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ディープスペースナイン エピソードガイド
第85話「ジェラシー」
Crossfire

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・イントロダクション
オドーは保安室の整理をしている。レプリケーターに熱いラクタジーノ※1を注文し、皮を2つ入れるようにいう。時刻は午前7時59分。ラクタジーノをテーブルに置き、オドーはいすに座ってうなずいた。そこへおはようとキラがやってくる。オドーは笑みを浮かべて迎え入れる。座ってラクタジーノを飲むキラを見て満足するオドー。今日の報告をはじめる。16件あり、取り締まり班は今週忙しかったでしょうねというキラ。オドーは大事件はなく、微罪が3件、治安紊乱行為が2件、暴行が1件にという。イジャーナ※2が妻に殴られたというものだ。なぜ別れないわけというキラ。報告の12によると、公然わいせつ罪。イジャーナから妻に暴行を受けたという訴えで急行すると、2人がいたのはインフォメーションカウンターの後ろだったんですというオドー。キラはそれで疑問が解けたという。報告の7は、部下の一人がオジャイ・ゲル※3が政治的な落書きをしているのを見つけたという。今回はどんな何だったのと聞くキラ。シャカール首相のDS9訪問に反対する内容だというオドー。キラは連邦加盟申請を取り下げろというビラも配っていたという。ビラはいいが野蛮な行為は認められず、オジャイは拘置所で一晩すごした後、調停員※4から罰として3週間清掃部の公共奉仕をすることを言い渡されたというオドー。キラは笑い、シャカールが来る前に落書きを消させておいて、彼には見せたくないという。
クワークが入ってきて、苦情の申し立てに来たという。後にしてくれとオドーは言うが、オドーがたてる騒音に対してだというクワーク。クワークの部屋はオドーの部屋の真下でうるさいという。オドーはいろんなものに姿を変え練習するのはいいが、タカラの野獣※5に変身して歩かれたらたまらないというクワーク。5分間だけだろう、お前の苦情が来てからラファリアンネズミ※6に変えたというオドー。クワークは一晩中ネズミの足音を聞かされたという。聞こえるのとキラに聞かれ、当然でしょと耳を指差すクワーク。液体に戻る音も聞こえる、地獄だという。部屋を変えればいいというキラ。クワークはオドーが周囲に気遣うべきだ、真夜中に変身するのを禁じる規定があってしかるべきだという。30分経ったらまた来いというオドー。もちろん来る、覚悟しとけよといってクワークは出ていった。キラはあなたの真下になるなんて、クワークも運が悪いという。運じゃない、私がそう仕組んだんですとオドーは言った。笑うキラ。
ベイジョーからの船が到着した。正装したシスコたちが出迎える。なぜ司令官は僕にも来いといったのかな、上級士官じゃないのにというオブライエン。きっと君の正装を見たかったんだ、なかなかよく似合うからねというベシア。遅れてダックスもやってきた。間に合って良かったというシスコ。ごめんなさい、プロムナードがすごい人出で通るのに時間がかかったというダックス。シャカールが上手に話せるか心配だ、レジスタンス時代も人前で話すのが苦手で、部下は唇の動きで理解したというキラ。シャカール首相※7が降りて来た。DS9へようこそというシスコ。ありがとう、私も選ばれし者に会うのを楽しみにしていたというシャカール。シスコは司令部スタッフを紹介し、キラ少佐はご存知ですねという。ネリスというシャカール。キラもお久しぶりね、アドンという。シャカールも側近を紹介した。サリシュ・レズ※8と名乗る秘書。シスコはシャカールをプロムナードに案内する。ダックスはキラに何で黙ってたの、いい男ねといった。
プロムナードはシャカールを一目見ようという人でいっぱいになっている。演壇を用意したというシスコ。サリシュは実施した交通助成金には必ず触れ、数ヶ月すればベイジョーまでの運賃が下がるはずということを伝えるように言い、発音ははっきりとと言う。わかったよといい、演壇に向かうシャカール。オドーからシスコに通信が入る。オドーは気になる通信を傍受した、ステーション滞在中にシャカールの暗殺を企む一派がいるようですと言った。

※1: raktajino クリンゴンのコーヒー。DS9第9話 "The Passenger" 「宇宙囚人バンティカ」など

※2: Ijarna

※3: Oguy Jel

※4: arbiter DS9第79話 "Little Green Men" 「フェレンギ人囚わる」より

※5: Takaran wildebeest タカラ人 (Takaran) は、TNG第148話 "Suspicions" 「新亜空テクノロジー超フェイズシールド」に登場した種族

