク。2人のためにカナール※4を持って来たという。クワークの店への招待状も添えてある。こんな本物をどこで手に入れたのと尋ねるダックス。占領時代のものが3ケース倉庫に残っているが、カーデシア人以外には売れないというクワーク。これからは売れそうだというと、シスコはステーションに来るのは科学者2人だけだという。これから増えてきますよというクワーク。ダックスは金儲けの秘訣第34条と言って、「平和は商売のチャンス」という。だがクワークはそれは35条だという。34条は「戦争は商売のチャンス」※5で、間違え易いという。自分の予想では、カーデシア人がDS9に戻ってくるのも遠くないと話すクワーク。科学者とか外交官とかスパイとかというクワークに、オドーは店では誰でも歓迎だしなという。クワークは閉店するという隣の店を借りて、カーデシア人向けの娯楽センターを作る予定だという。ネズミ※6を戦わせるつもりじゃないだろうなと聞くオドー。そんな残酷なことはしないが、たまたま持ち込んだネズミ同士がけんかをはじめたら責任はないという。オドーとシスコはお前の責任だという。クワークはネズミはあきらめ、品薄になっている上等のカナールは3ケースもあると自慢する。ダックスはカナールの匂いを嗅いでいる。自分の店がカーデシア料理にかけては一番といわれるようにしたいと話すクワーク。ダックスはカナールをなめてみて、腐っていることがわかった。何と驚くクワーク。ボトルをもって帰るんだな、でないと毒殺を図った容疑で逮捕するという。クワークは出ていった。
司令官室にいるシスコに、キラがベイジョーからやってきたヴェデク・ヤルカが緊急に会いたいと言っていると伝える。入って来たヤルカ※7は、預言者からの警告でカーデシア人をステーションに入れてはならないという。もし入れれば全てが破壊されるといった。

※1: subspace relay

※2: Ulani

※3: Gilora

※4: Kanar DS9第42話 "The Wire" 「義務と友情」など

※5: No.34 "War is good for business." No.35 "Peace is good for business."

※6: vole カーデシアのハタネズミ。DS9第37話 "Playing God" 「宇宙の原型」に登場

※7: Yarka (エリック・アヴァリ Erick Avari TNG第107話 "Unification, Part I" 「潜入! ロミュラン帝国(前編)」のバイジック (B'Ijik)、ENT第6話 "Terra Nova" 「植民星テラ・ノヴァの謎」のジェイミン (Jamin) 役)


