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ディープスペースナイン エピソードガイド
第74話「クリンゴンの暴挙」(後)
The Way of the Warrior, Part II

緑色の部分は脚本にはあるものの、2部に分けられた際にカットされた個所です
(本国のオリジナル 2時間版に必ず含まれているとも限りません)


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・イントロダクション
ガウロンは、なぜ黙ったドブロック※1のように突っ立っているのかとウォーフに聞く。栄光を取り戻すチャンスを与えたのだ、素直に受け取れという。ウォーフはそれで栄光を得られるならそうすればよい、私は一緒に行けないという。ガウロンはお前には戦いがふさわしいという。任務を捨てては行けないというウォーフに、何の任務があると聞くガウロン。所属する船もない、その制服を着ている必要もなかろうという。ウォーフは連邦に忠誠を誓ったという。誇りも知らない地球人と交わした誓いに何の意味があるというガウロン。我々が命を懸けて戦っているのに連邦は指一本動かさないという。尊厳と言うものがない、負い目を感じるなというガウロンに、ウォーフは連邦への負い目ではなく自分の気持ちが済まないのだという。一度交わした誓いは破らないというと、私への恩義を感じないのかというガウロン。汚名をそそぎ、弟に最高評議会の地位を与えてやったという。ウォーフは感謝している、恩を返すためなら命も捨てるという。しかしカーデシア侵略は間違っているというウォーフ。ガウロンはお前を友だと思って来た、だからクリンゴンとしてやり直すチャンスをやる、私と来いというが、ウォーフはそれはできないという。今私に背を向ければ、二度とクリンゴン帝国に戻れない様にしてやるとガウロンは脅す。弟は最高評議会から追放され、領地は没収、家はとりつぶしだというガウロン。何も残らんぞというガウロンに、ウォーフは誇りは残るという。ガウロンは悔しそうに、勝手にせいというのだった。