※6: Rafalian mouse

※7: シャカー・アドン Shakaar Edon (ダンカン・レガー Duncan Regehr TNG第166話 "Sub Rosa" 「愛の亡霊」のロニン (Ronin) 役→日本から来たスタートレック) DS9第70話 "Shakaar" 「シャカールの乱」以来の登場
"Shakaar" の話の後、首相 (Bajoran First Minister、国家元首) になりました

※8: Sarish Rez (ブルース・ライト Bruce Wright ENT第52話 "The Expanse" 「帰還なき旅」のドクター・フェラット (Dr. Fer'at) 役) なぜかジャファル・レズと吹き替えされています


・本編
暗殺計画があるとわかった段階で演説は中止すべきだったと思うと言うオドー。サリシュはそれでは執務室から一歩も外に出られないという。店の経営者がが税金を高くされたと怒って脅迫の手紙を書いて来たのとは違う、相手はカーデシアの極右テロリストであり、既に2人ベイジョーの暗殺に成功しているというオドー。「真実の道」※9のことは知っているし、実力も知っていると言うサリシュ。カーデシア筋の情報提供者によると、真実の道はすでにステーション内に工作員を送り込んでいると言う。明日の会議はキャンセルし、スケジュールを再調整すべきだと言うオドーに、サリシュはできない、首相は何としても明日の会議に出席するでしょうと言う。惑星連邦への加盟が認められるかの瀬戸際なんですからとシスコに話す。出席するかどうかは首相が決めるでしょうと言うシスコ。絶対出席するに決まっていますと言うサリシュに、キラも同感だ、シャカールはテロリストへの対処法は誰よりも知っていると言う。自分がそうだったからテロリストの脅しに屈することは負けを認めたことと同じであるという。シスコもシャカールの立場なら同じようにするだろうと言い、オドーにシャカールがいる間警備を一層厳重にするように命じる。24時間警護をつける、私の部下だけでなく宇宙艦隊からも人を貸していただけるとありがたいと言うオドー。エディングトン少佐は休暇中だから、ウォーフ少佐に代理を務めてもらおうと言うシスコ。
シャカールの上下左右の部屋の住人には一時立ち退いてもらったと言うオドー。ウォーフはそのセクションの部屋は全て空けてもらった方がいいんじゃないかと言うが、1,200人の住人がいるから無理でしょうと言うオドー。エンタープライズでさえ完全な警備は難しかったが、このステーションでは不可能に近いというウォーフ。もっと秩序がある方が好きだというと、オドーも同じで、自分の一族は秩序を重んじると言う。よくこんな所にいられるなと言うウォーフ。オドーは自分の秩序を作ることにしている、例えば毎日同じ時間に決まった日課を繰り返すため、プロムナードの店では自分を見て時計を合わせていると言う。ここでは日課を作ることさえできそうにないというウォーフに、秩序を作る方法はほかにもあると言うオドー。私の部屋の家具や置物は全て決まった位置においてあるという。ウォーフも目を閉じていてもどこに何があるかわかる、そうでない部屋は我慢できないという。もう一つは用もないのに部屋を訪ねてきて欲しくないと言うことを、みんなに徹底することだと言うオドー。部屋にきてもにっこり笑って歓迎してはだめですと言う。それは当然だ、味をしめてまたやってくると言うウォーフ。今までのところ、部屋にぶらりと現れるのはオブライエンだけだと言う。オドーはエンタープライズ時代からあなたを知っているからでしょうと言う。ウォーフはもう少し迷惑そうにすれば、来なくなるかもと言った。がんばってと言うオドー。