・本編
それは脅迫ですかと聞くシスコ。ヤルカはそうではなく、古代の書物つまり預言に書いてあるという。トレコールの第3の預言※8だ。私は知らないというキラに、もっと学ばなくてはというヤルカ。カーデシアの科学者が来ることは預言されていたんですかと尋ねるシスコ。そのとおりだというヤルカ。預言はこういうものだった。「川が目覚め、再びジャニールに戻るとき、三匹の毒蛇が空の巣に戻る。」※9ヤルカは川は目覚めたという。確かにクイヤルダム※10が完成し、川の流れがジャニール向きになったというキラ。3千年前にトレコールが預言した通りだとヤルカはいう。三匹の毒蛇がカーデシア人で、DS9が空の巣だという。シスコは立ち上がり、科学者たちが来ることがなぜ破壊につながるのかと聞く。ヤルカはトレコールの預言を続ける。「三匹の毒蛇が神殿の門をくぐりぬけようとするとき、星々の剣が天に現われ、神殿は炎に焼かれ門は開かれるであろう。」※11カーデシア人が来れば、預言者は失われてしまうだろうというヤルカ。シスコは落ち着くように言い、毒蛇すなわちカーデシア人がワームホールを破壊するんですかと聞く。亜空間通信中継機が完成すれば、カーデシア人が門をくぐりぬけることが可能になるというヤルカ。そしてワームホール、つまり神殿が破壊され、預言者は存在できなくなってしまうという。たとえそうだとしても、来る科学者は2人だけだというキラ。預言の解釈に間違いがあるのではといっても、必ず3匹現れるというヤルカ。このプロジェクトの重要性を訴えるシスコ。もし完成すれば、ガンマ宇宙域にいる船と連絡が取れるようになる。ドミニオンの動向も探れるが、ヤルカはそんな事はどうでもいい、今はベイジョー人存続の危機だという。一生を預言の研究に費やした私が言うのだから間違いないというヤルカ。ベイジョー議会は知っているのか尋ねるシスコ。カイ・ウィンも知っていると答える。議会からプロジェクトを早く進めるように要請が来ていますとシスコが言っても、みんな前兆を無視しているというヤルカ。だから直接あなたに会いに来たという。シスコは信仰には敬意を表するが、プロジェクトを中止するつもりはないという。考え直していただきたい、気持ちが変わるように信徒と共に祈ってもいいでしょうかと聞くヤルカ。もちろん自由ですとシスコが言うと、ヤルカは部屋を出ていった。シスコはキラにヤルカの背後関係をオドーに調べさせるように言う。トラブルは避けたいというシスコ。
カーデシア人女性科学者、ウラニ・ベロール※12とギロラ・レジャール※13が到着した。惑星連邦と宇宙艦隊を代表して歓迎するというシスコ。カーデシア政府も今回のプロジェクトに参加を認めていただき深く感謝しているというウラニ。両国の関係が末永く続くことを祈っているというギロラ。シスコはもちろんですといい、キラを紹介する。今回のプロジェクトが双方にとって新しい時代の幕開けになります様にというキラ。シスコは堅苦しい話はこれくらいにして、旅はいかがでしたと聞く。挨拶の文句をずっと考えていた、科学者なので口下手なのでという2人。御上手でしたよと誉めるシスコ。ウラニはぜひ中央司令部にそう伝えて下さい、ここ数日聞いたことのないようなガルからも任務の重要性を悟されたという。私も今朝だけで3度司令部から連絡があったというシスコ。ウラニはキラに来ることを許して下さってと感謝する。少し固い顔をしたまま、平和のためなら反対はしませんというキラに、私も同じ気持ちだというウラニ。シスコは科学者たちを案内する。
発信機の位置を説明するシスコ。ワームホールの出口の2キロ先だ。ウラニはトランシーバーは発信機の内部に収まるようにしているという。似たようなトランシーバーをテロックノール※14に、いえDS9にも置きますとギロラはいう。そちらの設計図を見た限りでは、ワームホール内の干渉を通過するために使う搬送波がよくわからないというダックス。さまざまなソリトンパルスを使ってみるというウラニ。それは我々もやってみたがうまくいかなかったというオブライエン。ベイジョー政府からデータを送ってもらったが、失敗の原因はトランシーバー内部のフェイズ変動にあるというギロラ。僕が調整し、変動は0.1%以下でしたがというオブライエンだが、それではぶれが大きすぎる、その半分以下でないとというギロラ。設計図を見せるようにオブライエンが言うが、そんな必要はないという。ウラニはシスコに、ステーションの信号発生アレイを調整する必要があるという。オブライエンが協力するというシスコ。準備ができればディファイアントでガンマ宇宙域にいき、中継器を設置した上でテストを開始するという。ウラニはわかりましたといい、長旅だったので部屋で休みたいという。部屋まで送らせましょうかと聞くシスコを断り、ありがとうといってウラニとギロラは出ていった。シスコはあんなに友好的な毒蛇は今まで見たことがないという。ダックスとオブライエンに、後で説明するというシスコ。ウラニが戻ってきて、後からデジャール※15という者が来るので部屋はと聞く。準備させましょうと答えるシスコ。ウラニは再び出ていった。シスコは今後の進行方針を話そうとするが、茫然としているキラに気付いた。カーデシア人が3人来るからだ。3匹の毒蛇、預言の通りになったわというキラ。

※8: Trakor's Third Prophecy

※9: "When the river wakes, stirred once more to Janir's side, three vipers will return to their nest in the sky."

※10: キアイ・ダム Qui'al dam

※11: "When the vipers try to peer through the temple gates, a sword will appear in the heavens, the temple will burn, and the gates will be cast open."

※12: Ulani Belor (Wendy Robie)

※13: Gilora Rejal (Tracy Scoggins)

