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ディープスペースナイン エピソードガイド
第72話「忍び寄る可変種の脅威」
The Adversary

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・イントロダクション
宇宙暦48959.1。「中佐として日誌をつけるのも最後である。3年間は試練も多かったが報われることも多かった、これからも更なる努力を惜しまずにいく」と日誌のシスコ。
ジェイクはこれまで言おうと思っていたが、今日初めていうというセリフだとシスコにいう。シンプルにいくよ、といい、憲章をシスコの肩につける。「おめでとうございます、シスコ大佐」というジェイク。部屋中のクルーから拍手が沸いた。キラが憲章が増えたから意見を聞いてくれなくならないか聞く。いいや、しかし完全無欠だと笑うシスコ。ダックスはクルゾンも喜んだだろうが自分の方が嬉しいという。嬉しいといい抱き合うシスコ。人間が階級にこだわる理由は分からないが、あなたこそ最も昇進にふさわしいと握手をするオドー。エディングトン※1は階級にこだわる人間として、おめでとうございますという。オブライエンも大佐といってシスコの昇進を祝った。クワークが乾杯のため、シャンパンを運んで来た。レプリケーターのじゃないだろうなというベシア。クワークはシャトー・クレオンの2303年ものだ※2といい、ベシアのツケにしておいたという。ジェイクにも少しなら飲んでいいというシスコ。オブライエンが艦隊の最も勇敢な艦長に、昇進が遅すぎたくらいだといい、乾杯といった。すぐにのみすぎだといってジェイクを止めるシスコ。シスコに近づいてくる男性がいる。連邦のクラジェンスキー大使※3だ。2人で奥の方に歩く。憲章の星が似合うが、私は祝いに来たわけではないという。何かありったんですかと聞くシスコ。クラジェンスキーは、情報部によるとツェンケチ※4でクーデターが起こったらしいという。誰が次のリーダーになるかはわからないが、ツェンケチの領域にそって点在する連邦の植民地もある。2日後にディファイアントでパトロールに出かけ、自分もオブザーバーとして乗り組むというクラジェンスキー。ディファイアントの噂は聞いているというクラジェンスキーに、素晴らしい船というシスコ。そろそろパーティーに戻るかというクラジェンスキーと共にみんなのところに戻る。歌を歌って出迎える一同。万歳の声が巻き起こる。シスコはジェイクと肩を組んで喜んだ。
ディファイアントの機関室※5に、シスコとオブライエンがやってくる。ディフレクターシールドジェネレーターと、ターゲットセンサーのオーバーホール、それに光子魚雷の補充を頼むシスコ。ツェンケチとトラブってもびくともしないようしておくと答えるオブライエン。シスコは出て行く。一人で作業を始めるオブライエン。後ろで何か物音がした。大佐と呼ぶが返事はない。見回すオブライエン。空耳か、年だなといって再びオブライエンは作業に戻った。

※1: マイケル・エディングトン Michael Eddington (ケネス・マーシャル Kenneth Marshall) DS9 第67話 "The Die Is Cast" 「姿なき連合艦隊(後)」以来の登場

※2: シャトー・リオン Chateau Cleon 68年前のもの

※3: Krajensky (ローレンス・プレスマン Lawrence Pressman DS9 第51話 "Second Skin" 「恐るべき過去」のテキニー・ゲモール役)