オドーは通路を歩きながらウォーフに連絡を取り、シャカールの部屋から上級士官室までの通路の警備は万全だと言う。シャカールは30分後にレセプションに出かける予定だ。その前に上級士官室をスキャンしておくと言うウォーフ。部屋からシャカールとサレシュが出て来た。君がオドーだね、一度会いたかったと言うシャカール。でかけようというシャカールに、レセプションまでには早すぎると言うオドー。その前にプロムナードの神殿に行きたいと言う。そんな予定は聞いていませんというオドー。サレシュも今し方聞いたという。知っていたらプロムナードに警備員を配置しましたのにと言うオドーに、目立たないように滑り込んで4、5分してすぐ出てくると言うシャカール。首相になられた以上、ベッドに滑り込むのも出てくるのも誰かに見られているものですと言うオドー。しかし一日中ベッドにいるわけにもいくまいと言い、歩き出すシャカール。オドーはウォーフに予定の変更を伝えた。
プロムナードを歩くシャカール。カーデシア占領時代はカーデシアに仕えていたそうだねというシャカール。そうです、プロムナードの治安を保つ責任者だったと言うオドー。カーデシア人にやらせてもよかったのに有能だったんだな、キラも命をかけても信頼できると言っていたというシャカール。嬉しいですねと言うキラ。キラは人を見る目がある、私も信用するよとシャカールは言った。
シャカールの姿を見て、握手を求めるベイジョー人たち。ウォーフからの通信があり、神殿の安全は確保したと言う。なるべく早く神殿に入らせると言うオドー。しっかりと目を光らせている。ふと奇妙な動きをしている女性を見つけた。しかし、しゃがむと子供を抱き上げた。安心するオドー。シャカールは神殿に入り、オドーは入り口に立った。
レセプションが始まった。シャカールが一般市民と話をする姿を見て、いつもこうなのとサレシュに聞くキラ。市民が直接首相に会う機会は少なく、加えてベイジョー人は預言の解釈から農業政策にいたるまで、誰でも一家言を持っている議論好きの種族ですからねというサレシュ。サレシュはヴェデク・トンサ※10がいるのに気付いた。スプリングボール※11の名手だそうですが、一度お手合わせを願おうかと思ってという。ステーションで一番よ、よっぽどうまくなくちゃというキラ。サレシュは苦手なんです、ヴェデク議会でシャカールを指示してくれるように頼むいい機会ですからと言い、追いかけていった。
キラは腕組みをして立っているオドーに近づく。そんなににらむ必要ないでしょう、みんなが不安になると言うキラ。結構というオドー。キラは聞こうと思っていたんだけど、なぜ最近はベルトをしないのという。オドーは特に理由はなく、私の場合なくてもズボンは落ちませんしという。似合ってたのにというキラ。ほんとにと聞くオドー。ほんとよと答え、笑うキラ。オドーはそうおっしゃるならと言い、腰に力を入れるとベルトを作り出した。どうですかと聞く。キラは素敵よと答えた。もう帰ろうかなといい、シャカールを見るキラ。オドーはどうぞ、おやすみなさいと言う。おやすみと言い離れるキラ。シャカールは話を止め、キラに近づきもう帰るのかと言う。忙しそうだったからというキラ。救いの女神だというシャカール。そんなに大変と聞かれ、もうぐったりだと答える。じゃあベイジョーはクリンゴンにどう対処すべきかの私の意見をいうのは止めておくというキラ。喜んで聞くが、今日はパスだというシャカール。キラはもちろん冗談だと言う。もっとほかの話をしたいというシャカール。
2人の様子を見ているオドーに、クワークがハスパラット※12を持って来た。食べないというオドーに、食べてみろよ、参加者の頭数分だけあるんだというクワーク。あんたも今のところは頭はあるだろという。オドーは何も言わず、キラの方を見ている。2人が外に出ようとするのを見てオドーが近づく。残されるクワーク。ちょっと2人でぶらつこうと思ってというシャカールに、行き先をいって下されば警備員を配置するというオドー。目的地がわかっていたらぶらつくとはいわないだろうというシャカール。ついてくるのは君だけでいい、でも遠目についてきてくれよという。クワークはそのやり取りを見ていた。
最近は激務で、贅肉も取れたというシャカール。キラも笑っている。その後をついていくオドー。ふと立ち止まり、仲良く話しながら前を行く2人を見つめた。

