2000/1/2
全国大学選手権準決勝
慶応大学 VS 同志社大学


慶 応VS同志社
253前半1219
0TRY2
0GOAL1
1PG0
0DG0
22後半7
3TRY1
2GOAL1
1PG0
0DG0



関東学院大学 VS 大東文化文化大学

関東学院VS大東文化
4615前半1433
2TRY2
1GOAL2
1PG0
0DG0
22後半7
5TRY3
3GOAL2
0PG0
0DG0



感 想
準決勝が大学選手権予想で書いた通りの組み合わせとなったために、観客数はどんなものか…。とやや心配しながら国立に足を運びました。

信濃町駅前はかなりごった返し、結構人が集まってきているような感じを受けたのですが、いざ競技場に足を踏み入れると、「あらら…」やはり半分も埋まっていません。最終的には三万数千程度の入場者数ではなかったでしょうか。良い試合が見られるはずなのに大変残念ですね。

今回は、学生が最後に日本選手権を制した早稲田永田組の対東芝府中戦以来のメインスタンド最前列というチケットが手に入り期待が大きかったのですが、国立の最前列(特にメインスタンド中央付近)は落下防止のための手すりがちょうど視線とかぶるために非常に見にくい場所だとあらためて感じました。東京オリンピックという最高のスポーツイベントのためにわざわざ作られた施設なのに、設計者はいったいどんな発想からあの手摺の高さを決めたのか、甚だ疑問。こんなところにもスポーツ後進国日本を見る思いでした。(まあ35年も前の事ですから仕方ないのでしょうが・・・)

さて第一試合。注目の同志社対慶応。
開始早々から同志社フォワードの破壊力が炸裂。スピードもあり、スクラムも強く、慶応を圧倒。
CTB松本、SH見崎のトライが決まって12-0になった時は、このまま同志社が圧勝してしまうのではないか、という雰囲気さえありました。
しかし、その後同志社もやや攻めあぐね、前半を12-3で終了。
そして、結果的に見れば、後半開始早々の慶応のトライがこの試合を決めたと言えるでしょう。
同志社にすれば、前半思い通りの試合展開で「いけるぞ」という気がしたはず。それゆえの一瞬の油断。空白の一時とも言うべきか、ふっと緊張の緩んだ時間帯ではなかったでしょうか。
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今期の慶応の集中力は恐ろしいほどのものがあり、「ここぞ」と言う時のフィフティーンの意思統一は見事なものです。
後半、慶応はキックが非常に効果的で、天も味方したのか、バウンドが慶応側に有利な転がりをした場面も何度かありました。
同志社はスクラムで圧倒できなかったところが誤算だったでしょうか。慶応はさすがに押されこそしたものの、早稲田や京産大のようにずるずると後退する場面はほとんありませんでした。

フォワードで圧倒できなかった同志社は、競り合いになって、やはり厳しい試合経験の少なさが影響したのでしょうか。僅差の試合になっての勝負どころの読み合い。その経験の無さが今年も敗戦に繋がりました。フォワードの破壊力と言い、バックスのスキルの高さと言い、単に総合的な力量だけを比較すれば、今期の大学NO1チームだったように思います。来年もポイントは関西リーグの中で互いに死闘を繰り広げられるような対抗チームが存在するかどうかでしょう。一昨年、昨年は京産大の一強体制。今年はその京産大が没落し、同志社の一強になってしまったことが不運でした。

第二試合の関東学院対大東文化。
帝京戦はトンガパワーで圧勝したと言っても、その凄さをすでにリーグ戦で経験している関東学院。強さも弱さも知り尽くしているだけに、一日の長があると見ていました。

ただし大東文化もリーグ戦で戦った頃よりは数段パワーアップし、トンガ勢だけでなく、他の選手もかなり力をつけてきていました。
ともに二トライずつを挙げ、関東学院が一点リードで前半を終了。
そして、結局この試合も、後半開始早々のトライが勝負を決定付けました。慶応大学と同様、関東学院も勝負どころの見極めは見事なものです。本当に強いチームの証しなのかもしれません。

特に3つのトライに絡んだ四宮選手の走りは見事の一語に尽きます。国立に来ると水を得た魚のような活躍で、大舞台での強さは大物の証明です。順調に成長して、ジャパンでの活躍が待たれます。決勝戦での栗原選手との対決はまさに見ものでしょう。
点差がついてから、大東文化も良く頑張りました。決して勝負をあきらめず、最後の最後まで食らいついた姿勢は大いに誉め称えられるべきものです。若い選手も多いのでまた来年に期待しましょう。

さて、決勝の予想をすれば、うーむ、見えます、見えます。
国立競技場の黄金色に枯れかけた芝生の上で、右手を大きく空に突き上げる選手の姿がぼんやり見えます。
ジャージは黒と黄色の縞模様。背番号は『7』と書いているように見えます。
というところでいかがでしょう?

三連覇と百周年。
精神的には、三連覇のプレッシャーの方が悪い方向に作用しやすい気がするので、僅差で接戦を、しかも逆転勝ちでモノにしてきた慶応大学の底力が一枚上で、5点差で慶応大学の勝ちと見ます。


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