※14: Terok Nor 以前のカーデシアでのDS9の呼び方

※15: デジャー Dejar


シスコにヤルカについての報告を行うオドー。ヤルカは2ヶ月前にヴェデクの称号を剥奪されているという。公式な理由は信仰に反することを教えたためだが、情報筋に寄ればヴェデク議会がカーデシアと和平を決めたとき、強硬に反対したのが原因らしいと話すオドー。預言を利用して和平協定をだめにしようとしているのかもしれないというシスコ。それに固執しているから、解釈にも色がついているのでしょうとオドーは言う。シスコにもそういう固執はあるでしょうというオドーに、シスコは私はしない、プロジェクトの成功は誰よりも強く望んでいるが、ワームホールにダメージを与えるとすれば直ちに中止するつもりだという。オドーはそういうことではないという。司令官はベイジョーにとっては神殿を発見した選ばれし者だが、私の見る限りそれを嫌がり距離を置こうとしているというオドー。シスコはため息をつき、否定はできないという。オドーは人間には誰でも固執するものがあるが、それが知らず知らずの内に判断に影響を及ぼすことがあると言った。
診療室にモーンが来たことをキラに話すベシア。クワークが出した腐ったカナールで中毒を起こしてしまったのだ。賠償を求めればいいのにと言うキラだが、店のおごりで出されたものだからと言うベシア。ヤルカが近づいてきてキラに話があるという。ベシアはその場を離れた。ヤルカはシスコを説得してくれたか聞く。説得するつもりはないというキラに、それは困る、聖なる神殿が破壊されてしまうというヤルカ。預言は信じるが、私の立場も分かって下さいというキラ。シスコは上官であり、それが基本だという。選ばれし者とは思うが、仕事と信仰は別ということかというヤルカ。キラは3年間それで通してきたという。これからはそうはいかない、選ばれし者の判断は全ベイジョーに関わり、シスコに正しく決断させなければならないとヤルカは言う。星々の剣が現れる前にカーデシア人を追い返さなければならないという。預言者が望んでいるのだから背を向ければ信仰を捨てることになるというヤルカ。信仰を捨てたら、一体何が残るといってヤルカは歩いていった。
ダックス、オブライエンとカーデシアの科学者たちはバーで座り、話をしている。第一共和制の詩人、例えばプリムのイロージャ※16が最高だというダックス。オブライエンはつまらなさそうだ。異国の人とカーデシア文学について話せるとは思わなかったというウラニ。実はイロージャと会ったことがあると話すダックスにギロラはとても驚く。過去の本体のトビン※17が、イロージャのヴァルカン訪問中に会ったのだ。すごく気の短い人だったという。クワークが3人目のカーデシア人、デジャール※18を連れてやって来た。ダックスとオブライエンを紹介するギロラ。随分早く着いたのねというウラニに対し、デジャールは特別に船を出してもらったという。クワークは今夜みなさんのために、特別にカーデシア料理を用意させてもらったという。トジャールのヤモックソースかけ※19と、レゴヴァの卵※20だ。レプリケーターではなく本物だと自慢するクワークだが、ウラニとギロラは嬉しい顔をしない。デジャールは次々食べている。ダックスがどうかしたのと聞くと、2人はカーデシア料理はあまり好きじゃないと答えた。なるべく食べずに済ませたいとギロラが言い、ダックスとオブライエンは笑った。科学者はほかの星のおいしい食べ物に出会うチャンスに恵まれているからというウラニ。デジャールはそれは科学者のおごりで、一般人より優れているとつい錯覚してしまうのですといった。
ギロラとオブライエンは、司令室でトランシーバーの調整をはじめる。ギロラは連結器があった場所を見て、何かしたのと尋ねる。手を加えたというオブライエン。前のに比べてキャパシティがぐっと落ちていて、トランシーバーの信号を受けられないというギロラ。宇宙艦隊の規定に合うように作り替えたとオブライエンはいう。第2バックアップを作ったというと、宇宙艦隊はバックアップを2個も作るわけというギロラ。2つが同時に壊れることはまずないでしょという。万が一に備えてというオブライエン。ギロラは立ち上がり、これからどうするかを考えなきゃとパッドを操作し始める。オブライエンの意見も聞こうとしない。静かに座って待ってましょうというオブライエンに、ギロラはそれならお茶を持ってきてといった。言う通りにするオブライエン。
ディファイアントにはウラニとデジャールも乗り込み、通信中継器の積み込みも完了した。オブライエンとギロラの作業は問題はあるようだが、4時間でトランシーバーを動かせるようにするという。司令室から発進許可が出た。シスコはドッキングクランプを解除しワームホールに向かうように言う。
ガンマ宇宙域にはドミニオンの気配や船はない。だが予定の位置にいこうとすると、ダックスが巨大な氷とガスを探知したという。彗星のようだ。スクリーンに映し出される。美しいわというウラニ。彗星の核にはシリシウム※21が大量に含まれているため、尾が明るいという。キラはそれを見て星々の剣、とつぶやいた。

※16: Iloja of Prim

※17: Tobin Dax 第2の本体。DS9第24話 "Invasive Procedure" 「突然の侵入者」

※18: (Jessica Hendra)

