ThinkPad 330Cs は、高価な
700系(750C(s))に対して、低価格でオフィスへカラー化を浸透させた佳作機と言えます。
低価格なDSTN液晶とコストパフォーマンスの良いIBM486SLC2
CPUをパッケージングした異色のグレーボディーは、コスト重視の企業ユーザーに数多く受け入れられたようです。
純正のグレーのマウスとの組み合わせが洒落た
330Cs。
それまでの角張って黒い
ThinkPadとは違って、微妙な曲線を取り入れたデザインは、当時のオフィスでの評価が如何なものだったか、興味のあるところです。
DSTN液晶パネルは、歩留まりが悪くて高価なTFTに対して、低価格なカラー化のために採用されたものです。
現在でも視認性の悪さから嫌う人の多いDSTN液晶ですが、本機はパネル表面の反射がご覧のように酷く、視野角も狭いため、かなり目が疲れそうです。
勤務先で使われていた
PC-9821Nd(DSTNカラー)と比べると、発色は
330Csの方が良いようですが、この反射は
330Csの方がかなり酷いです。
右側には DSTNモデルということで、輝度とコントラスト調整のスライダーが並んでいます。
330Csの登場から半年ほど後、視認性が良い(が、高価な)TFT液晶モデルの
330Cが、ほぼ同スペックで登場します。
概要も液晶以外ほぼ同等ですので、細部は
330Cの項をご覧ください。
CPU IBM486SLC2-50MHz
RAM 8MB(固定)
HDD 170MB(EIDE未対応)
LCD 9.5"DSTNカラー(256色発色可能)
VGA WD90C26 V-RAM 512KB
最近はジャンク屋でよく見かける 330Csですが、今となっては色々と制約の多いスペックです。
格安だから・・・と言って安易に手を出すのは、特に初心者の方は避けた方がいいと思います。
- メモリは、この JBWモデルでは 8MB固定です。
増設もできませんので、Windows95はまとも(というより、実用的に)に使えません。
オリジナルでプレインストールされていた Windows3.1が限度です。- HDDは E-IDE未対応です。
パック式になっていて、内ネジで17mm以下のドライブが組み込みできます。- PCカードスロットは、TypeI/IIが 1スロット装備されています。
- EasySetupは、Resume/Suspendスイッチを押したまま電源を入れると呼び出しできます。
(2000/10/21 記)