こだわり音源館

 主題歌・挿入歌・イン・ジャパン


なぜCD化されないんだ!なぜCDにはいってないんだ!そんなコーナーです。



AGATHA
アガサ/愛の失踪事件
作曲:ジョニー・マンデル

アガサ・クリスティーの実際の失踪事件をもとにした、地味だけど非常に丁寧に作られたミステリー映画。ワーナーブラザースの配給だけど監督がイギリスのTV出身のせいか、NHKでよく放映する「名探偵ポワロ」などの英国製作のTVミステリーものに通じるカラーがある。マンデルのスコアもあくまで地味に丁寧に、しっとりと本編に溶け込んでいる。それでいてしっかりと印象に残るからたいしたものである。まったく、ここ近年のハリウッド超大作にありがちな、鳴りっぱなし、垂れ流し、起伏なしのスコアにツメのアカ一丁!てなもんだ。マンデルはスタンダード・ナンバーにまでなった「いそしぎ」という大ヒットがあるけど、その他のフィルモグラフィを見てみると「卑怯者の勲章」「動く標的」「マッシュ」「午後の曳航」・・・う〜ん、渋い!と唸りたくなるような作品群。
「マッシュ」と「いそしぎ」はCD化されてるけど、その他もはやくCD化して!お願い!あまり売れないと思うけど・・・。
最近再評価著しいロイ・バッドだって怒涛のようにCDがでてるんだから(ちょっとですぎ!)、マンデルも再評価してっ!。




THE AMITYVILLE HORROR
悪魔の棲む家
作曲:ラロ・シフリン

プライベートレーベルを作ってからやたらとうれしいCDをリリースしてくれるシフリンだから、この作品もCD化される可能性は大いにある。アクション映画を得意とするシフリンになぜこの仕事のオファーがいったのか疑問に思ったが、監督の名前を見て納得。以前「暴力脱獄」で組んだスチュワート・ローゼンバーグ。このつながりで引き受けたのね。いつものリズム!リズム!のシフリンとは違ってここではオーソドックスな不協和音炸裂のホラー映画スコアを提供してる(中には何曲かノリの軽い曲もあるけど、そりゃ例外というこで)。「サイコ」のシャワーシーンの例のモチーフに似たフレーズがちらっと顔をのぞかせるのもご愛嬌。不気味な女性コーラスのはいった曲はイタリアン・ホラーを意識してか?
ま、ほぼ全編脅しまくりで「やればできるじゃん、シフリン!」
シフリンの担当したホラー映画ってこれと「エクソシスト」のNGスコアだけ(だったかな)だから、彼の才能の別の側面が聴けるだけに、CD化がのぞまれる1枚。


KELLY’S HEROES
戦略大作戦
作曲:ラロ・シフリン

戦争コメディ?の大傑作。でてる役者がクセモノ揃いならば、シフリンのスコアもクセモノ。ラスト近くのマカロニ・ウェスタン風のスコアなんか、それっぽい掛け声なんかはいってたりして爆笑。ミョ〜に能天気な主題歌(歌詞の内容は意外と泣かせる)といい、これはシフリンのかくれた名盤。なぜこれがCD化されてないんだろう。「燃えよドラゴン」と「スパイ大作戦」のインパクトがあまりにも強すぎたせいだろうか、シフリンはCD化されてない作品が結構ある(それも傑作ばかり!)。これらについては、このコーナーでおいおい紹介していくつもりである。
追記:CD化されるそうだ。うれしい!!
・・・と思ってたらいつまでたってもでてくれない。リリース予定にははいっていたんだけどなぁ・・