※1: d'blok
クリンゴンの動物。吹き替えでは「どうした、なぜ黙っている」だけです

・本編
※2プロムナードにいるウォーフのところに、一人じゃつまらないでしょうとオブライエンが同じテーブルに座る。ウォーフはピカード艦長をボーグから救出したときのことを覚えているかと聞く※3。忘れるもんですか、危機一髪だったというオブライエン。あの時は連邦がボーグに同化されてしまうんじゃないかと思ったという。ウォーフは勝利を疑わなかった、古代伝説の勇者のようになんでもできる気がしていたという。でもホロデッキの修理はできないでしょうと笑うオブライエン。ウォーフは何も答えない。ウォーフは、宇宙艦隊を退役することにしたという。何言ってるんですというオブライエン。決心したというウォーフに、エンタープライズがなくなって悲しいのはわかるが、すぐに次のエンタープライズもできるでしょうし※4というオブライエン。ウォーフは我々のエンタープライズはどこにもない、過ぎた日々は戻らないという。新しい道を踏み出さなければならないというウォーフに、どんな道をと尋ねるオブライエン。ウォーフはしばらく考えたが、まだわからんという。ボレスに戻ろうと思っていたが、それも不可能だと言う。ガウロンを敵に回した今、クリンゴンには戻れないというウォーフ。ならなおさら連邦にとどまった方が、というオブライエンにウォーフはこの制服を着ていると祖国のために働けない負い目を思い知らされるという。ナイベライト連合※5の船に身を寄せられるかもしれない、有能な士官を欲しがっているというウォーフに、オブライエンはあんな遠くへという。息子さんはときくと、ウォーフはアレキサンダーは地球の祖父母※6のところに預けるという。ウォーフはこれ以上ここにいては、ステーションのためにならないという。DS9とシスコをクリンゴンとの争いに巻き込むことになるという。いきなりクワークがオブライエンのところにやってきて、聞いたか、72デシベルだという。にぎやかでいいねというクワークに、静かな方がいいというオブライエン。クワークは静かな方がいいならよそへいきな、ここは俺の店だという。クリンゴンが帰ってせいせいしたといい、ウォーフにはあんたは別だけどなという。ウォーフは無言で立ちあがり、歩いていった。オブライエンは、クワークに客を気分よくさせるのが上手だよなと皮肉を残し、去っていく。クワークはいう、「恐かねえぞ、プルーンジュースを飲むような奴なんか」。
シスコはウォーフに、今はまだ辞表は受け取れないという。どうしてです、もう私に用はないでしょうというウォーフに、シスコはそんなことはない、クリンゴンとカーデシアの戦いが続いている間はステーションにとどまって欲しいという。それが得策でしょうかというウォーフ。得策かどうかはわからないが、今は優秀な士官が一人でも多く欲しいというシスコ。そこへキラが入ってきて、ベイジョーの情報局から連絡があり、カーデシアの艦隊が撃破されたという。クリンゴン軍がカーデシアプライムへ着くのは52時間後。ウォーフはクリンゴンが昔のやり方に戻ったなら、母星を鎮圧し官僚を処刑するでしょうという。そして進駐軍をおき暴動や反乱を制圧するという。シスコはカーデシアと直接話をするときが来たようだなという。
通信相手のデュカットは話なら手短に頼みたいという。シスコが革命政府の者と連絡したかったというと、だから私が来たというデュカット。革命政府デタパ評議会※7の新しい軍事顧問だという。中央司令部とたもとをわかったということかというシスコに、デュカットは私はカーデシア帝国に使える忠実な兵士だという。支配者が変わろうとそれに従うまでさというデュカットに、風向きが変わったから乗り換えたというわけかというシスコ。デュカットは時代の流れだという。シスコはクリンゴンがカーデシアに着く前に政府要人を安全なところに移さないとという。デュカットは承知し、提案があれば聞こう。シスコは船を用意するようにいい、ここで落ち合おうと座標を指定する。戦闘区域を出るまで、我々が護送するというシスコ。デュカットは願ってもない申し出だという。いたく感銘を受けた、デタパ評議会は将来かならずや…と続けるデュカットに演説はそれくらいでいいとシスコは言う。クリンゴンの妨害にあったらというデュカット。シスコは説得する、クリンゴンも連邦の船は攻撃しないだろうという。楽天的すぎやしないか、だが道はほかにないといい合流地点で合おうというとデュカットは通信を終える。ウォーフはもしクリンゴンが言う通り、カーデシア政府が流動体生物に乗っ取られていたらと聞く。シスコは戦うまでさ、片をつけるチャンスだという。君が制服を脱ぎたがっているのはわかるが、今回は私と来て欲しいというシスコ。ウォーフは了解する。
シスコはキラに、新しいシステムをダブルチェックするようにオブライエンに言ってくれという。チーフのことだからもうやっていると思うというキラ。基地内に警報を出し警戒体制を取り、できれば民間人はベイジョー星に移してくれというシスコ。キラはそのつもりですという。私も一緒に行ければというキラに、君にはここを守ってもらわないとというシスコ。うなずき、歩いていくキラ。その時ベン、とシスコを呼ぶ声がする。イエイツだ。出発する前に会えて嬉しいというイエイツ。いつ戻ったと尋ねるシスコ。ほんの1時間前だというイエイツ。ジェイクにシスコが出発すると聞いてとんできたという。急な任務と聞くイエイツに、ディファイアントで出るとだけ言うシスコ。何の任務かは言えないのねとイエイツはいう。4,5日したら戻るというシスコに、イエイツは明日出発するという。どうもタイミングが合わないなというシスコ。これってあんまりだわとイエイツ。今度の仕事はいつ戻れるかわからないという。シスコは早く戻るよという。イエイツは微笑み、離れようとする。だがすぐ戻り、2人は熱い口付けを交わした。死なないでというイエイツ。ちゃんと帰ってくるとシスコは言う。イエイツは何度も振り返りながら離れていった。ディファイアントが出航する。