※9: The True Way DS9第82話 "Our Man Bashir" 「ドクター・ノア」より

※10: Vedek Tonsa

※11: springball ベイジョーのスポーツ。DS9第36話 "Shadowplay" 「幻影の村」など

※12: hasperat ベイジョーのブリトー。TNG第176話 "Preemptive Strike" 「惑星連邦“ゲリラ部隊”」など


会議が終わり部屋から出て来たシャカールに付き添うオドー。部下を先にいかせる。連邦との交渉はあまりうまく進んでいないようですねというオドー。正直言ってベイジョー人は自分の感情を隠すのが非常に下手な種族だという。私の顔に書いてあるかというシャカール。オドーは何年か連邦と仕事をしているが、相互理解と尊重を訴える割には自分たちが一番だと信じて疑わない、あの頑固さには腹が立つという。ベイジョーの連邦加入の手続き期間を半分にしてくれといったが、今までのメンバーは同じ手続きを踏んで加盟しているため無理だと断られたというシャカール。オドーはカーデシアから50年間占領を受けたという特殊事情を主張したらどうですという。ありがとうというシャカール。
シャカールの部屋に入る2人。私も昔は兵士だったが、政治家より兵士の方が楽だったというシャカール。政治にはあまり詳しくありませんというオドーに、私の気持ちはわかってくれたとシャカールはいう。いすに座るように勧める。シャカールは勝手な行動ばかりしてすまない、警備が大変だったろうと謝る。君の完璧を期す姿勢は頼もしいという。シャカールはためらいつつ、キラと君は仲がいいそうだが、私のことを何かいうかいと聞く。もちろんです、あなたのことはよく話題に上るというオドー。そうではなく、私のことを友人以上に思っているような気配はないかと聞くシャカール。オドーはああ、それはどうでしょうかという。結局いいえと答えた。シャカールはそうかといい、2人の付き合いは10年以上になるという。生死を共にしたことも何度もあるというと、私もですというオドー。キラは常に命令に忠実で、状況が悪くなっても愚痴も言わずいい兵士でありいい友だったというシャカール。シャカールはだが今はそうじゃないんだという。どうしてです、今でも友達でしょうというオドー。まあねといい、シャカールはキラに恋していることを打ち明けた。宙を見つめるオドー。彼女も同じ気持ちだと感じるときもあるが、勘違いかもしれないというシャカール。打ち明けると友情まで失いそうで恐い、しかし打ち明けなければ大事なものが指の間からこぼれ落ちていってしまうかも知れないという。それは難しい状況ですねというオドー。しかしきっと私が独り合点しているだけなんだろうな、仲のいい君にも何も言っていないのならというシャカール。キラはまだ、ヴェデク・バライルを忘れられないようにお見受けしますと言うオドー※13。シャカールはそれが当然だな、今は黙って待つべきかという。私ならそうするというオドー。逆に気持ちを伝えた方がいいかもしれない、君を愛する男はここにもいる、そう言うことで立ち直らせるかもと話すシャカール。どう思うと聞かれ、オドーは恋愛に関しては政治についてより疎いものでしてと席を立った。すまなかったな、私の問題を背負わせるつもりはなかった、人間の恋愛の話なんか面白くなかったろうと言うシャカール。そうですね、大抵はと言い部屋を出て行くオドー。
クワークが上級士官室で料理の準備をしている。後ろではオドーがフェレンギ人のウェイターをトリコーダーで調べている。そんなことする必要ない、全員料理に近づくことができたんだというクワーク。それを聞いて安心したというオドー。台の上の果物を調べると、何かのパワーが感知された。見るとそれは、フェレンギ製の高性能の盗聴機だった。お前とは何も関係ないだろうなと言うと、そこにあったのか、一日中探していたんだといい取ろうとするクワーク。オドーは取らせない。何かの拍子で落としたというクワークに、会議の内容を盗聴して情報を売りつけようとしたんだろうというオドー。クワークは他人の行動を盗み聞きするのは違法行為だと知っているという。お前みたいなのが盗聴以外の目的でこんな高価なものを買うかというオドー。クワークはロムの睡眠をモニターするために買った、小さな子供のときから真夜中に呼吸が止まってしまう体質だという。兄としては弟の安全を確かめずには寝られないだろうという。麗しい兄弟愛だといい手を開くオドー。クワークが取ろうとすると、オドーは盗聴機を汲んでいた飲み物の中に落としてしまった。おっと手が滑ったという。慌てて取るクワーク。機嫌が悪いなというと、私に機嫌はないというオドー。そうだったな、あんたは感情のない可変種、秩序だけが生き甲斐だというクワーク。強がるな、俺にはわかっているという。何がだというオドー。惚れてるだろ、キラにとクワークは言った。驚き、馬鹿なこというなというオドー。キラがシャカールとできちまうのが心配なんだろというクワーク。推測でしゃべるなというオドー。クワークは事実だ、なんで認めようとしないんだと言いあんたには辛いかもしれないがと言い出す。同上は必要ない、したり顔の忠告もだと言うオドー。私のことは放っておいてくれといい部屋を出ていった。ため息をつくクワーク。