※4: ツェンケティ Tzenkethi

※5: 初めて登場


・本編
これからシスコはDS9の司令官としてだけではなく、ディファイアントでは艦長と呼ばれることになる。シスコはダックスとターボリフトに乗っている。もうイエイツに話したのと聞くダックス。父にさえまだ通信しておらず、イエイツがどこにいるのかもわからないというシスコ。亜空間通信なら連絡が取れるのに、といってイエイツが働いている惑星をいうダックス。シスコは直接話すという。ステーションに帰ってくるときをダックスが聞くと、1ヶ月後とシスコはいう。驚き、遠距離恋愛ほど長続きしないものはないというダックス。恋愛ではなく一度食事をしただけだというシスコ。わかったよ2度だというが、ダックスは3度だという。イエイツは面白いというシスコに、それからと聞くダックス。もっと気の利いたことを言えないのというダックス。キラもオブライエンもベシアも、成り行きを見守っているという。わかったよといい、ホロスイートで野球の試合を楽しむつもりだといってやれというシスコ。やっぱり好きなのねえと喜ぶダックス。
既に大使もブリッジにいる。シスコは各部署の報告を求める。舵、戦闘準備、通信システム準備完了、ワープおよび通常エンジン正常である。クランプ解除を命じ、反動推進エンジンを作動させるシスコ。ワープ8でツェンケチの国境に向かうようにいう。了解、艦長というダックス。
オブライエンは1人でジェフリーチューブの中で作業をしている。その時、奥から物音がした。呼びかけても返事はない。オブライエンは手を休めると、音のした方へ向かう。再び物音がした。長く続くジェフリーチューブの奥には誰もいない。だがいきなり前からベシアが現われ、驚くオブライエン。呼んだかいと聞くベシア。なぜ返事をしなかったのかと聞くと、スパナを加えてたからだという。新しいコンソールを医療用グリッドに接続していたというベシア。オブライエンは自分がやってあげたのにというが、ベシアは通信教育でエンジニアリングを習っていて、オブライエンは忙しそうだしという。どこへ行くんだと聞くオブライエンに、ベシアはもう終わったといって戻っていった。オブライエンは不思議な顔をすると、ベシアが作業した隔壁を開けて中を見る。初心者にしちゃ上等だというオブライエン。
シスコのところにお呼びですかとエディングトンが入って来た。大使のことだというシスコ。ツェンケチと戦うつもりはないが、もし攻撃を受けた場合大使の安全は確保したいという。攻撃を受けたら即刻大使をブリッジから待避させるというエディングトン。きっと激怒するぞというシスコに、気にしませんからと答えるエディングトン。頼むぞ、それだけだというシスコ。エディングトンは出て行く。だが立ち止まり、この前のパーティーでオブライエンが昇進が遅すぎたといったことは、私も同感だという。嬉しいが何が変わったわけでもないというシスコ。エディングトンはうらやましいという。宇宙艦隊に入隊するものの多くは、将軍などになりたいのではなく現場の指揮官になりたくて入隊するという。私もその一人だったが、金色の制服ではそれもできないというエディングトンに、保安部門から指揮部門に移るのはいつでもできるというシスコ。誰が大使を守るんですというエディングトンにシスコは笑う。以上だというシスコに、感謝しますといいエディングトンは出ていった。
艦長日誌、宇宙暦48962.5。ツェンケチまで後12時間。ツェンケチと連邦が戦った最後の戦争※6以来、シスコが来るのは久しぶりであるが、思い出は悪いものばかりだ。オドーがバリサプライム※7から遭難信号を受信したと報告する。映像はなく音声だけである。再生しろというシスコ。内容はツェンケチの戦艦から猛攻撃を受けているというものであり、途中で途切れていた。もう一度信号を拾えないかというシスコ。オドーは操作するが、信号は拾えなかった。