※2: ダボをしている異星人に、パクレド人 (Pakleds) がいます。TNG 第43話 "Samaritan Snare" 「愚かなる欲望」

※3: TNG 第74・75話 "The Best of Both Worlds" 「浮遊機械都市ボーグ」より

※4: 実際に1年後にはエンタープライズEが作られました

※5: Nyberrite Alliance

※6: セルゲイ、ヘレナ・ローチェンコ夫妻のこと。TNG 第76話 "Family" 「戦士の休息」など

※7: Detapa Council DS9 第55話 "Defiant" 「奪われたディファイアント」で言及


シスコは遮蔽装置を起動し、合流地点へワープ最大で向かうように言う。ウォーフには遮蔽しているかも知れないクリンゴン船を探すように言う。
だがウォーフは居心地が悪いようだ。
シスコ:「何か問題か、ミスター・ウォーフ?」
ウォーフ:「いいえ、艦長。ただ…遮蔽装置を搭載した連邦艦には乗艦したことがないものですから。少し…奇妙です。」
シスコ:「すぐ慣れるさ。」
ベシアはこんな事は言いたくないが、アルファ宇宙域での遮蔽装置の使用はロミュランとの協定で禁じられているという※8。シスコはわかっている、だがクリンゴンの大艦隊が待ち構えているという。デュカットと合流する前に撃破されるわけにはいかないというシスコに、でしたらロミュランには黙ってますというベシア。
オブライエンは作業をしながら、こんなことを言うのもなんですがドミニオンさまさまだという。こんなことがなければ基地の改造はいつまでも始めなかったという。いい方に考えましょうというキラに、ちゃんと作動すればいいけどというオブライエン。自信がないのと聞くキラに、可能性は2つだというオブライエン。万事うまく動くか、基地が粉々に爆発するかだ。そんな、そういう結果は見たくないわねというキラ。笑うオブライエン。
キラ;「聞いてもいいかしら、チーフ?」
オブライエンはパネルの内部で作業を続けながら答える。「どうぞ。」
キラ:「あなたは何を空想する?」
オブライエンは驚いて、頭をぶつけた。「何ですって?」
キラ:「ダックスが私に、幻想的な生活を満足させることが大事ってことを気づかせようとしてるの。」
オブライエン:「彼女が?」
キラ:「小説を読むように勧めたり、私をホロスイートに連れていったり、でも正直、どんなにやっても…心からは楽しめないの。つまり、チーフにとって幻想的な生活はどれくらい重要なのかしら?」
オブライエン:「ケイコが行ってしまってからは…とても重要ですよ。」
驚くキラ。「ほんとに?」
オブライエン:「実際、ケイコがここにいる時も、私は定期的にホロスイートを楽しんでいました。」
キラ:「カヤックでしょ? あれは違うわ。運動だもの。」
オブライエン:「うーん、カヤックだけじゃなく…ジュリアンの書いたプログラムがあります。ブリテンの戦いの英国空軍のパイロットになるんです。」
理解していないキラに付け加える。「第二次世界大戦の。大事じゃないですけど。」
キラ:「それで楽しめるの? 本物じゃないとわかってても?」
オブライエン:「ええ。」
キラ:「馬鹿げてるとは思わない?」
オブライエン:「どうしてです? 楽しみです。その上、ホロスイートでくつろいでいる時に最高のアイデアが閃いたことも何度もありますよ。いい機会だと思ってやってみては。」
キラ:「やってみるわ。」