※13: DS9第59話 "Life Support" 「バライルの死」より


オドーは保安室でいらいらしている。コンピューターに時間を聞くと、午前8時21分。やっとキラがやってきた。遅れてごめんなさい、すっかり時間を忘れてたという。今日の報告は全部で9件だというオドー。キラはさっと見て、大した事件はなさそうねという。オドーは笑顔でキラを見つめる。どうかしたのと聞くキラ。ラクタジーノと言い、指差すオドー。キラは今朝はもうシャカールと飲んで来たという。レプリマットでは見かけなかったというオドー。キラは彼の部屋で飲んだ、シャカールから惑星連邦への提案を見てくれと頼まれたという。報告の4は面白いと話そうとするオドー。しかしキラは時間がないと謝り、シャカールにステーションを案内する予定だという。それならステーションの警備に手抜かりのないようにしましょうというオドー。ありがとうというと、キラは出ていった。笑顔で見送るオドー。しかしその笑顔はすぐに消えた。
目標塔からはワームホールがよく見えるというキラ。シャカールは見たことがない。待ってみて、運良く船が通ればワームホールを見れるというキラ。オドーは2人の後ろにいる。副官だろ、命令を出して船を出せないのかというシャカール。あなたこそ首相なんだから、艦隊を出すこともできるというキラ。オドーは少し離れたところに立ち、2人の話を聞いている。ワームホールが開いたら願い事をすると叶うそうだなというシャカール。キラは最近ステーションではそれがはやっているという。そのときワームホールが開いた。しばらくして閉じる。願い事をしたと聞かれ、したよと答えるシャカール。2人はみつめあい、顔を近づける。しかしシャカールはオドーがいることを思い出した。さあ行きましょう、まだみるところがあるわというキラ。オドーはウォーフに、ドッキングリングに戻ると伝えた。ターボリフトに乗る3人。安全は確保してあるというウォーフ。オドーはレベル2Dに行くように命じ、セキュリティコードを入力した。
ターボリフトが移動をはじめる。ここに来てから食事は上級士官室が自分の部屋でとっているというシャカール。それならプロムナードにいろいろ店があるというキラ。おすすめはあるとシャカールが聞き、ボリアン料理※14のお店はいいというキラ。どんな料理だいと聞かれ、ボリアン料理の肉は古いというキラ。2人が話すのをちらちら見るオドー。ベイジョーでは新鮮な肉を食べるから違和感があるかもしれないというキラ。そこへウォーフから通信が入り、レベル41でトラブルが発生したためターボリフトをこちらで動かすようにいう。コントロールをそちらに渡すといい、操作し始めるオドー。シャカールは今度食べに行こうといっている。喜んでというキラ。キラの方を見ながらボタンを押すオドー。その瞬間リフトが大きく揺れた。墜落している。ウォーフに連絡を取ることもできない。オドーは操作してみるが、コントロールも全く効かないという。ターボリフトは落下を続ける。