※19: tojal in yamok sauce

※20: Regova eggs

※21: silithium


彗星を随分ロマンチックな言い方で表現なさるのねというウラニ。あまりに綺麗だったのでとキラは言う。星々の剣はワームホールのごく近くを通るが支障はないというウラニ。予定の位置に到着し、通信中継機の最終チェックを行うことにする。1時間以内に設置するというシスコ。そしてシスコはキラのコンソールに近づき、話があるといった。
部屋に入る2人。星々の剣に見えたというキラに、ブリッジでトレコールの預言を出すのは止めて欲しいというシスコ。ウラニたちが聞いたら気分を害するのは目に見えているという。これからは気を付けますというキラ。シスコはよしというとベッドに座り、やはり預言は現実になると信じているようだなという。信じていますと答えるキラ。川はジャニールに流れ、三匹の毒蛇に星々の剣。預言の通りだという。それにあなたは選ばれし者、今こそ預言された通り決断を下すときですというキラ。君も私のことをそう見ているのかと聞くシスコ。キラはうなずき、そう見ていたんだと思うという。自分では認めたくなかっただけで、聖者の下で働くのは大変ですからねという。シスコは信仰にけちを付ける気はないが、自分を聖者だと思ったことはないという。艦隊士官として任務を果たす義務があり、中止するとしても具体的な理由がいるという。ならこれはどうですかといい、預言者、ワームホールにいる生命体は、時の流れの外にいるので過去も未来も知っているというキラ。その未来のことを預言として書き残したのがトレコールだという。私には十分事実に基づいていると思えるというキラ。シスコは、しかしそれは何世紀にも渡って翻訳されつづけられて来た文章を、どう解釈するかにかかっているという。比喩だらけで、君には星々の剣でも私には彗星で、毒蛇でも科学者だという。そして君には選ばれし者でも、艦隊士官に過ぎないという。そこへダックスから通信が入り、通信機の設置準備が完了したと伝える。シスコはすぐ行くといった。
引き続き作業を行うオブライエンとギロラ。ギロラがODNラインを補助フィールドコイルに切り換えれば終わりというが、オブライエンが新しいものにとりかえていたため変更はできなくなっていた。よくカーデシア人はあんなのでステーションを動かしていたものだというオブライエン。なぜコイルを取り替えたことを黙っていたのと聞くギロラ。君が何をするのか教えてくれれば言っていたというオブライエンに、いちいち説明する暇はないという。経験から言って、というギロラ。地球人は馬鹿ということかと聞くオブライエンに、そうじゃなくて男よというギロラ。男には機械いじりの才能がない人が多く、だから科学者には女性が多いという。カーデシアはそうでもここじゃ違う、テクニカルチーフは自分で、一番よく知っているというオブライエン。トランシーバーを動かしたいなら、そのレーザートーチをよこしてどいてろという。ギロラは手渡し、言う通りに引き下がった。作業を行うオブライエンを後ろから見ているギロラ。
亜空間通信中継器が設置され、通信機の送信リレーを作動させれば完了だ。リレーからのテスト信号を受信した。ウラニはリレーをワームホールに向けて、デルタ帯搬送波の送信を開始するようにいう。搬送波の送信開始。DS9に届けば、確認信号が戻ってくるはずだ。だが反応はなく、次はシータ帯を試すウラニ。だが送信した直後、ワームホールでニュートリノが異常に高まっているというダックス。そしてワームホールの口が開いてしまう。揺れるディファイアント。一気に重力移動が増大してしまっている。シスコは搬送波の停止と位置の補正を命じる。ワームホールは閉じ、揺れも収まった。搬送波がワームホールに影響を与えるはずはないというウラニ。中継器には異常はない。今の重力フィールドの変動により、彗星の進路が変わり真っ直ぐワームホールに向かっているというダックス。ワームホールに行けば、シリシウムがカスケード反応を起こしてしまう。そうすればワームホールは崩壊するというダックス。