ウォーフは物体の破片を発見したと報告する。シスコはダックスに推力を4分の1に落とすように言う。カーデシア船の残骸のようだというウォーフ。スクリーンには、大量の破片が映しだされた。生存者のいる可能性はと聞くベシア。ダックスはいるかもしれないがメインセンサーを動かすには遮蔽を解除しなければならないという。ウォーフは今遮蔽を切るのは危険だという。付近には姿を隠してクリンゴンの艦隊がいるはずだという。名誉とか言ってる割には卑怯な手だなというベシア。ウォーフは勝ちさえすればそれが最大の名誉だという。シスコはこのまま巡航し、残骸を抜けたらワープ航行にはいるようにいう。もし生存者がいたらというベシアに、シスコは危険はおかせない、我々には使命があるという。
シスコは機関室で部下に指示を出す。
ウォーフ:「少しお話しできるでしょうか?」
シスコ:「何だ、ミスター・ウォーフ?」
ウォーフ:「艦長、知りたいんですが…なぜ私を戦術コンソールではなく、通信に配置されたのでしょうか?」
シスコ:「自分の仲間と戦わなければならないような位置にはつけたくない。」
ウォーフ:「わかりました。」
シスコ:「君が望むなら、被害対策班の一人にすることもできる。もし問題が起こっても、ブリッジにいる必要は全くない。」
ウォーフ:「艦長の邪魔にならないのなら、ブリッジに残ることを希望します。」
うなずくシスコ。「そう言うと思っていた。知る限り、君に似合っている。私は辞職を再考させていた。もし君が本当に宇宙艦隊を辞めたいのなら、邪魔する気はない。ステーションに戻り次第要求を認めよう。」
ウォーフは思慮深げにうなずいた。「…感謝します、艦長。」
しかしウォーフは喜んではいなかった。出ていくウォーフ。シスコは笑みを浮かべた。
ブリッジに戻ってくる。もう少しで合流地点だ。ウォーフは武器反応を探知し、クリンゴン艦3隻に攻撃されているカーデシア船がいるという。かなりのダメージだ。ダックスは音声のみの、デュカットの救難信号を受信した。つなぐようにいうシスコ。雑音の中、巡洋艦ポーケシ※9のデュカットはシールドが消失し、援軍を送るように繰り返している。映像が入った。そこにはバードオブプレイの攻撃を受けるカーデシア船の姿があった。20年に渡る協定がこんな形で終わるのかというベシア。ウォーフはシスコに指示を、という。シスコは何も言わない。ダックスはデュカットの船は長くは持たないという。シスコは量子魚雷を装填し、遮蔽解除とシールドアップを命じる。突入するディファイアント。
非常警報。ベシアは医務室に向かう。シスコはウォーフにクリンゴンへ最優先シグナルで攻撃を止めるように通達するようにいう。ウォーフはおとなしく忠告を受け入れるとはと言っているとき、艦が揺れた。クリンゴンバードオブプレイに攻撃されたというダックス。シールドの被害はない。シスコはウォーフに君のいう通りだといい、相手がそのつもりならこちらもだといいオメガ攻撃を指示、相手のエンジンを狙うようにいう。攻撃を始めるディファイアント。カーデシア船から通信が入る。デュカットは良く来てくれた、時間の正確さはカーデシア並みだという。シスコはエンジン全開で着いてくるようにデュカットに言う。デュカットは、全開しようにもエンジンは残っていないという。攻撃を受け続けるカーデシア船。被害状況は、エンジンは全て破損し、防御シールド、武器システムも全滅だ。シスコは脱出準備をするようにいい、転送ビームでこちらに収容するという。それにはそちらも防御シールドを下ろさなくてはいけないというデュカットに、その心配はこっちでするという。その時コンソールが爆発し、クルーが倒れた。ウォーフが代わりに座る。先ほどのエンジンを狙った攻撃は効果なしだというウォーフ。シスコは狙いは任せるという。パネルを操作するウォーフ。相手の攻撃をかわしながら、1隻のバードオブプレイを撃破することに成功した。ダックスはデュカットの乗っているカーデシア船は崩壊寸前だという。さらに別のクリンゴン船が現れた。ヴォルチャ級の攻撃巡洋艦※10だ。シスコは転送室にデュカットたちの収容準備をさせる。ディファイアントは後ろから巡洋艦の攻撃を受けている。ベシアに負傷者の治療準備をするようにシスコは指示し、保安部も待機させておくようにいう。収容した人員に全員血液検査※11をするためだ。血液検査と聞き直すウォーフに、あらゆる可能性を考えてだというシスコ。ダックスはデュカットたちを避難させるのに最低2分はかかるという。シールドを下げるため、持ちこたえられるかわからない。ウォーフはシスコに考えがあるという。
攻撃を受けるディファイアントから、後方のクリンゴン艦に向かってトラクタービームが発射された。ダックスはウォーフのいう通り、トラクタービームを使って武器の方向をそらすことができるという。破壊力を半分に抑えることができるというウォーフ。シスコはそれで行こうといい、シールドを下げるように指示、転送室にデュカットたちの緊急転送を命じる。攻撃を受けるが、なんとか持ちこたえている。別方向からもクリンゴンが接近中。シスコは転送室に状況を聞く。デュカットは評議会メンバーの半数は転送を完了したという。残り1分あればというデュカットに、問題は装甲が持ちこたえられるかだというシスコ。クリンゴンが直射可能距離に接近、攻撃を受け、装甲が一部破損した。プラズマ漏れを起こしているデッキがあり、後部魚雷発射管も破損した。デュカットから通信が入り、全員転送収容できたという。シスコはシールドアップと遮蔽装置の起動を命じるが、遮蔽装置に反応はない。帰り道はハードな旅になるぞといい、シスコはDS9へコースを設定、最大ワープを指示する。ディファイアントを追いかける巡洋艦。ついにカーデシア船は大爆発を起こした。ワープに入るディファイアント。
医療室にはカーデシア人が大勢いる。デュカットはすぐにブリッジに向かおうとするが、ベシアは腕を出すようにいう。何の検査だというデュカット。ただの血液検査だというベシアに、私は可変種ではない、保証するというデュカット。なら気にすることはないでしょうというベシアに対し、このやり方は気に食わないという。協力してください、それとも力ずくでやりますと聞くベシア。デュカットは腕を出した。
ブリッジにデュカットが入ってくる。入るなりデュカットは、自分についている保安部員がうっとうしいとシスコにいう。四六時中監視されてはたまらないというデュカット。ダックスはディナーおごってよとシスコにいう。今のはどういうことだというデュカット。シスコと賭けをしていたというダックス。デュカットが助けてもらったお礼を先に言うか、愚痴を先に言うかだ。そして愚痴だったため、ダックスが賭けに勝った。デュカットはブリッジにクリンゴンがいるようだがいいのかと聞く。シスコはウォーフはクリンゴンだが問題ないという。後部映像に切り換え、拡大率最大を指示するシスコ。映し出されたのはクリンゴン戦艦2隻だ。デュカットはそれを見て、早く遮蔽に入った方がいいんじゃないかという。ウォーフは救出作業中に破損したといった。何も答えないデュカット。
顔をしかめてデュカットは言う。「この船はもっと早く飛べないのか?」
シスコ:「外に出て後ろから押したいとは思わない限りはな。」