※14: Bolian restaurant の Bolian cuisine。ボリアン (Bolian) は時々登場する、青い半分に割れたような顔を持つ種族


ターボリフトは墜落しつづけている。オドーが必死に操作するが、無駄だ。するとオドーは何か思い付いたらしく、横向きに立ちリフトの壁に手をつけた。その手を変化させ、金属状にすると壁に強く押しつける。オドーが力を加えると、次第にリフトの壁が膨らみ、外側と摩擦を起こし始めた。見守るキラ。スピードが落ちていく。ついに停止した。手を元に戻すオドー。これでステーション見学も終わりだなというシャカール。
司令官室。犯人は通信システムを乗っ取り、ウォーフの声を真似てターボリフトを墜落させたのかというシスコ。音声シンセサイザーを使って通信システムに侵入したんでしょうというオドー。どうやってウォーフのセキュリティコードを手に入れたのかというシスコに、それはわかりませんというオドー。コードを確認せずにコントロールを渡してしまったんですという。過ちは人間の常だが、君は人間ではなく、ヒューマノイドですらないというシスコ。私には信じられないという。オドーはほかのことを考えていた、個人的なことなのでそれ以上は言いたくないという。シスコはいくら個人的な事情でも仕事に影響するようでは困ると言う。オドーは二度としませんと言った。その言葉を信じよう、事故が起きた直後から船の出航は禁止している、つまり犯人はステーションにいるということだと言うシスコ。早く検挙してほしいというシスコに、了解するオドー。
犯人はODNリレーを通してコントロールにアクセスしたようだと言うウォーフ。リレー内部にアクセスシグナルが残っているかもしれない、そこから発信源を突き止められるかもしれないという。しかし返答のないオドーに、聞いているのかと怒るウォーフ。全部聞いていますというオドー。心ここにあらずという感じだなと言うウォーフに、失礼だが私の精神状態を読めるほどあなたは私をご存知ないと言うオドー。コードの確認を忘れるなんてそれしかいいようがない、はっきり言わせてもらうが、いすに座って壁をにらんでいるだけではシャカールの暗殺を防ぐことはできないという。その通りといい、キラ少佐と話してきますと立ち上がるオドー。キラの話はもう聞いたぞというウォーフ。オドーは自分流で調査をしていきますといった。
オドーは保安部員の配置が違うことに気付き、ジーメネズ※15にここでなにをしていると聞く。ジーメネズによると、シャカールがキラの部屋に来ているという。食事の後から、3時間になる。わかった、下がっていいというオドー。まだ私の時間ですがというジーメネズだが、後は私が警備に当たるという。ジーメネズは離れていった。
オドーは朝まで立ちつづけた。扉が開き、夕食を一緒にとシャカールにいうキラ。楽しみだというシャカール。おはようとオドーに声をかけるキラ。どちらにいらっしゃいますかとシャカールに聞く。自分の部屋だ、それから会議に出席するというシャカール。部下に警護させる。オドーは昨日のターボリフトの事故について話したいことがあるという。部屋に招くキラ。テーブルの上には2つのグラスがある。オドーが手を触れようとすると笑うキラ。私が何かしましたかと聞くオドー。いいえ違うのというキラ。キラはアドンと私、という。そうだったんですかというオドー。1年前にもしアドンと結ばれるかと聞かれていたら、きっとありえないと答えたという。確かに楽しい人だし尊敬もしていたが、お互いに知り過ぎていたでしょうという。何週間も風呂に入らないで行軍したり、寒い夜は抱き合って暖を取ったりしていた。いまさら恋愛なんてと思っていたという。でもそうじゃなかったというキラ。オドーは良かったですねと言った。あなたには馬鹿みたいに思えるでしょうねというキラ。いいえ、そんなことはというオドー。キラはオドーに後ろから抱き付き、あなたは一番の友達だわ、あなたに一番に打ち明けられて良かったという。ああそうね、ターボリフトの事故について聞きたいことがあったんでしょうというキラ。オドーはまた今度にしましょう、約束もありますしという。キラは笑い、わかったわという。一度キラの方を向きかえり、部屋を出ていった。オドーはしばらく目をつぶった。
ウォーフは部下に、一人の異星人を独房に入れておけといっている。どうしたんですと聞くオドー。ウォーフは奴が暗殺を図った張本人だという。真実の道の工作員だと認めた。アイソロニアインターフェイスを使ってシステムにアクセスし、環境制御を操作してシャカールの部屋の気圧を下げようと企んでいたらしいというウォーフ。システムにアクセスしたので、シグナルを追っていって発見した、今は使われていない貨物室にいたという。逮捕する前になぜ呼んでくれなかったんですというオドー。ウォーフは必要なかったんだ、君の部下たちは有能でよく訓練されている、君の手柄だといい保安室を出ていった。茫然とするオドー。
オドーは自分の部屋に帰って来た。いきなりコンピューターの画面を叩き割った。家具や置物も、次々に荒らしていくオドー。

※15: Ensign Jimenez (Charles Tentindo)