THE GOLDEN VOYAGE OF SINBAD
シンドバッド/黄金の航海
作曲:ミクロス・ローザ

ローザといえば歴史劇のイメージが強いせいか、「ベン・ハー」、「エル・シド」、「キング・オブ・キングス」あたりばかりがリリースされる。良くて「白い恐怖」までである。この「シンドバッド〜」は作品集のようなコンピレーションや、カバー物でさえめったにとりあげられることがない。が、スコアは素晴らしい。ハーマンが担当した前作「七回目の航海」に負けない仕上がりである。ハーマンのエキゾチックなスコアに対し、ローザのそれは、より幻想的なムードを盛り込み、ファンタジー色が強くなっている。史劇でみせた華麗なオーケストレーションも健在で、一歩間違うと荒唐無稽になってしまうストーリーに抜群の説得力をあたえている。なぜCD化されないんだ?
追記:めでたくCD化!!うれしい!!(ちょっと音悪いけど・・)



LETHAL WEAPON
リーサル・ウェポン
作曲:マイケル・ケイメン

この作品はCDの黎明期(1枚が3000円以上してたころ)にCD化されていたと記憶している。当時はレコードで入手するのが精いっぱいだった。ケイメンの名を知ったのもこの作品からだった。演奏はパート2、3と同じく、エリック・クラプトンとデイヴィット・サンボーンがあたっており、ケイメン自身もキーボードで参加している。購入当時、なにが不満って、オープニングの「ジングルベル・ロック」が入ってなかったこと。再発を望む1枚だが、どうせだすなら「ジングルベル・ロック」をいれてくれぇ〜。
追記:海賊盤がでた。どうせなら正規盤をだせ!



SUDDEN IMPACT and THE BEST OF DIRTY HARRY
ダーティ・ハリー4/ベスト・オブ・ダーティ・ハリー
作曲:ラロ・シフリン、ジェリー・フィールディング

作品も作曲家もとってもメジャーなのに、CD化されないのがとっても不思議。1、2、4をシフリンが、3をフィールディングが担当している。前者のホットに対し、後者はクール。2人ともジャズ畑の出身。イーストウッドにはジャズがよく合う。お気に入りは2のメインタイトル。(赤をバックに44マグナムをかまえた手だけが延々映り、最後にゃカメラにむけてハッタリかましてズドン。かっくい〜っ)この曲だけは後にシフリン自身のカバーでCD化されたが、なんとも気がぬけたようなシロモノで、がっかりした。ただでさえイーストウッドの映画は、サントラCDが少ないのに。(ここ数年の作品とマカロニを除き、ほぼ壊滅に近い)日本のSLCさんあたりでCD化しないかな、これ。
追記:シフリンのプライベートレーベルからめでたくCD化!!
でもフィールディングのスコア(つまり3ね)が収録されてないのは残念。

5も権利関係の問題で収録されず。ますます残念。



F.I.S.T
フィスト
作曲:ビル・コンティ

最近めっきり元気がない、コンティの初期の傑作。時期的には「ロッキー」につづくスタローン映画。(この頃のスタローンはよかったなぁ〜)曲は「ロッキー」ほどハデではないが、コンティのスコアは相変わらず力強く本編を盛り立てる。こういったスコアは最近のコンティからは聴く事ができない。この人もシフリンといっしょで、なかなかマトモにCDがリリースされない人である。「ロッキー」シリーズばっかりがいまだに現役盤で、あの「ライト・スタッフ」でさえ、でているのはスコア盤というていたらくである。作品に恵まれていないのはしょうがないが、だったらこういう過去の作品でもいいからCD化して欲しいもんである。



FAREWELL,MY LOVELY
さらば愛しき女よ
作曲:デヴィット・シャイア

サントラマニアのバイブル、「映画音楽〜その歴史と作曲家」で、著者の柳生すみまろ氏も大絶賛の1枚。氏の言葉をそのまま借りると「優しくて怠惰で、それでいて強烈な酔いを覚える」スコア。ハードボイルド映画のスコアとしては「チャイナタウン」と双璧だろう(エンゼル・ハートというのもあるが、あれは変化球に近い)。限定1000枚でもいいからCD化してくれないもんだろうか。シャイアもロクにCDがでない作曲家の一人。CD化された作品は「2010年」ぐらいか(それも今は廃盤だ)。最近、新作をみないが、映画音楽の世界から足を洗ってしまったのだろうか。
追記:CD化されるという。うれしい!!
・・・・99年4月には発売予定だったのに、いまだリリースされず。どうなってんの?