※8: DS9 第55話 "Defiant"より

※9: Prakesh ガロア級

※10: ヴォーチャ級 Vor'cha-class attack cruiser

※11: blood screening


クワークのバーにやってくるガラック。カウンターに座り、カナール※12をグラスで1杯とクワークに言う。クワークは自分でつぎな、おごりだと瓶を差し出す。ガラックは君らしくない気前のよさだという。クワークはたまにはそういう気分のときもある、それにまだ倉庫に80ケース余っており、カーデシアが倒れれば飲むのはガラックだけだという。ガラックはあなたのビジネスに影響を与えるとまでは思い付かなかったという。試練のときだというガラック。乾杯という。クワークはいとこのゲイラ※13の言う通りだったという。武器商人をやっていれば破産の心配がない。クワークは話好きだから、言う通りにしなかったという。客と向かい合ってしゃべりながら仕事をし、会話をしながら知り合っていくのが面白いというクワーク。あなたはそういうのが向いてそうだというガラック。だが武器商人なら客は話には付き合ってくれないというクワーク。品物を売れというだけの連中だという。才能を発揮できませんねというガラックに、クワークはその通りという。だが今ではゲイラは月を買うほどになり、俺はどつぼにはまり始めたという。後は連邦がカーデシアを救ってくれるのを祈るしかないというクワーク。ガラックはその気持ちが痛いほどよく分かるという。クワークはこいつを一口試してみな、と言って地球のルートビアー※14をつぐ。ガラックは知らない。しぶしぶ飲むガラック、酷い味だと言う。クワークは知ってるよ、泡がきつくて嫌みだが、お気楽な味だという。ガラックは微笑み、連邦そのものですねという。クワークはどういうわけかずっと飲んでいる内に病み付きになるという。侮れませんねというガラックに、クワークは連邦に似てるという。ガラックは連邦が我々を救えると思いますと聞く。クワークはそう祈ってると答えた。
司令室。応答は、と聞くキラ。オブライエンはまだないと答えるが、長距離センサーにディファイアントの反応を探知した。やったのねというキラ。だがオブライエンはクリンゴン艦が2隻くっついてきているという。シスコから通信が入り、スクリーンに映し出される。5分で到着するといい、新システムの準備はと尋ねるシスコ。できてます、できればテストがしたかったというオブライエン。シスコはそんな時間はないという。キラはシールドアップと非常警報を指示する。
バーで飲んでいる人たちも警報を聞き、にわかに慌ただしくなる。今度は何だと怒るクワーク。クリンゴンが襲って来たのではといい、出て行くガラック。クワークは最初はカーデシア、次にドミニオン、そしてクリンゴンかよという。こんなところでどうやって商売をやれっていうのかというクワーク。
DS9に向かうディファイアント。クリンゴン艦もついて来ている。シスコはワープをやめ、反動推進エンジンを全開しドッキングを命ずる。クリンゴンもここまで追って来たが骨折り損だったなというデュカット。ウォーフはそれはわからない、クリンゴンはそう簡単にはあきらめないという。デュカットは宇宙ステーション相手に2隻で戦いはしないだろうという。ダックスは安心するのは早いといい、お仲間が来たと言う。ドッキングするディファイアント。2隻のクリンゴン艦が向かった先には、多数のクリンゴン艦が待機していた。
司令室に入るシスコ、ダックス、ウォーフ。状況報告を求めるシスコ。クリンゴン艦は数十隻で、ネヴァールもおり攻撃フォーメーションを取っていると言うキラ。オブライエンは艦隊本部と連絡が取れ、すぐにハスター提督※15指揮の援軍を送ってくれると言う。到着はいつかと聞くシスコだが、すぐには無理でしょうと言うオブライエン。クリンゴン船はシールドを張り、装填しているというダックス。命令をどうぞというウォーフ。スクリーンには向かってくるクリンゴンの大艦隊が映っている。シスコは戦闘配備を命じた。