※6: Federation-Tzenkethi War

※7: Barisa Prime


通信は途絶え、ツェンケチと交戦状態に入ったと認識せざるを得ない。ダックスに最大ワープでバリサプライムに向かうように言うシスコ。オドーには艦隊司令部に連絡するように言う。キラに最も近い宇宙船の位置を聞くシスコ。最も近くにいるのはユリシーズ※8で、ヘラスポント星雲※9で原子惑星の調査を行っているという。最大ワープでも20時間はかかるといい、ダックスにユリシーズのエンテベ艦長※10へメッセージを送るようにいうシスコ。その時オドーが艦隊司令部と連絡が取れないという。通信システムの内部でエネルギー変動が起こっているようだ。ダックスも通信を行うことができない。オブライエンはコンソールは正常で、トランシーバー集合体に異常があるんでしょうという。早くシステムを正常に直すようにシスコに言われ、ダックスと共にブリッジを出て行くオブライエン。舵は代わりにキラが行う。
オブライエンとダックスが隔壁を開けると、そこには奇妙に動く管のようなものがたくさんあった。寄生虫のようだというダックス。重要なところに食い込んでいるようだ。取り除こうとするオブライエン。だがフォースフィールドが張られており、無理だ。オブライエンはほかのシステムもチェックしましょう、何だか嫌な予感がするという。
その動く管は主なシステムのほとんどに侵入していた。フォースフィールドを貫通する方法もないというオブライエン。シスコはどうやって船に入ったのか、つまりどこのどいつがこれを持ち込んだのかという。ステーションを出た後には間違いないというオブライエン。出発前にチェックを行ったからだ。ということは今も犯人がいることになるというシスコ。乗り組んでいるのは48人で、理論的には誰でも犯人の可能性があるというダックス。オブライエンは何か考えているようだが、大したことではないという。シスコが気になることがあるんだろというと、昨日ジェフリーズチューブで珍しい人に会った、ベシアだという。作業していたところは通信リレーのすぐ隣だというシスコ。ベシアが犯人だというのというダックス。まずはベシアに聞いてみなければというシスコに、もっといい方法があるとダックスは言う。
シスコはブリッジに上級士官らを集め、一人一人を信頼しているが残念ながら犯人がこの中にいるという。エディングトンは許可をもらえれば尋問するという。だがそんな必要はないというシスコ。ダックスが説明を始める。犯人はワープドライブコンジットの中にも寄生虫を仕掛けていた。つまりテトリオン粒子を体に浴びていることになる。まだテトリオン粒子が残っているわけかと尋ねるクラジェンスキー。まだ今の内なら大丈夫というオブライエン。その反応を調べれば犯人とわかるわけだというオドー。シスコは司令部スタッフから調べるという。ワープ航行コントロールを開けたため自分とオブライエンは陽性反応になっている。ほかに陽性のものがいなければ、2人のどちらかが犯人になるということだ。まずはシスコがトリコーダーで調査を受ける。陰性だ。嬉しいねというシスコ。次はキラ。同じく陰性である。ベシアの番になった。エディングトンは密かにフェイザーに手をかける。だが陰性だった。ほっとした声だなあというベシア。オブライエンはコンジットに入っていただろうという。ダックスは続けてクラジェンスキーの検査に入る。ベシアはコンジットには入っていないという。トリコーダーを見ていたダックスの顔が変わった。クラジェンスキーはニヤリと笑うと、体を液体状に変化させ、逃げ去った。可変種だわというキラ。オドーはただ驚くだけだった。

※8: U.S.S. Ulysses ネビュラ級、NCC-66808。しつこいようですが戦艦ではありません^^;