彗星がワームホールに着くまで5時間弱。シスコはDS9に戻り、科学チームを招集した。搬送波がワームホールの中で一種の亜空間反転を引き起こしたのは間違いないというダックス。シミュレーションでもその可能性はあったというウラニ。データは受け取っていないとオブライエンが言うと、亜空間反転が起きる可能性は2%以下で、データには含めなかったというギロラ。カーデシア人の科学的アプローチは大雑把だからな、我々はありとあらゆる可能性を確かめてからでなければ実験を行わないことにしているというシスコ。ウラニはデジャールをちらりと見て、もちろんそうしたいのだが科学省は軍部の支配下にあり、守らなければならないことがあるという。例えばプロジェクトに否定的な見通しを言ってはならないと言うことである。中継器の設置再開に当たってはそれを忘れない様にするというシスコ。だがデジャールは設置は中止した方がいいという。不手際を反省し、科学省は新しい科学チームを招集するだろうと言うデジャール。しかしそれはカーデシアの内政問題でしょうと言うシスコ。トラクタービームで引き戻そうとしても、使えば彗星は粉々になりますます手におえないというダックス。フェイザーで破壊しても同じだと言うギロラに、オブライエンはフェイズアレイを調整して彗星全体を覆える幅にすればいいという。瞬間的に蒸発させるつもりだ。どれくらいかかると聞くシスコに、3時間ですねと答えるオブライエン。すぐに取り掛かるように言うシスコ。
ジェフリーチューブ内で作業を行うオブライエンとギロラ。メインフェイザーリレーをワープドライブにつなぐ。オーバーロードにならないかと聞くギロラ。プラズマエミッターにバイパスするというオブライエンに、考えたわねと顔を近づけるギロラ。オブライエンはギロラに道を通してもらい、緊急停止しない様に作業にとりかかる。ギロラはおもむろにオブライエンの手で、自分の腕を握らせた。がっしりした手ねという。いつも力仕事をやっているから、次はバイパスを付けようかというオブライエン。ふいにギロラは安心して、私は多産系だからといった。思わず頭をぶつけるオブライエン。健康な子供はたくさん産める、そのことは心配しないで、でも子供の心配は早すぎるというギロラ。子供と聞き、何のことだというオブライエン。僕には妻も子供もいるという。結婚してるのと聞くギロラ。じゃあなぜ私の気を引いたりしたわけ、誘ったでしょとギロラは聞く。議論のほかには何もしていないじゃないかというオブライエン。男が必要以上に突っかかってくるときは、体目当てに口説く時だという。オブライエンはカーデシア人らしいやと笑った。ギロラは私の誤解だったみたいと恥ずかしがる。カルチャーショックかしらというギロラに、僕は君には何の興味もないという。だが慌ててオブライエンは魅力はあると思うけどと続ける。それ以上言わないでというギロラ。あなたの気持ちは分かったわといい、チューブの中を進んでいってしまう。仕事を終わらせないととオブライエンが言っても、それくらい一人でできるでしょうとギロラは行ってしまった。
司令官室にダックスがやってきて、後30分でフェイザーの準備ができると報告する。予定より早いなというシスコ。生まれながらのエンジニアは、いつも時間に余裕を見て予測を立てるというダックス。シスコが何か考えている様子を見て、選ばれし者についてのベイジョーの預言を読んでいるんでしょうという。何百もあり、曖昧や矛盾もあるが真実もあるというシスコ。解釈の違いによるが、実現したものもある。トレコールの預言を信じているのと聞くダックス。シスコは無視できないという。彗星ならフェイザーで消滅させられるというダックス。わかっているが不安が膨らむというシスコ。ダックスはトレコールの預言を聞いてなかったらどうしたかと聞く。プロジェクトを続行しただろうというシスコ。どうするかはあなたが決めることだとダックスは言った。シスコは読んでいたコンピューターを停止させると、ディファイアントにカーデシア人を乗船させるように命じる。微笑み、了解と言うダックス。
再びガンマ宇宙域にやってきたディファイアント。彗星は前方200キロにあり、10キロにまで近づくように言うシスコ。フェイザーもロックオン済みだ。10キロ地点に到達、シールドアップと非常警報を発令し、シスコはフェイザーを発射させた。だが彗星の中心めがけて連続的に発射され、彗星は爆発する。ディファイアントの中ではコンソールが爆発を起こした。オブライエンは武器リレーが全部吹っ飛び、全防御システムもダウンしているという。発射されたのは調整されたものではなく、通常のフェイザーだった。そのため彗星は砕けてしまったというダックス。起こり得ないというオブライエン。キラは破片が3つ、ワームホールに向かっていると言う。入り口に到達するまで26分しかない。武器がなければ破片を止める手だてはないというシスコ。