※12: Kanar カーデシアの飲み物。DS9 第42話 "The Wire" 「義務と友情」など

※13: Gaila DS9 第53話 "Civil Defense" 「暴徒制圧モード始動」などでセリフ中に出てきます

※14: root beer DS9 第71話 "Facets" 「クルゾンの秘密」より

※15: Admiral Hastur
訳出されていません


ベシアは部下にクリンゴンとの戦い方を教えている。クリンゴン人は接近戦になると剣やバトラフを使う。基地に乗り込まれたらかなりの負傷者が出ることは間違いないというベシア。トレーニングで学んだことを思い出しベストを尽くすようにいう。配置につかせる。入れ替わりにオドーが入ってくる。オドーは医療室に警備員をつけてベシアを守るという。ベシアはありがとう、でも必要ないという。ここには怪我人が入り、入り口で戦闘を始められたらかえって邪魔になるという。オドーはわかりましたといい、でも戦闘が始まったらその青い制服もあなたを守ってくれないという。クリンゴンは相手を選ばない、自分で自分の身を守るしかないというオドー。そういう事態にならないといいがといい、そうなったら戦う覚悟はできているとベシアは言う。そういうオドーこそ気を付けろという。可変種をしとめれば伝説の歌に名が残ると思っているクリンゴン人もいるというと、オドーはもし私を倒せたらそれは歌じゃ足りない、壮大なオペラが必要だという。そんなオペラは聞きたくないけど、気を付けろよというベシア。オドーはうなずき、出ていった。
プロムナード。艦隊とベイジョーの保安部員が、ステーションの住民を下部レベルのシェルターへ誘導している。人々は急いでいるが、パニックには陥っていない。
クワークはバーのドアに複雑な鍵をかけている。金属製のケースを持っている。近づくオドー。「おいクワーク。急げ。もう緊急シェルターに入ってるはずだろ。」
クワーク:「緊急シェルターには行かないよ。ここは俺のバーだ。俺が守る。」
オドーは疑わしげだ。「本当か? どうやって守るつもりだ?」
クワークは小さく、歪んで、腐食した箱を見せる。
クワーク:「これを使ってだ。」
オドー:「これで敵を殴るつもりか?」
クワーク:「違う、これは俺のディスラプター銃だ。昔フェレンギの貨物船に乗っている時に持ってたんだ。」
オドー:「船のコックだと思ってたが。」
クワーク:「その通り、クルー全員が『奴は料理評論家だ』と思ってた。もしクリンゴンがこのドアを開けようとしたら、これを使ってやる。」
クワークは箱を開ける…しかし中には何もなく、紙切れが入ってるだけだった。オドーはそれを取り、読み上げた。『親愛なるクワーク様。レプリケーターの修理にディスラプターの部品を使っちゃいました。すぐに返すからね。ロム。』
クワーク:「殺してやる。」
オドーは言った。「何を使って?」

ドッキングリングの通路では、連邦の保安部員がエアロックの外に向け、フェイザーライフルを構えた体勢でいる。
民間人の避難が進む。プロムナードに残るのはフェイザーライフルを構えたクルーだ。
診療室からは、ベシアが誰もいなくなったプロムナードをスキャンしている。

ガラックは通路を歩き、やってきたところにはデュカットと保安部員がいた。銃をガラックに向け、動くな、何しに来たと聞くデュカット。ガラックは評議員のメンバーが無事か見に来たという。よもや政治的によからぬことを考えてはいまいなというデュカット。お前こそ評議会のメンバーを熱心に守っているのは純粋に愛国心からなのかというガラック。評議員は私の愛国心をよく承知している、彼らのためならどんなものでも犠牲にするとデュカットはいう。お前は安心して自分の店に戻っていいぞという。ガラックはクリンゴンが侵入してきたら私の助けが必要になるといい、フェイザーを構える。私とお前が共に戦うことになろうとは、誰が予想しただろうといってデュカットの隣に並んだ。デュカットは撃つときはクリンゴン人を狙え、くれぐれも相手を間違えない様になという。忘れないよ、なるべく努力するというガラック。
司令室のクルーにはフェイザーが配られている。マートクから通信が入った。つなげというシスコ。マートクはカーデシア新政府の評議会メンバーを引き渡すように要求して来た。シスコは血液検査をし可変種ではない、見当違いだという。マートクの隣に現れたガウロンは、どちらでも構わない、重要なのはアルファ宇宙域の安全だという。そのためには我々がカーデシアを支配した方がいい、引き渡さないのなら力ずくでも奪い取るというガウロン。シスコは連邦と戦争を起こす覚悟かと聞く。連邦が戦争の原因だと言うガウロン。歴史がそうは認めないとシスコが言うと、ガウロンは歴史は勝利者によって書かれるという。自分のしていることがわかっているのかと聞くマートク。ステーションの人間を危険にさらしているんだぞという。シスコはわかっている、君たちこそ状況が分かっているのかという。DS9はこの1年、ドミニオンの攻撃に備え準備を整えて来たという。ガウロンは笑い、牙のないグリシュナー・ネコ※16がいくら吠えたところでひるむとでも思っているのかという。シスコは言っておくがといい、このネコは考えているほど弱くはないと言う。現に今も5,000発の光子魚雷がお前たちに狙いを定めていると言うシスコ。嘘だと思うならスキャンしてみるがいいと言う。ガウロンは部下に指示する。うなずく部下。マートクはトリックです、デュラニウム※17の影を投影して魚雷に見せかけているだけだとガウロンにいう。幻ではないと言うシスコ。ガウロンは直にわかるといい、クリンゴン語を最後に言うと通信を切る。ウォーフがガウロンは「今日は死ぬのに良き日だ」※18と言ったという。
※16: Grishnar cat
単に「ネコ」としか訳されていません

※17: duranium TOS 第16話 "The Menagerie" 「タロス星の幻怪人」はじめ、幾度となく言及

※18: クリンゴン語では CHEGH-chew jaj-VAM jaj-KAK 英語にすると"Today is a good day to die."