※9: Helaspont Nebula

※10: Entebe


船は遮蔽に入った。ダックスにエンジンの全面停止を命じるシスコ。オドーとエディングトンに可変種を早急に見つけるように指示する。だがワープや遮蔽を止めることはできない。武器アレイも作動し、フェイザーと光子魚雷の準備まで整ってしまった。船のコントロールが効かないというダックス。
エディングトンは保安班総出で可変種の捜索に当たり、尋問も行ったが見つけることはできなかったと報告する。転送された可能性はと聞くシスコ。通常はワープ中には不可能だが、ドミニオンの技術なら可能かもというエディングトン。だがオドーはまだ船にいるという。任務を終えるまではというオドーに、任務とはと尋ねるベシア。シスコはどうやらドミニオンはツェンケチと連邦の間に戦争を引き起こさせたいようだという。ツェンケチは植民地を襲ってくれたのにというキラ。シスコはそれもドミニオンが仕組んだのかもしれないという。寄生虫の仕業かも、というより今回の任務自体ドミニオンが画策したものかもというシスコ。艦内に本物のクラジェンスキーの痕跡が見当たらないためだ。DS9に来た時点で、もしくはそれ以前から入れ替わっていたのだ。全部嘘だったんですねというベシア。ツェンケチ領内に入る前に船を止めなければ戦争になるというシスコ。それこそ同胞の願いだというオドー。戦争でアルファ宇宙域が不安定になれば、ドミニオンの付け入る隙ができるからという。せめて内部センサーが動けば可変種の動きを突き止められるのにというエディングトン。オドーは無理だという。岩に化ければ岩としか探知されないからだ。自分は無理だがあの可変種は完璧に人間に化けられるというオドー。テトリオン粒子を調べたときも人間と検出されている。何にでも化けられるのねというキラ。シスコは化けられる範囲を狭めるため、最低限のクルー以外はフォースフィールドで隔離しようという。ベシアにトリコーダーの数値を見直し、可変種を探す決めてを探すようにいうシスコ。護衛も忘れずつけるように、単独行動は禁止だという。ツェンケチの領域に入るまでには後7時間あり、それまでに見つけなければというシスコ。エディングトンは難しいという。可変種は何にでも化けれるため、気付いたときには手おくれだからだ。
主要クルー以外のクルーはオドーに連れられ、フォースフィールドの中に隔離されていく。ベシアは一緒に来た護衛に少し時間がかかるといい、部屋の中に入った。
保安班にはフェイザーが配られる。目盛りは気絶にして、くれぐれも仲間を撃たない様にと指示するエディングトン。オドーに武器を持たなくていいのかと聞く。オドーは武器を持ったことはないという。それに可変種が同胞を傷つけることは決してないという。第1号にはなりたくないというオドーに、相手はそうは思っていないというエディングトン。船が止まらなければオドーが傷つくというと、そうかもしれないというオドー。だが人間として保安部主任をやってきて、一度も武器を使ったり殺したりする必要は感じたことがないという。これからも武器を使うことはないというオドー。その時オブライエンから至急機関室に来るように通信が入る。すぐに向かう2人。
機関室ではダックスが気を失い、オブライエンが付き添っていた。ベシアもやってくる。オブライエンがちょっと目を離した隙に可変種にやられたという。脳震盪だというベシア。ダックスは医療室に運ばれる。オドーはオブライエンのところに部下を一人残すと、エディングトンと共に離れた。オブライエンはシステム修理チームに機関室に来るようにいう。
ブリッジ。ベシアによると、ダックスは昏睡状態で回復するには2,3日かかるという。シスコがもっと早く回復させることはできないのかと聞くが、方法はあるがお勧めできないというベシア。オブライエンにダックスの分もがんばってもらうしかないというシスコ。残念ですがといい再びベシアはダックスのところに戻る。あの可変種は賢いというキラ。ダックスがいなければシステムの回復はそれだけ遅れるからだ。シスコはこれだけは言っておくといい、もしツェンケチ領内に入るまでにシステムが回復しなかったら、ディファイアントを自爆させるという。