CROSS OF IRON
戦争のはらわた
作曲:アーネスト・ゴールド

サム・ペキンパーの異色戦争映画のサントラ。作曲は「栄光への脱出」のスコアで有名なアーネスト・ゴールド。勇ましいマーチと、少女たちのあどけない歌声による「ちょうちょ」のメロディーが交互にかぶさるメインタイトルからしてただものではない。全体的には押さえ気味のタッチで、アダージョのようなメロディーが続く。エンドクレジットでは「栄光への脱出」を思わせるような叙情性たっぷりのスコアを書いている。
ペキンパーはハリウッドでは 鬼っ子あつかいだったが、せめてサントラぐらいはCD化してもバチはあたらないでないかい。(と思ってたら、先年「ワイルド・バンチ」が日本のメーカーさんから正規リリースされた。この調子でいってもらいたいもんだ)

追記:CD化されたが、正規盤かなぁ、これ。おそらく正規盤だろうなぁ。



THE SILENCERS
サイレンサー沈黙部隊
作曲:エルマー・バーンスティン

数年前、俗に言う”シブヤ系”でカルロ・ルスティケッリやアルマンド・トロヴァヨーリ、バート・バカラックなどがもてはやされ、どっとCDがリリースされたことがある。そんな中にあってほとんどリリースに縁がなかったのがバーンスティンである。映画のスコアにジャズを初めて本格的に取り入れた「黄金の腕」はCD化されてるものの、それに続く「成功の甘き香り」でさえCD化はされてない。だからこの「サイレンサー〜」などはCD化など望むべくもないのだが・・。音楽はコメディタッチのスパイ物らしく抜群にしゃれたものに仕上がっており(ジャケットのイメージのまんま)、聞いてるだけでキモチの良いサントラである。当時リリースしてればWAVEあたりで結構売れたと思うんだけどなぁ。


このCDをだせ!超大物編


その1:ヘンリー・マンシーニ


WHO IS KILLING THE GREAT CHEFS OF EUROPE?
料理長殿、ご用心(左)

SANTACLAUS THE MOVIE
サンタクロース(右)

数々のヒットナンバーを生み出し、抜群のメロディ・メーカーのマンシーニであるが、キャリアの長かった人だけにまだまだCD化されてない作品は多い。この「料理長〜」もその1つ。コメディタッチのミステリー物というマンシーニ得意のジャンルだけに、ツボを心得たスコアである。メインタイトルも1回聞いたら忘れない、親しみやすいメロディーだし、彼自身のピアノによるヒロイン(ジャクリーン・ビセットだぜい!)のテーマ曲も美しい。「サンタクロース」は公開当時結構ヒットしたものの、今では失笑を買う作品となってしまってる(だってプロデューサーがアレキサンダー・サルキンドだもん)。しかし音楽は素晴らしい。シーナ・イーストンが歌う主題歌”世界中のクリスマス”も名曲だし、全体的に歌曲が多く、ミュージカル仕立てなので1枚のクリスマス・アルバムとしても出色の出来である。マンシーニ作曲、プロデュースのクリスマス・アルバムだ、こりゃ日本のメーカーさん、冬季限定CDでだしたら売れまっせ!


その2:ジョン・ウィリアムズ

CINDERELLA LIBERTY
シンデレラ・リバティ(左)

THE MISSOURI BREAKS
ミズーリ・ブレイク(右)

当代きっての人気者だけにその作品はほとんどCD化されてると思われがちだが、「スター・ウォーズ」以前の作品ににとりこぼしが多い。この2作品はその代表的なもの。「シンデレラ・リバティ」は現在のフルオーケストラでジャン!の作風とまるっきり逆だが、小編成のバンドによるジャージィなムードが非常に心地良い佳作である。「ミズーリ・ブレイク」は主演がマーロン・ブランドとジャック・ニコルソンという濃いキャスティング(^^)のためか、音楽はギターとハーモニカを主体としたシンプルかつドライかつカントリーな仕上がりとなっている。これもゆったりと聞き流せる、心地良いスコアだ。現在のウィリアムズも好きだが、胃もたれすることもある。この頃のシンプルさ、心地良さも捨て難い。
追記:ミズーリ・ブレイクは正規盤でめでたく発売されました。パチパチパチ!
「シンデレラ・リバティ」は海賊盤アリ。