DS9への攻撃が始まった。クリンゴン艦は編隊を組み、次々と武器を発射してくる。シスコは先頭の船を狙うようにいい、偶数番光子魚雷の発射準備を命じる。ハッチが開き、砲門が現れる。その間も容赦なく攻撃は続く。シスコは合図で発射するようにいう。発射。連続発射された光子魚雷はクリンゴン艦を破壊していく※19。奇数番発射用意、すぐに発射される。依然接近中というキラ。シスコはフェイザー発射を命じる。光子魚雷と同じように、フェイザーが連続発射される。船8隻を爆破、数隻にダメージと報告するキラ。シスコはガウロンを呼べ、これ以上被害の広がらない内にピリオドを打ちたいという。だが応答はなく、攻撃を受けた。今のが答えですというウォーフ。シスコはフェイザーと光子魚雷で集中攻撃を指示する。波状攻撃により次々と爆発していくクリンゴン艦。
マートクはまるでクリンゴンのような戦い方だという。※20ではクリンゴンのように死なせてやれ、シールドを敗れというガウロン。マートクはシールドジェネレーターを狙うように指示する。クリンゴン艦ががDS9の中央部を狙い、司令室でも爆発が起こる。シールドジェネレーターが2基破壊されたというダックス。それと同時に司令室にクリンゴン人が乗り込んで来た。すぐにフェイザーを構え発射するシスコとキラ。またクリンゴン人が転送される。ウォーフも応戦する。司令室の中は撃ち合いになった。
プロムナードにもクリンゴン人が現れ、下の階を探すようにいう。待ち伏せしていた保安部員がフェイザーで攻撃する。オドーは武器を使わずに応戦していた。危ないところでベシアに助けられ、礼をいうオドー。お安いごようさというベシア。
デュカットとガラックも戦っている。白兵戦は向いていないというガラック。デュカットは密室で尋問している方が向いているという。その方が合理的だろうといいながら、敵に向けて武器を発射するガラック。足元には倒れたクリンゴン人が何人もいる。
司令室には次から次にクリンゴン人が転送で送り込まれている。シスコたちは素手で応戦する。キラは脇腹を剣で刺されながらも何とか敵を倒した。だが立っていることはできない。ウォーフは剣で対抗している。オブライエンもバトラフで殴られ倒れてしまった。危ないところでウォーフに助けられる。ダックスはバトラフを使って戦う。司令室内にいた敵は全て倒した。司令室の中には倒れたクリンゴン人やクルーがたくさんいる。だが攻撃はまだ受けている。持ち場に戻るダックスとウォーフ。シスコはオブライエンを起こし、シールドを復旧させるようにいう。キラは出血しているが、見た目ほど深くないという。シスコはオドーに連絡を取る。オドーはクリンゴンは第3パイロンに侵入し、今のところ食いとめているが予断を許さないという。クリンゴンの第2陣がやって来たようだというウォーフ。オブライエンはバックアップ用のシールドをいつまで持つかわからないという。ダックスは多数のワープサインを感知した。それは宇宙艦隊のものだ。ヴェンチャー※21を先頭に6隻の宇宙船が15分で到着する。シスコはガウロンを呼ぶようにいい、今度こそ話し合いに応じるだろうだろうという。ガウロンは援軍も続々来る、降伏するなら今の内だという。シスコは降伏する気はないといい、シールドは復旧し基地内のクリンゴン人も抑えているという。援軍も連邦の方が先に着く、連邦とカーデシアを敵に回してまで戦争をしたいのかというシスコ。2国と同時に戦って勝てる力は、クリンゴンにはないはずだというウォーフ。今ここで引かなければ、帝国史上最悪の敗北が待っているという。降伏はしないというマートク。シスコはそれこそドミニオンの思うつぼだという。クリンゴンをカーデシアと、連邦とクリンゴンと戦わせる。戦えば戦うほど、ドミニオンに対抗する戦力を失うからだ。目を覚まして考えろとガウロンにいうウォーフ。カーレスも戦争に勝っても帝国が荒廃しては勝利とは言えないといっていただろうという。ガウロンは帝国を救うため戦いを止めることは不名誉ではないという。マートクはここで攻撃をやめるのですかと言うが、シスコは連邦の援軍がもうすぐ到着する、どうして欲しいと聞く。攻撃開始か、このまま待機かというシスコ。ガウロンは銃を下ろそうという。マートクは反論するが、ガウロンは攻撃を止め、カーデシア領内にいる船に進軍を中止するようにいう。ドミニオンに横から勝利をさらわれるのは許せないというガウロン。そして連邦も肝に命じておけといい、今日ここで起こったことをクリンゴン帝国は決して忘れない、許しはせんという。通信は終える。ダックスはクリンゴンが武器を収めたという。終わったというオブライエン。ウォーフは、今はなと言うのだった。