シスコはブリッジに士官を集め、説明を行う。目標は可変種を一刻も早く見つけ出し、捕らえること。2人一組で行動するようにいい、フェイザーライフル※11を持たせる。膨張エネルギーパルスが出るように調整しているため、機械に当たっても壊れないが可変種の動きを止めることはできる。シスコは、可変種が何に姿を変えているかわからないため、船内のありとあらゆる場所を掃射していくという。もし敵がいれば、必ずわかるというシスコ。ほかに質問はというと、ボリアン※12の士官がもし我々の中に可変種が紛れ込んでいたらと聞く。シスコはそのために2人で行動するという。常にパートナーから目を離さず、もし1人のクルーを見つけたら監禁室に連れて行くように言う。行動開始。各クルーはフェイザーライフルを受け取った。
キラはボリアンと行動している。隔壁を開け、フェイザーをコンジット内に撃つキラ。敵はいない。行きましょうというが、ボリアンはお先にという。信じてないのと聞くキラに信じていませんと答えるボリアンの士官。その気持ち良く分かるわと皮肉たっぷりに言うと、キラは奥へ進む。
オドーとエディングトンがジェフリーズチューブを進む。フェイザーを撃つエディングトン。しきりに汗をかいており、オドーに汗をかかないのかと尋ねるエディングトン。かかないと答えるオドー。フェイザーの熱で温度が上がっているんだろうという。可変種がどこに隠れているのかわからないのか尋ねるエディングトン。見当もつかない、私は彼じゃないからと答えるオドー。でも同じ民族だから彼の立場で想像してみろというエディングトン。考えてみたが、同胞をそこまで詳しく知らないとオドーはいう。残念だというエディングトン。私もだというオドーに、みんなにとってもなという。奥へ進む2人。
シスコもパートナーと共に階段を降りている。合図に合わせて奥に入ろうとした瞬間、パートナーのクルーが可変種に首をつかまれ、壁に頭を打ちつけられ殺されてしまう。シスコはコミュニケーターで可変種が逃げた場所を伝え、フェイザーを撃つ。
オドーたちやほかのクルーも向かう。ジェフリーズチューブを抜けたシスコが隔壁を開けると、いきなり目の前をフェイザーが通った。ボリアン士官が可変種がいるという。奥から出て来たのはキラだ。シスコに合流しようと少し離れただけで撃ってきたという。だまされるものか、角を曲がるのをみたというボリアン。誰もみなかった、もしかしたら液体化して換気口に入ったかもとキラはいい、もしかしたらあなたが可変種じゃないのとボリアンにいう。シスコは2人に向けてフェイザーを構え、武器を下ろすようにいう。ボリアンは従おうとしない。だが後ろからオドーに殴られ、ボリアンは倒れた。エディングトンも駆けつける。シスコは離れていた時間を尋ねる。1分ほどだと答えるオドー。困ったことになったというシスコ。この中に5人の中に可変種がいるかもしれないという。オドーはシスコにではないという。血が出ているからだ。襲われたとき血が出たというシスコ。可変種は体の一部を切り離されると原形を保てず、液体化してしまうというオドー。シスコはベシアに連絡を取り、食堂まで来るようにいう。
ベシアはクルーの血を採り始める。まずはボリアン。青い血が取れ、そのままだ。納得しましたと聞くボリアン。シスコは今のところはと答える。次はキラが採血される。赤い血はそのままで変化ない。ボリアンにそんなに驚いた顔しないでよというキラ。オドーから採血しても意味がない、残るはあと3人だというベシア。エディングトンの血が採られる。ベシアが持つ試験管の中には、血から液体化した可変種の一部が入っていた。すぐにエディングトンは取り囲まれ、キラは来てもらうという。
エディングトンは馬鹿げてる、私が可変種だったらもっと抵抗するといいながらシスコたちに連れられていく。拘留室の中に入るようにいうオドー。人違いだというエディングトンに、言う通りにしなさいというキラ。突然、反対側の扉が火花を吹き、フォースフィールドに閉じ込められたベシアが出してくれという。ベシアはこちら側にもいる。息をのむクルーたち。こちら側にいたベシアは液体化すると逃げ去った。フェイザーで撃つシスコ。シスコはオドーに合図し、液体化して追いかけるオドー。その時ブリッジから通信が入り、ツェンケチの領内に入ったと報告が入った。