オブライエンはフェイザーアレイを調整しているとき間違ってパワーの流れを逆にしてしまったことを突き止める。だがそれは単純なミスで、エンジニアの1年生でも間違えるようなことではない。デジャールを見るウラニ。ギロラはあなたのせいでもなく、事故でもないという。ウラニが止めようとするが、ギロラはデジャールが科学者ではなく監視するために来たオブシディアンオーダーのメンバーだと言うことを明らかにした。デジャールが連結器をだめにしたと言う。オーダーは和平協定に反対しており、初の共同事業に水を差すつもりだったのかと問うシスコ。デジャールは証拠はあるかと聞くが、破壊工作だとすれば、連結器にDNAスキャンをかければすぐに分かるというキラ。シスコは保安部員にデジャールの拘束を命じる。連れて行かれるデジャール。シスコは彗星の破片をトラクタービームで方向を変えるように言うが、それではやはりさらに砕け、シリシウムを撒き散らしてしまうことになる。どうすればいいというシスコ。ダックスは何らかのフィールドで覆ったらという。3つの破片を亜空間フィールドで覆うことを提案するウラニ。ワープドライブで船の周りにフィールドを張れば可能だ。だがそのためには破片の中にディファイアントをもっていかなければならないが、スペースがないというダックス。シスコは小型のシャトルポッドで亜空間フィールドを作ればいいという。エンジンがオーバーロードしたらというオブライエンだが、シスコはそれくらいのリスクは仕方ないという。そしてキラにブリッジを頼み、ポッドに乗り込むという。私がポッドに乗って離れたら、ただちにアルファ宇宙域に戻るように言う。キラは自分もいっしょに行くと言い、副司令官としてだけではなく、選ばれし者の助けになりたいという。シスコはダックスにブリッジを頼んだ。
ポッドの切り離し完了、ディファイアントはワームホールへ向かった。彗星の破片の後ろに回り込む。※22
ディファイアントはアルファ宇宙域に戻って来た。ダックスは入り口のところで停止し、いつでも転送収容できるように転送機をスタンバイさせる。
ポッドは定位置についた。亜空間フィールドを作動させ、破片を包む。ワームホール入り口まで後5秒。入り口が開き、中へと進んでいく。だがフィールドが不安定になり、シリシウムが漏れ始めてしまう。エンジンのパワーを流用し、後は慣性でワームホールを抜けることにする。まだ漏れはあるが少し安定した。
ディファイアントではニュートリノの増加を感知し、ワームホールからポッドと破片が出て来た。ポッドは破片から離れる。安堵の息をもらすシスコとキラ。ダックスから大丈夫と通信を入る。ワームホールに少量のシリシウムが漏れ出してしまったが無事だというシスコ。
オブライエンは信じられないという。ガンマ宇宙の中継器からテスト信号が入ったのだ。ダックスとオブライエンは、彗星の破片のシリシウムが亜空間フィラメントとなってワームホールから伸び、それが搬送波になっているらしいと推測した。シスコはまるでワームホールにくさびが打ち込まれて裂け、わずかに信号が通れるだけの裂け目が開いたようだという。預言は、その全てが本当だったわというキラ。ただ解釈が間違っていただけという。三匹の毒蛇はカーデシア人ではなく、彗星の破片のこと。通信を試みたことは神殿の門をくぐりぬけようとしたことであり、シリシウムはワームホールを熱し、つまり神殿は焼かれ門は開かれた。その全ては選ばれし者が星々の剣を使ったからというキラ。3千年も前に全ては預言されていたんだとシスコは言った。
オブライエンは、デジャールのことを言ってくれたおかげで救われたとギロラにお礼を言う。カーデシアに戻って面倒なことにならないと聞くと、科学省が守ってくれるというギロラ。面倒なことになるのは私よりデジャールよ、オーダーは失敗には異常に厳しいからという。勇気ある行動だと誉めるオブライエン。ギロラはみていられなかっただけ、あなたは仕事に誇りを持っているからという。もち過ぎかもしれない、おかげでよく人と衝突するんだと言う。ギロラは奥さまの名前はと聞く。ケイコと答えると、ギロラは羨ましいわと言ってオブライエンのほおにキスをした。そしてエアロックの中に歩いていった。
ヤルカはシスコに謝っている。カーデシア人への不信感のあまり、解釈を間違ってしまったという。預言者も両国の和平を望んでいるんですよというシスコ。トレコールの第4の預言が実現する前兆も出ているというヤルカ。私は出てこないでしょうねというシスコ。実はこれも選ばれし者についての預言だという。それはこういうものだった。「選ばれし者は厳しい裁きに直面し、選ばねばならぬ。」※23

※22: ディファイアントのシャトルポッドは初登場です

※23: Trakor's Fourth Prophecy "The Emissary would face a flery trial and that he would be forced to made a difficult decision."



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