DS9にはU.S.S.ヴェンチャーほか、連邦の船が到着した※22。司令官日誌、宇宙暦49011.4。ガウロンは母星に戻り、軍もベイジョー領域から撤退したという。今回の危機で、DS9のクルーがいかによく戦ってくれたかは言葉では言えないというシスコ。DS9内では修理が行われ、また避難していた人々も戻って来た。基地内の生活も通常に戻りつつある。クワークは再びバーを開店し、最初のお客はモーンだ。もう一つ残された仕事があるというシスコ。
ウォーフは身支度をしている。制服を手に取り見つめるウォーフ。シスコが入って来た。除隊の書類を持って来た、艦隊本部に送る前に見てもらった方がいいと思ってというシスコ。ウォーフは受け取る。この後ナイベライト連合に行くと聞いているがというシスコに、午後に出発するというウォーフ。シスコも辞めようとしたときは、地球軌道コロニーの建設監督をしようと思ったという。なぜ考えを変えたんですと聞くウォーフ。シスコは気付いたからだという。本当は宇宙艦隊を離れたいのではなく、妻を死なせてしまった苦しみにから逃げ出したいだけだということに。艦隊の制服を脱いでしまえば、心の痛みも脱ぎ捨てられると思っていたというシスコ。だがそう簡単にはいかない。逃げれば一時は楽になるが、痛みはすぐに追いかけてくる。本当に乗り越えるには正面から向かい合うしかないとシスコは言う。でもその制服は失ったものを思い出させませんかとウォーフは聞く。シスコは時にはな、だが同時に自分が何者であるかも思い出させてくれるという。たとえはるか遠くのナイベライト連合に逃げたとしても、どこにいようと私は連邦の士官だというシスコ。それが自分だからという。私もそうだとおっしゃるのですかというウォーフ。大切なのは自分がどう思うかだというシスコ。ウォーフは長い間私の故郷でした、多分今もそうですという。シスコは優秀な士官を求めている船はいくらでもあるという。例えばヴェンチャーの艦長とは友人だ、君さえ良ければ少佐のポジションが空いているか聞いてみようかというシスコ。ウォーフは少し考えてから、それには及びませんといった。
ウォーフがターボリフトに乗り、司令室にやってきた。任務に出頭しましたというウォーフ。シスコはみんな知ってると思うが、新しい戦術士官だという。おめでとうと握手するキラたち。シスコは持ち場につくようにウォーフに言う。赤も似合いますねというオブライエン。ウォーフは嬉しいよ、でも学ぶことが山ほどあるという。それなら最高の先生がいるというオブライエン。シスコは先ほどデュカットとデタパ評議会のメンバーから通信があり、無事はカーデシアに到着したことを伝える。DS9のメンバーに心から感謝するといっていたという。まさか私がカーデシアを助けることになろうとはというキラに、オドーがご心配なく、今度の手柄はデュカットが一人占めするという。ガラックも報われないというベシア。デュカットは英雄、ガラックは相変わらず仕立て屋だ。その時艦隊情報部から最優先メッセージを受信したというダックス。クリンゴンは今回で侵略したカーデシア領の返還を拒んでいるという。軍を配備し、防衛網を敷いているているというダックス。クリンゴンはそこに居座るつもりねというキラ。シスコはいう、「だがここには、我々がいる」。
※19: ものすごいです^^;

※20: このシーンは原音ではクリンゴン語で話しています。本国で放送されたときは英語の音声はなかったのでしょうか?

※21: U.S.S. Venture NCC-71854 ギャラクシー級

※22: ヴェンチャーのほか、エクセルシオール級2隻、ミランダ級1隻の姿が見えます


・感想
何といっても今回は、戦闘のシーンが多く登場します。特に今までなんとなく弱いようなイメージしかなかったDS9は、まさに「要塞」といった攻撃を披露してくれます。絶句しました…。ウォーフの役職は武器将校になるんですね。また、6隻しかないというギャラクシー級の一つ、U.S.S.ヴェンチャーが登場しました。


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