※11: phaser rifle

※12: ボリア人 Bolians 皮膚が青く、半分に割れたような顔を持つ種族。TNG 第25話 "Conspiracy" 「恐るべき陰謀」など


ブリッジに戻って来たシスコ、キラ、エディングトン。付近にツェンケチの戦艦がいるか聞くシスコ。今のところワープサインは探知されていない。キラはコースが変わっているという。メケマス3※13のツェンケチの植民地に向かっている。植民地の射程距離に入るまでは12分しかない。シスコは少し考えると、コンピューターに手を触れ自爆シークエンスを作動させる指示を与え、艦長の承認コードをいう。副司令官であるキラも同じく入力し、準備は完了した。シスコは10分後の自爆を命じ、さらに承認コードを伝える。秒読みが始まる。ため息をつくエディングトン。シスコはオブライエンに、何か明るいニュースはないかと聞く。一つありますと答えるオブライエン。可変種のフォースフィールドを破る方法を見つけたという。そうすればあの寄生虫も取り除ける。ただこちらのフォースフィールドまで消えかねないという。自爆まで後7分というコンピューターの声。後どれくらいかかりそうだというシスコの質問に、7分以内にやらないとやばそうですねというオブライエン。ぜひ努力してくれといい通信を終えるシスコ。ベシアが入ってくる。ダックスは昏睡状態だという。可変種が大量の鎮静剤を投与したためである。ほとんどは取り除くことができたが、あと2,3時間はかかるというベシア。よくやってくれた、あとはオブライエン頼みだというシスコ。
オブライエンは部下と共に作業を続けている。自爆まで6分。寄生虫を取り除けば、ワープコアの保護フィールドが消えるかも知れないといい、温度が急激に上昇するため近寄らない様に部下にいうオブライエン。そうでないと放射線中毒になるという。その横から液体化した可変種が元に戻りつつある。それはオドーの姿になり、可変種を見かけなかったと聞く。オブライエンは見なかったと答える。コンジットの中で見失ったというオドー。その時逆側からも可変種が現れた。フェイザーを構えるオブライエンたち。だがその可変種もオドーの姿になり撃たないでくれという。どっちなんだというオブライエン。後から出て来たオドーは、この前ホロスイートで一緒にカヤックで川下りをしたとき昼にシチューを食べたでしょう、という。はじめのオドーがその時フォークを忘れた、と続けそんな情報くらい誰でも入手できるという。自爆まで5分。後のオドーはどっちか選んでください、時間がないという。当てている暇などないといい、部下に両方を狙うように命じて立ち上がり、作業を続けるオブライエン。にらみ合う2人のオドー。
キラはシャトル、脱出ポッドも使えず、脱出は不可能だという。武器はツェンケチ植民地への攻撃を準備中だというエディングトン。カウントダウンは続く。
後4分。オブライエンは作業を終え、部下に今だという。ワープコアフィールドが破損し、寄生虫を守っていたフォースフィールドも消えた。10秒後に機関室を閉鎖するというコンピューター。メインパワーグリッドを閉鎖するように言うオブライエン。その時後のオドーが叫び声をあげながら可変種本来の姿に戻り、オブライエンの部下を殴り倒した。よせというオドー。オブライエンも肩を殴られ倒される。機関室は閉鎖された。オドーは可変種を止めようとするが、相手はオドーの体に手を伸ばし、融合させた。動きを止められるオドー。なぜ固形種をかばうのかと聞く可変種。苦しむオドー。自爆まで後3分。ほおっておけ、負けは決まったという可変種。奴らを助けるのは無理だが一緒につながり脱出しようという。次第に液体になっていくオドー。だがオドーはせっかくだが断るというと、逆に相手に手を伸ばし液体化させた。そしてそのままワープコアに押し付ける。巨大なエネルギーが流れ飛ばされるオドー。自爆まで2分。オドーはオブライエンを立ち上がらせ、システムをコントロールするように言う。可変種は液体の状態から半分ほど元の姿になり、オドーを呼ぶ。傷つけたくなかったというオドー。もはや死に際の可変種はうなずき、オドーに耳元でで何かいうと。そして液体の状態になり、固まり、黒い灰状になって死んでしまった。その跡を茫然と見つめるオドー。
シスコにオブライエンから通信が入る。コントロールが戻り、もう大丈夫だというオブライエン。シスコはすぐに植民地から離れ、コンピューターに自爆シークエンスを中止させる。キラも承認コードを命令し、自爆は解除された。フェイザーバンクのパワーも落ちたというエディングトン。シスコはさあ帰るぞといった。
DS9に無事戻って来たシスコたち。だがツェンケチ以来、オドーが一言も口を聞かないという。上級士官はラウンジで会議を開いている。本物のクラジェンスキーは、休暇のためライサ※14に向かったがそれ以降の消息はつかめていないというシスコ。艦隊保安部は誘拐され、おそらく殺害されたと考えているというエディングトン。ベシアはクーデターのことを尋ね、クーデターはなかったというシスコ。各自艦隊司令部に提出する報告書をまとめておくように指示する。そこへオドーが入って来た。大丈夫なのとキラが尋ね、平気ですと答えるオドー。邪魔だったでしょうかというオドーに、いいえというダックス。オブライエンが座れよという。オドーはシスコに話があるという。あの可変種は、死ぬとき、最期に言葉を言い残していったというオドー。何と言ったと聞くシスコ。その内容は、「我々はどこにでもいる。もう手遅れだ」というものだった。

※13: M'kemas III

※14: Risa TNG 第67話 "Captain's Holiday" 「大いなるホリディ」など


・感想
いよいよ第3シーズンのフィナーレということで、内容も恐ろしいものでした。これまで可変種(創設者)が上層部に既に潜んでいることは少々出てきてはいましたが(ロミュランにおいて)、その具体的な形での恐怖が垣間見えます。何しろ、相手はたった一人なのにこんなに苦労したんですよね…。現在の本国放送にまで続くドミニオン関連のプロローグとも言える話でした。エディングトンはこのごろ良く出てきますが、今回は今までに比べてそう悪い人には見えませんでした。

adversary [名] : 相手、敵、敵対者、反対者


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