めちゃくちゃになった部屋の中で、座り尽くすオドー。クワークがチャイムを鳴らし、いるのはわかってるんだ、聞こえたからなという。返答がないため、クワークは強硬突破だといって操作し、部屋のロックを開けた。中を見て、こうなるだろうと思っていたよというクワーク。やることまで動物じみてきやがって、クリンゴンのターグ※16か、それともトレランのワニ※17かという。今日という今日は堪忍袋の尾が切れたという。名前を呼んでも返事のないオドーに、おい大丈夫かというクワーク。オドーはお前の勝ちだといった。そうか、キラ少佐とシャカールか、本当に惚れていたんだなというクワーク。正直言ってあんたにこんなところがあるとは驚いた、ここまでやるには相当の気持ちがなけりゃ、ブリーン※18の冬より冷たい奴だと思っていたという。私が馬鹿だった、私のような流動体生物などキラ少佐が愛してくれるはずがないのにというオドー。クワークは個人的な生活に立ち入るつもりはないが、こういうのはお互いのためにやめようぜという。次からはやけになってもあまり騒がないようにするよというオドー。クワークは違う、商売の話だという。お前がこんなじゃ、俺は稼げないという。クワークはステーションで変わった犯罪が起きるたびに、オドーがどれくらいで逮捕するかの賭けをやっていると話す。すごく人気あるんだぜ、正直キラとあんたが結ばれるかはどうでもいい、あんたさえしゃんとしていればいいという。行く道は2つしかない、キラに気持ちを打ち明けるか、きっぱりあきらめて立ち直るかだというクワーク。人生でまずやるべきことをしろよ、このままでいいわけないだろう、仕事にも支障があり、俺の儲けにもならないという。あんたがこのままだとギャンブルを中止せざるを得ないとクワークは言う。今は何もしたくないというオドー。何言っているんだ、ギャンブルが続いてるのはあんたの実力だぞ、みんなはオドーを必ず犯人を捕まえるヒーローだと思っていると言うクワーク。なのに失恋ぐらいで部屋をめちゃくちゃにし、へたり込んでいるようじゃといい、あんたがいつまで落ち込んでいるかなんて金を出す奴はいないという。言うだけはいった、邪魔して悪かったなと立ち上がるクワーク。俺の商売を潰さないでくれよと言う。オドーは変だな、一瞬だがお前が友達のような、そんな気がしたと言った。クワークはバーカと言い残し、部屋を出ていった。
キラの部屋に、オドーがやってきた。おはようございますというオドー。お話があるという。何といったらいいのかわかりませんが、よく考えた結果だというオドー。話すのをためらう。何なの、言ってみてというキラ。オドーは火曜の朝に行っていた、週間報告をやめたいという。何でなのというキラ。その時間が空けば部下たちの訓練をすることができるという。別の曜日に移してやりましょうとキラは言うが、オドーは申し訳ないが時間がなくてという。報告書はキラの元に届くわけだから何も2人で見直す必要はないという。楽しみにしてたのよ、あなたは違ったと聞くキラ。オドーはそれは、とだけいった。何かあったのねとキラは聞くが、オドーはただ有効に時間を使いたいだけですという。わかったわというキラ。オドーが出て行こうとすると、キラはオドーがベルトをしていないことに気付く。飾りよりやるべきことをやろうと思いましてというオドー。うなずき、じゃあ後でというキラ。オドーもうなずいて、部屋を出ていった。
クワークの店に入り、カウンターに近づくオドー。クワークは2階にいるぜという。誰がと聞くオドー。キラとシャカールだ、ホロスイートで明日ベイジョーへ帰るスピーチをしているという。連邦加入の手続き短縮が認められたみたいだというクワーク。オドーがどこで聞いたときくと、風の噂さという。ホロスイートを盗聴してたんじゃないだろうなというと、クワークは盗聴したくても盗聴機がないんだからできないという。そうだったなというオドー。クワークは今朝あんたの部屋に立ち寄った、音がうるさいので苦情を言いに行ったら、床に防音装置を施す工事をしていたという。感動したね、俺のために防音工事なんて嬉しかったよという。床の補強を頼んだだけだ、防音装置はクルーが気をきかせたんだろうというオドー。お前のためなんかに私が3日間、工事の騒音に耐えると思うかという。そうかもな、でもありがとよというクワーク。オドーは礼なんかいいんだといった。
キラとシャカールが話しながら店にやってきた。席につき、楽しそうに話をしている。オドーは2人を少し見ると、一人店を出ていった。

※16: targ TNG第6話 "Where No Man Has Gone Before" 「宇宙の果てから来た男」など。吹き替えでは「トラ」と、明らかに誤訳しています

※17: Trellan crocodile

※18: Bleen DS9第77話 "Indiscretion" 「デュカットの娘」など


・感想
以前から少し触れられていたオドーのキラに対する愛は、キラのシャカールへの愛により終わりを告げました。それを知った時のいつもは見せないオドーの失敗や苦悩、そしてやはり一番の友達であるクワークならではの慰めが、心に残ります。派手なシーンはないながらも、秀作だと感じました。


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