その3:ジェリー・ゴールドスミス

THE LAST RUN
ラスト・ラン(左)

THE SWARM
スウォーム(右)

お待ちかねのゴールドスミスである。彼はジョン・ウィリアムズ以上にコアなファンが多いので、CD化されてる作品は多い(というよりほとんどの作品がCD化されてる)。そんな中、CD化されないのが不思議なこの2作品。「ラスト・ラン」は私の大のお気に入りで、あの「パピヨン」を思わせる哀愁漂うメロディーがタマらない。人生最後の大仕事に賭けたジョージ・C・スコット演じる初老の男の心意気がひしひしと伝わってくるぜ!ゴールドスミスは何やらせてもうまいなぁ。「スウォーム」は本編はトホホだったが、ゴールドスミスの音楽がなかったらもっとトホホだったろう。緊張感あふれる金属的な音はゴールドスミスの独壇場。作風が今とあまりかわってないのにワンパターンを感じさせないところはエンニオ・モリコーネと並ぶ職人芸だろう。CDがでないのは本編をトホホにしたアーウィン・アレンのせいか?
追記:「ラスト・ラン」はめでたくCD化されました。カップリングは「夕陽の挽歌」。こちらも傑作!
「スウォーム」は海賊盤あり。こんなんばっかですな、どうも。


あの曲がはいってないっ!

THE BLUES BROTHERS
ブルース・ブラザーズ

クライマックスのカーチェイスシーンで延々と流れる「I CAN’TTURNYOULOOSE」のイントロ部分のリフレイン(この曲はブルース・ブラザーズの”顔”ともいえる曲なのに)。ぜひともいれて欲しかった。でもこれは彼らのオリジナルアルバムに収録されてる(リフレインはない)ので、まだいい。問題はエンディングの「監獄ロック」である。CDに収録されてるのはジョン・ベルーシのソロ。だが!映画では、出演したミュージシャンたちによるメドレーとなっており、これがもう最高なのである。権利の関係かどうか知らないが、このバージョンが収録されてないのは実に残念。


STAR TREKU/THE WRATH OF KHAN
スター・トレックU/カーンの逆襲
作曲:ジェームズ・ホーナー

スポックの棺を宇宙に打ち出すときに、スコット(チャーリー)がバグパイプで奏でる「アメージング・グレース」。打ち出されたその瞬間、音色はストリングスにスイッチする。バグパイプの哀愁をおびた響きと、ホーナーの泣かせどころを心得たアレンジが感動を盛り上げてくれた。1分そこそこの曲だったが、私はこれが聞きたくてこのLP(当時はレコードしかなかったんですよ、20歳以下の方)を買ったようなもんである。が、はいってない!思い入れのある1曲だけに、完全盤の発売を望む。


DIE HARD /WITH A VENGEANCE
ダイ・ハード3
作曲:マイケル・ケイメン

95年度のワーストサントラ大賞。サントラには「ブラームス交響曲第1番」だとかまたぞろ例の「第九」やらが収録されてるが、本編ではこれっぽっちも使用されてない。しかも本編中ガンガン使われ、さらにエンディングにも使用されたためもっとも印象に残る「ジョニーが凱旋するとき(アメリカン・サルート)」が、これまたCDにはこれっぽっちも収録されてない!曲の差し替えにはいろいろと事情があったらしいが・・。完全盤をだせぃ!


THE GODFATHER partV
ゴッドファーザー パート3
作曲:カーマイン・コッポラ

このCDにはマスカーニのオペラ「カバレリア・ルスティカーナ」から4曲収録されてるが、あの悲しいラストに流れた間奏曲だけ収録されてない。なんでわざわざこの映画のために録りおろしまでしといてエンディングにもってきた曲だけカットするの?